星の髪飾り

星の髪飾り

2007/04/21
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   さあ、どうしてだろうね。

 夢の中へ遊びに行こうか?

   できるのなら。

 誰の夢の中へ行きたい? 恋人? 親友? それとも

   あそこにいる子、彼がいい。

 沈んだ顔して自販の前にいる、あの子?

   そう。 

 じゃあ決めた。 待っていようか。 

   夢に扉はあるの?

 あってもノックはいらない。 君なら一緒に入って行ける。

   どうして? 

 私も君も今、同じ夢をみているから。

   あ、彼が自転車に跨ったよ。 帰るらしい。

 じゃあ、一度空に上がろう。 あの三日月に腰掛ける?

   いや、僕はあの星にしがみ付いて待っていたい。

 いいよ。 見ての通りふたつは近い、夢が始まったら合図するね。



「名前からどうぞ」

                     「に、に、西村 明です」

                   「この施設を選んだ訳を聞かせてもらえる?」

                     「は、はい。 い、以前に実習で・・・」


                    何かの面接?

                      そうみたい。 だけどあの人、ほら!

                    貧乏ゆすり。 あれはそう呼ぶの。

                      脚から上は偉そうだけれど。 ほら、顎で・・

                    顎の先に目が付いているみたい。

                      彼の顔・・・

                    シー! 静かに。


「君、ここがどこかわかるよね?」

                      「はい」

                    「多くの老人とコミニケーションとるんだ
                    君、無理でしょう? 会話ができないんじゃ
                    仕事にならない」

                      「会話、・・・・で・きます」

                    「もう、いいですよ」

                      「あ、はい」

                    「ああちょっと! 君、それじゃ何処へ行っても
                    社会では通用しないと思うよ」


 短い夢でよかった。 こっちまで寝汗・・・

  高齢者の介護施設だよね。

 彼、今日はあんなことがあったんだ。 

  ひどくない? 

 君、そう感じたのね。 

  当然。 

 彼は運がよかった。 そう思わない?

  思う。 それから、あの白い箱に入った人の中には・・・きっと。

 夢の中に入りたい? その人たちの。

  入りたくない。 

 じゃあ戻ろう。 あの人に、星の欠片を投げつけたいけれど。

  星の欠片がもったいない。 あっ、今度いつ会える?

 いつだろうね。 三日月の晩に一番輝く星の尖がりに抱きついていればいい。

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最終更新日  2007/04/21 07:33:18 PM コメント(4) | コメントを書く


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