星の髪飾り

星の髪飾り

2007/08/06
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浩樹は横浜を離れ高崎の電器部品工場で、鼻の天辺に油を付け汗まみれに

なって働いていた。 夏を迎える頃、突然天国に逝った母の墓の前で、静かに

手を合わせる父親と浩樹を、私は胸を痛めながら見ていた。 

もう取り返しがつかない。 母は無限の彼方に、私は有限の時空に舞い戻った。

 私に何ができるのだろうか。

汗や涙が一滴また一滴と吸い込まれる石が心の真ん中にあって、瑞々しい

エネルギーも未来も微笑ましく映る。 彼はそれに気付いていない。





憎むべきは運命だと知りながら、アスファルトの余熱がむらむらと込み上げる。


 声を聞けば輪郭が欲しくなり、姿を見れば逢って温もりを感じたくなる。

笑顔を見たくなる。 未満と言う鉄則を維持するには意志より強い覚悟がいる。 

訳を知らない浩樹に理不尽に降りかかった覚悟は、一方で「逢いたい」という

感情を掻き立てた。

携帯で繋がった彼の夢に入り込んだ雨の晩、あまりの愛おしさにキスをした。

10歳も年上の女性に憧れ以上の感情を抱く男の発色を、私はうかつに見逃した。

戸惑いの中、思わくを退けて作動した毛細血管は、紛れもなく自身であり・・・・・

エゴで我儘な成分の浮遊を、神経を束にして押さえつけなければいけない。  

 こと浩樹に対しては・・・・・・

            photo by  しっぽ2さん





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最終更新日  2007/08/06 10:50:14 AM コメント(8) | コメントを書く


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