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2007/10/12
「永遠に」 第二章 シーン 2
(15)
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シーン 2 「タッコの見張り番」
昭和三十四年、幼稚園に通い始めた多希子の部屋に、オルガンが置かれた。 柱には黒んぼのダッコちゃんがしがみ付き、大きな目で始終多希子を見張っている。
「タッコ、おやつだにー」
真沙は箸の先に練り状の飴をくるくる巻いて、多希子に渡した。 水飴を貰った多希子は、茂夫の工場と繋がる渡り廊下にやってきた。 「ちゃんと座って食べるんだに・・・」
真沙の声が遠くで聞こえた。
中庭に出ると、シロが尻尾を振りながら小屋から出てきた。 シロは僅かに首を傾げ、箸の先に付いた琥珀色の水飴を狙っている。
「シロ、覚えとる? これはタッコのエサだでね」
「シロ、タッコがれんげ畑に行く時は、ワンワン吠えちゃいかんに」
多希子がしゃがみ込んで、水飴をシロの口元に近づけると、シロは箸ごと奪い取り、速やかに小屋に逃げ込んだ。
「ああー! タッコのエサを返せ!」
「タッコ・・・裸足のまんまでどうした?」
多希子が振り向くと、顔の所々に黒い油を付けた茂夫が、工場の窓から顔を出していた。
茂夫は時々、膝の上で甘える多希子に長嶋選手や力道山の話をしながら、新聞紙で大小様々な箱を作って、多希子を喜ばせた。
「タッコはここに、ビー球を入れるに!」
その笑顔は、死んだ令子を思い出させた。
次回 「ご褒美はフラフープ」
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最終更新日 2007/10/12 05:21:55 PM
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