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2008.03.03
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カテゴリ: ライブレポ


2008.3.1 @日本武道館
"LIVE FOREVER"
The last waltz of Syrup16g


Syrup16gと出会ったのは、ROCKERSに行くようになってから。
片平さんのリスペクトしてるアーティストの一人だったから。
最初はそれくらいの気持ちだった。
彼らの曲を聴くのも片平さんのイベントでのみだった。

歌詞とかちゃんと知らなかったけど、とにかく胸の奥のほうに
ズーーーーーン..とくるものがあって、なんとなくだけど、
CDを手にとって改めて聴くのがずっと怖かった。

五十嵐隆という人物がどういう人なのかも。
ずっと知ろうと思わなかった。


でもあるタイミングでシロップの「動脈」「静脈」を聴き始めた。
そんなに前のことじゃない。
とにかくあのときの私は、何かにすがりたくてシロップに助けを求めたんだった。

苦しかった。
歌詞を見ながら何回も聴いた。
朝の通勤電車でも、とにかく何回も何回も。
シロップ以外の音楽を受け入れられない時期もあった。


それでも、ちゃんと毎日生活ができていて、仕事も毎日こなして、
友人や大切な人ともうまくやれてた。

「シロップを聴くと風邪が悪化する」とか、「鬱になる」
とかって聞くっていうけど、私はその逆なんじゃないかって思ってて。
まぁきっと個人差があるんだろうけれど。
私には、落ちるとこまで落ちればあとは上がるしかないと
思わせてくれる曲たちだって思えた。


だから、落ち込んでるときにあえてシロップを聴くようにしてた。
そのお陰なのかどうかはいまだにわからないけど、
今も元気に毎日生活ができてる。


それでも、ライブには行こうと思わなかった。
なんとなく、行ったら何かが終わっちゃう気がして。
でもまさか、初めて行くライブが最期のライブになるなんて、思ってなかった。

そんな心からすがって、心から好きだったバンドが、この日解散した。


何日も前から、考えるのはこの日のことばかりで。
でもどうしても最後のアルバム「Syrup16g」を手に取れなくて。
怖くて、これを聴いちゃったら、このバンドの最期を見届ける
準備になってしまうというのが。

それでも他のバンドの曲を聴いても耳に馴染んでこなくて。
無理やりOCEANALANEとか聴いてみたけど、全然ダメだった。


だから、「Syrup16g」を手に取った。
それでも何日か封を開ける勇気が出なくて。
やっと聴き始めたのはラストライブの週。

前の日記にも書いたけど、優しくて力強くて悲しくて暖かい作品だった。
3日間くらいこれしか聴けなかった。
苦しかったーーーーーーーーー・・・

でもきっと、このアルバムは五十嵐さんが私たちを苦しめるために作った作品じゃない。
そう思えたから、やっぱ聴いてよかったよ。
どっかの誰かが書いてた。
「五十嵐さんは最期までシロップを演じきることをやめて、
今のありのままの
五十嵐隆を表現したかったんだ」って。
「シロップという幻想を終わらせることがファンにとって最も誠実な」
みたいなインタビューもあったとか。それを知ったら、やっぱ行かなきゃダメなんだよな~って思って。


でもあえて開演時間ギリギリに武道館に着くようにした。
最後の悪あがき。

武道館に着くと、すでにグッズが完売してて。
まだまだグズグズと中に入れないでいるファンがたくさんいて。
すでに涙目になってる人とかいて。
そういうの見てたら、急に「しっかり見届けなきゃだ」って
変な使命感みたいのが湧いてきて。
そっからはわき目も振らずに自分の席まで早歩きになってた。
連れが途中で声をかけてくるまで、無心で歩いてた。

席に着いたら、また急に実感が湧かなくなっちゃって。
でも会場のBGMはシロップだったから、我に帰らざるをえなくて。
なんとなく会場の雰囲気もやっぱり普段行くライブとは全然違くて。
この日を迎えたファンの人たちが、どういう気持ちでこれから始まる
ステージを待っているのかが、怖いくらいわかった。
笑い声なんて一つも聞こえなかった。
大きな声も出せないような緊迫感で、また少し怖くなった。

少し時間が押して、会場が真っ暗になった。
バックスタンドの上までいっぱいに埋まった会場全体の声。
ここで歓声という言葉は使えない。
SEなしでステージに出てきた3人。

一言も発さないまま演奏が始まった。

いちお、拾いもののセットリスト。

01.きこえるかい
02.無効の日
03.生活
04.神のカルマ
05.I.N.M
06.Anything for today
07.イエロウ
08.月になって
09.負け犬
10.希望
11.センチメンタル
12.明日を落としても
13.もったいない
14.生きたいよ
15.途中の行方
16.ex.人間
17.正常
18パープルムカデ
19.天才
20.ソドシラソ
21.Sonic Disorder
22.(LIVE FOREVER)
23.coup d'Etat
24.空をなくす
25.リアル


心が痛くて、でもシロップの曲たちがそれを癒そうとしてくれてて。
ガマンしようと思ったのに、「生活」で完全に溢れた。
「神のカルマ」でシロップの偉大さに触れた。
「負け犬」の出だしで五十嵐さんが間違って、「負け犬だけに(苦笑)」
と言ったことで笑顔がこぼれた。
アコギで五十嵐さん一人の「センチメンタル」と「明日を落としても」で
涙が止まらなくなった。

苦しくて苦しくて、でもすっごいあったかいものがあって。

MCなんてほとんどなかった。
でも数少ないMCで、本編の後半で五十嵐さんが発した言葉。

「あぁーー・・・終わっちまうよ。クソッ・・」

鳥肌が立ったよ。
何に対しての後悔なのか、何に対する苛立ちなのか。
私たちには想像でしか読み取ることはできないけれど、
どの感情にしてもあの場面は「クソッ・・」って言葉しか出てこない、
そういう瞬間だった。


「まだ終わらないで欲しい」


あの時、みんなそういう気持ちだったと思う。
この時間が、そしてSyrup16gが。



曲の終わりに時々発せられる五十嵐さんの「ありがとう」。
それがとても深くて、重い荷物を一つ一つ降ろしていく感覚があった。
五十嵐さんのSyrup16gへの愛や、ファンのみんなのSyrup16gへの愛。
たくさんの愛に溢れた空間だった。



本編の最後、客席に向かって五十嵐さんが手を合わせた。
「ありがとう」
 と
「さよなら」

どっちだったんだろうな。

客席からも「ありがとう」の言葉がもうどこからともなくステージへ落ちていって。
全部受け取れたかなぁ。

3人がステージからいなくなった後、アンコールはあるだろうって
みんなわかってるけど、決して拍手が止まることはなくて。
この声が、拍手がどうかメンバーに届いていますように。
そんなことを思いながら、3人が出てくるのを待った。


3人がまた出てきた時の客席からの声。
ステージへ降り注ぐようにメンバーを呼ぶ声。
ここでもまた、鳥肌が立った。

en-1

01.さくら
02.ニセモノ
03.新曲
04.イマジネーション
05.scene through

1回目のアンコールは最後のアルバムからが多かったね。
新曲をやったのが驚きだった。
「あれ、これ聴いたことないな」って思ったら、新曲だったんだって。
「さくら」の歌いだし、五十嵐さんの声がブレたのは、気のせいだったのかな。

ここで少しMCがあった気がした。
メンバー紹介だったかな・苦笑
このメンバー紹介で、会場の雰囲気が一気に和んだのを覚えてる。
なんのへんてつもないメンバー紹介だったけど、私には一人ひとりを
かみ締めながら紹介してるように見えたんだ。

en-2

01.She was beautiful
02.落堕
03.真空

ここで「She was beautiful」を聴けると思っていなくって。
墜落も本当に辛いときに聴いたから、泣けてきて。
「真空」でどっかに飛んでいきそうな感覚になった。
ここでもほとんどMCはなくて。
それがまたシロップらしかった。

en-3.

01.翌日
02.Reborn


最後の最後でこれ。
ずるいよ。

「もう終わるけど、明日どうなってるかわかんないけど、
 死んじゃってるかもしれないけど、でもシロップにも明日という日を
 歌ってる曲もあって。それを歌いたいと思います」

といって歌った「翌日」。

「生まれ変わる」という意味で歌った「Reborn」。
どちらもすごく温かかった。
「Reborn」の後半、客先のライトが全部ついて。
お客さんの顔が全部確認できるようにっていう演出も、すごく心憎くて。
泣きじゃくった。
でも、顔はさげちゃいけないと思って。
きちんと見届けなきゃって思って。

最後まで、五十嵐さんは「さよなら」って言葉を使わなかった。と、思う。
「ありがとう」しか言わなかった。

シロップのライブへ行ったのは初めてだったのに、なぜか
「シロップらしい」
と思った最期だった。
3時間半に渡って、Syrup16gから私たちファンへ届けられた世界。



あの愛に溢れた時間でようやく受け入れられたのは、
もうSyrup16gを卒業しなきゃいけないということ。
名曲は名曲として、この先も聴き続けるとは思うけれど、
もうSyrup16gを頼ってはいけないということ。

落ち込んだものを再生するために聴くんじゃない。
こんなすごい影響を与えたバンドがいたんだってことを、
記憶から消さないために聴こう。

きっとそれを受け入れるのが怖くて、まだまだSyrup16gに
すがっていたくて、だからあんなにもこの日を迎えたくなかったんだと思う。
けど、やっぱりこの日を見届けられてよかった。

私が本当に心から好きになったバンドはいくつかあるけれど、
最期を目の当たりにしたのって初めてで。
こんなに辛いものだとは思わなかった。
その裏側にこんなにも温かいものが隠れてたなんて、思いもしなかった。


Strup16gの最期に立ち会えてよかった。



Syrup16gというバンドに出会えてよかった。



この先どんなに辛いことがあっても、Syrup16gにすがったりしない。
自分自身で再生する強さをもらえた気がした。




ありがとう。


さようなら。







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Last updated  2008.03.03 14:52:51
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