年末から調子が悪かっただんな様の胃の具合。
胃潰瘍ぐらいは覚悟してたんやけど、それもなくて軽い胃炎ぐらい。それと胆嚢に3mmぐらいのポリープがあるとのこと。
でも、どちらも今の症状にはそれほど関係なさそう。
続けてガスターと新しく漢方の六君子湯(リックンシトウ)を処方された。
本人は心配性やから、絶対に悪い病気で入院手術もやむなしと思うてはったそうや。
たいしたことなくてよかった。
安心したところで、だんな様は仕事、私は鎌倉へ。
神奈川県立美術館鎌倉館に「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」を観に行ってきた。
タイトルの言葉は、ジョルジュ・バタイユ「宗教の理論」からの一節やそうや。
内藤さんの作品を意識して初めて観たのは、直島。家プロジェクトで古民家「きんざ」に設置されてる「このことを」やった。
横浜トリエンナーレ2008では、三溪園の茶室「横笛庵」に 展示された
「無題(母型)2008年」。に
どれもそこはかとないひっそりとした風情なんやけど、見飽きることがなく深く心に染みいる。
今回は古都鎌倉、鶴岡八幡宮境内にある神奈川県立近代美術館 鎌倉での展示。この美術館は1951年にル・コルビュジエに師事した坂倉準三の設計で建てられたもの。
そのこじんまりとしたシンプルな空間に、内藤さんの作品がよう合うてた。
外階段を上がって、2階の左手にあるL字型の第1展示室へ。
照明を落とした暗い部屋に、作品「地上はどんなところだったか」がある。
ガラスの展示ケースの中がところどころぼっと光ってる。
近づいて見ると、奥に花柄などのプリント布がたたんで置かれ、その上に豆電球を繋げたコードが花のような形でのせてある。
そばには、リボンやテープを丸くとめたのや、ガラス球などが置かれ、上からは白い風船がぶら下がってる。
展示ケースの手前には水の入ったガラスの瓶もある。
眺めてると懐かしいような気持ちになってくる。
展示ケースが4か所あって、そのうちの2か所には、靴を脱いで入ることができる。
順番を待って入ってみた。
ガラス越しやのうて、作品を間近に見ることができる。それだけやなく、展示ケースの外にいるお客さんも作品の一部のようなおもしろさがあった。逆に言えば、私が作品になってることにもなるんやけど。
中庭を見下ろす回廊に出ると、作品「精霊」が風にゆらめいてる。
幅1.1cm、長さ779cmのオーガンジーのようなリボンが2本。
ほのかに見えるこの加減がええなあ。
中庭の真ん中にはイサム・ノグチの彫刻「こけし」があって、リボンとコケシのカップルがまるで遊んでいるよう。
扉の向こうは、第2展示室。床の7割ほどに、小花プリントの布が敷きつめられてる作品「地上はどんなところだったか(母型)」。
一枚の大きな布やのうて、同じ柄の四角い布を何十枚も重ねて敷いてある。その重なりが微妙なニュアンスを生み出してる。
布の右手前に直径78mmの丸い薄い白い紙が重ねてあって、一枚ずつ持ち帰ってもええ。
よく見ると、小さな小さな赤い字で「おいで」ってオフセット印刷されてる。それも鏡文字で。
これも「恩寵」という作品。
「恩寵」っていうのは「他者をうけいれる」っていうことなんかなあ。
階段を下りると、平家池を目の前にしたテラスに出る。
手すりの上に、小さなガラス瓶が3つ置かれててそれぞれに溢れるぎりぎりまで水が入れてあって、表面は張力で盛り上がってる。
どこにでもある普通のジャムの瓶。たっぷりと水をたたえた瓶があるだけで、そこの景色がちょっと変わって見える。
この水の入った瓶は彫刻室という半屋外の展示スペースにも1つ置かれてて、「無題」という作品名。
テラスのところには、直径2mmの透明なビーズをテグスに通したものが天井から垂らされてた。
彫刻室には、直径1.5mmの透明ビーズをテグスに通したのが、天井から吊られて床まで届いてる。
どちらも「恩寵」というタイトル。
中庭に下りて、2本のリボン「精霊」を見ると、上から見てた以上にひらりひらりと舞ってる。
コケシと向かい合うような感じで石壁の隙間に「精霊(わたしのそばにいてください)」があった。
直径23mmの貝ボタンが2つ。ボタンの穴を加工してあって、まるでコケシカップルのお顔のようや。
かわいかった。
こういう展覧会は、好き嫌いがはっきりするやろうなあ。
年配のおじ様は、「絵はないんか?」って係りの人に聞いてはった。そのへんにあるようなもんをぽつぽつと置いてあるだけで、なんのことかわからんのやと思う。
お天気もよくて、私には至福の時間やった。
日ごろ見過ごしてしまいがちな、ささやかやけど大切なことを気づかせてもらえるような感じ。
1月24日まで。
内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している
東京新聞の記事
その後、鶴岡八幡宮にお参り。
仮名手本忠臣蔵大序の「鶴ヶ岡社前の場」の舞台やと思うと今までとは違って、親しみを感じる。
ついでに、神奈川県立近代美術館鎌倉別館にも行ってみた。「所蔵品による イギリスの版画」展をやってた。
こっちは、私にはもひとつやった。
小町通りを歩いていって、少し脇に入ったところにある鎌倉市鏑木清方記念美術館 にも寄った。
1月11日までサントリー美術館で「清方/Kiyokata ノスタルジア―名品でたどる 鏑木清方の美の世界―」展をやってたばっかりで、そちらに貸し出してる作品が多いのか押絵羽子板がメインでちょっと残念。
鎌倉市鏑木清方記念美術館
小町通りを鎌倉駅の方に歩いて行くと右手の寿名店ビルの内にお惣菜の松田屋さんがある。大正14年創業の地元で人気のお店。
少し先の左手の横道に入ったとこには、納言志るこ店。
ここも地元の人に人気のお店。
田舎しるこ700円は、甘さ控えめでボリュームたっぷり。
納言志るこ店
充実した鎌倉の半日やった。
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