すごく興味深くおもしろくて、目からうろこの、図書館で借りた本のこと。
貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える
アビジット・V.バナジー/エスター・デュフロ著 山形浩生訳
この本が対象とする貧者とは、世界の最貧者で、1日99セント(120円)以下で暮らす人たちのこと。
世界貧困の問題は、大きすぎて、複雑な要素が絡んでで、「寄付したところで大海の一滴だし、その大海もダダ漏れ状態」で、外国の援助が果たして役に立つのかと私自身もつい思うてしまう。
国連顧問のジェフリー・サックスは2005年のベストセラー「貧困の終焉」で、もし裕福な世界が2005年から2025年まで、毎年1950億ドルずつ海外援助をおとすようにすれば、貧困はそれまでに完全になくなるはずだ、と書いてるそうや。
一方、ウィリアム・イースタリーやダンビサ・モヨは海外援助はよい影響より悪い影響のほうが大きいと論じてるそうや。
「人々が自分で解決策を探そうとしなくなるし、地元の制度を歪ませるうえに重要度を下げてしまい、援助機関による自己延命的なロビーを作り出してしまう」と。
例えば、マラリア感染の多いアフリカ地域の子供たちを、殺虫剤処理した蚊帳のなかで寝るようにする最高の方法は?
蚊帳の無料配布なのか、補助価格にして自分で買ってもらうほうがええのか。
貧乏な人がどういうふうに意思決定をするのかを、新薬の効果を計るのにも使われてる、ランダム化対照試行(RCT)という手法を用いて実証し、具体的な問題を深く理解し、そこに介入する効果的な方法を見つけるのが最高の方法であるというのがこの本の内容。
それも、堅苦しいところはほとんどなく、とっても興味をもっておもしろく読めるように書いてはる。
「食うにも困るモロッコの男性がテレビを持っているのはなぜ? 最貧困にある人たちが食費の7%を砂糖にあてるのはなぜ?」 → 飢えている人でもカロリー増よりおいしいものやテレビのほうを優先する。
「貧困地域の子供たちが学校に行けるのになかなか勉強できるようにならないのはなぜ?」 →就学率が上がらないのは、学校がないからではない。むしろ子供自身や親が学校に行きたがらない/行かせたがらないから。
ほかにも、「マイクロファイナンスは悪くないが、一般に言われるほどすごいものでもない」「高利貸しは悪らつな強突く張りでは(必ずしも)ない」「途上国に多い作りかけの家は、実は貯蓄手段」など。
この本で書かれてることは、日本の生活保護の問題、東日本大震災の復興支援の仕方など、いろんな分野で役に立つと思うた。
今年読んだ本のなかで、一番おもしろかった。
1日1回のクリックで、募金ができます♪
絵を見る技術 名画の構造を読み解く 秋田… 2021年04月19日
動物園から未来を変える ニューヨーク・ブ… 2019年08月13日
落合陽一 著 魔法の世紀 2019年03月03日
PR
カテゴリ
キーワードサーチ
フリーページ
カレンダー