大流行しましたね。
34年だったんですか。
結構しっかり覚えているので、もっと後かと思っていました。
きっとブームが長かったのかな・・?

おとうさんとの何気ない会話や日々の生活、とっても大切な想い出になりますね。 (2007/10/12 09:24:36 PM)

星の髪飾り

星の髪飾り

2007/10/12
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カテゴリ: カテゴリ未分類


            シーン 2 「タッコの見張り番」

 昭和三十四年、幼稚園に通い始めた多希子の部屋に、オルガンが置かれた。 柱には黒んぼのダッコちゃんがしがみ付き、大きな目で始終多希子を見張っている。                         
「タッコ、おやつだにー」                                    
 真沙は箸の先に練り状の飴をくるくる巻いて、多希子に渡した。           水飴を貰った多希子は、茂夫の工場と繋がる渡り廊下にやってきた。                          「ちゃんと座って食べるんだに・・・」                     
 真沙の声が遠くで聞こえた。                                              

 中庭に出ると、シロが尻尾を振りながら小屋から出てきた。 シロは僅かに首を傾げ、箸の先に付いた琥珀色の水飴を狙っている。
「シロ、覚えとる? これはタッコのエサだでね」


「シロ、タッコがれんげ畑に行く時は、ワンワン吠えちゃいかんに」         
 多希子がしゃがみ込んで、水飴をシロの口元に近づけると、シロは箸ごと奪い取り、速やかに小屋に逃げ込んだ。
「ああー! タッコのエサを返せ!」                            
「タッコ・・・裸足のまんまでどうした?」
 多希子が振り向くと、顔の所々に黒い油を付けた茂夫が、工場の窓から顔を出していた。   

 茂夫は時々、膝の上で甘える多希子に長嶋選手や力道山の話をしながら、新聞紙で大小様々な箱を作って、多希子を喜ばせた。   
「タッコはここに、ビー球を入れるに!」                           
 その笑顔は、死んだ令子を思い出させた。  

            次回 「ご褒美はフラフープ」






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最終更新日  2007/10/12 05:21:55 PM
コメント(15) | コメントを書く


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Re:「永遠に」  第二章  シーン 2(10/12)  
ぜん  さん
抱っこちゃん人形って34年にはあったんですね!  まだ私は生まれてないのです(^^ゞ  兄弟で遊んだ記憶があります   (2007/10/12 05:52:20 PM)

路地裏  
ちぎれ雲  さん
いいですね。今は、なくなってしまった、というより、歩く人がいなくなりました。東京・入谷あたりでは、下町情緒が多少残り、しかし、路地裏という感触は、もはやないですね。駆け回って遊べる、そんな路地裏があれば、子どもたちの幸せかも知れません。 (2007/10/12 06:25:59 PM)

こんばんわ。  
祖母が白黒のTVの前で
小さな身体を揺らしながら力道山を応援してました。 (2007/10/12 06:38:29 PM)

Re:「永遠に」  第二章  シーン 2(10/12)  
fellow  さん
fellowは抱っこちゃんを抱えたフォトが残っています。
記憶にはないんだけどね・・・
2歳ぐらいだったのかなぁ(*´_`*)
(2007/10/12 07:56:58 PM)

ダッコちゃん  
なにわっ子 さん

オルガンの  
椅子とミシンの椅子を逆さにして遊ぶのが好きな子どもでした(笑)

わたしも幼稚園のときにオルガン習ったなあ・・・ (2007/10/12 11:27:36 PM)

兄妹?  
kitakitune jiji  さん
タッコちゃんにダッコちゃん、兄妹みたいですね。
あの人形ウインクしましたよね。

水あめを舐めながら紙芝居、そんな光景が、横におおきなポプラの木が3本。。。
子狐のホームグランドの光景が・・・ (2007/10/13 07:12:07 AM)

Re[1]:「永遠に」  第二章  シーン 2(10/12)  
恵 香乙  さん
ぜんさん
>抱っこちゃん人形って34年にはあったんですね!  まだ私は生まれてないのです(^^ゞ  兄弟で遊んだ記憶があります  
-----
お台場にも(ちょっと違うけど)ありますね。 昭和を再現した、、、あそこ。 (2007/10/13 01:15:07 PM)

Re:路地裏(10/12)  
恵 香乙  さん
ちぎれ雲さん
>いいですね。今は、なくなってしまった、というより、歩く人がいなくなりました。東京・入谷あたりでは、下町情緒が多少残り、しかし、路地裏という感触は、もはやないですね。駆け回って遊べる、そんな路地裏があれば、子どもたちの幸せかも知れません。
-----
裏路地があっても、車が入ってくるから遊べませんね。
残念です。 (2007/10/13 01:16:16 PM)

Re:こんばんわ。(10/12)  
恵 香乙  さん
魔法の木マスターさん
>祖母が白黒のTVの前で
>小さな身体を揺らしながら力道山を応援してました。
-----
そうですか。 白黒テレビ、また見たい気もしますね。
体を揺らしながら・・・こういう光景は記憶に留まるんですね。いい感じ。 (2007/10/13 01:17:25 PM)

Re[1]:「永遠に」  第二章  シーン 2(10/12)  
恵 香乙  さん
fellowさん
>fellowは抱っこちゃんを抱えたフォトが残っています。
>記憶にはないんだけどね・・・
>2歳ぐらいだったのかなぁ(*´_`*)
-----
その頃かもしれませんね~ お母さんが買ってくれたのかな。貴重な写真かも♪ (2007/10/13 01:18:07 PM)

Re:ダッコちゃん(10/12)  
恵 香乙  さん
なにわっ子さん
>大流行しましたね。
>34年だったんですか。
>結構しっかり覚えているので、もっと後かと思っていました。
>きっとブームが長かったのかな・・?

>おとうさんとの何気ない会話や日々の生活、とっても大切な想い出になりますね。
-----
あの目と、腕が可愛かったです~
父親は母親ほど話さないだけに、印象深いのかも。 (2007/10/13 01:19:10 PM)

Re:オルガンの(10/12)  
恵 香乙  さん
おきらく亀子さん
>椅子とミシンの椅子を逆さにして遊ぶのが好きな子どもでした(笑)

>わたしも幼稚園のときにオルガン習ったなあ・・・
-----
男の子がよくそうやってましたね。基地みたいの作ったり。 オルガンの音色って今は新鮮かも♪ (2007/10/13 01:19:58 PM)

Re:兄妹?(10/12)  
恵 香乙  さん
kitakitune jijiさん
>タッコちゃんにダッコちゃん、兄妹みたいですね。
>あの人形ウインクしましたよね。

>水あめを舐めながら紙芝居、そんな光景が、横におおきなポプラの木が3本。。。
>子狐のホームグランドの光景が・・・
-----
なるごど~ ダッコちゃんと姉妹かも。 しがみついて話さない、ききわけがない我儘タッコ。(笑)
紙芝居は見たことがないです。 見たかったな。 (2007/10/13 01:21:23 PM)

Re:「永遠に」  第二章  シーン 2(10/12)  
抱っこちゃん人形知ってるよ~~。持ってたしね。
5円とかでお菓子を買いに行ったり、当り付きのお菓子を買って よく食べてたしね。
路地裏って言うよりは、田舎の地道で、バタコって言う三輪自動車とか有ったよ。
(2007/10/14 02:00:28 PM)

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