欧州生活16年目 - 伊・独・私の三角関係 -

役所と県庁での手続き1



ローマ大使館で受け取った書類(nulla osta(独身証明書)とcertificato di nascita (日本国籍証明書) )を持って
comune(役所)に行く。担当者が書類を確認したあとで、結婚申請書に彼と私のそれぞれの名前や住所、職業や学位などを
記入し提出。その後結婚式をする日にちの希望を聞かれた。当日のホールを予約するためである。
(私はキリスト教徒ではないので教会で結婚することはできない。なので役所のホールで行うことになる)
私の母は日本の大安やら仏滅やらを気にしていたが、最終的にはイタリアで結婚するんだからイタリアでの吉日にした方が
良いだろう、と彼と担当者にいろいろ案を出し合って決めてもらった。色々な人にお祝いに来て欲しい、ということで
誰もが気軽に来られるように土曜日にするのがこのあたりでは普通なようだ。

その後また最初の係員に呼ばれ、大使館から受け取った書類に押してある印章が本物であるかどうかを県庁で
証明してもらうように言われた。このことについては経験者のHP等を読み漁っていたので知識としてすでに
わかっていたが、あらためて言われると危機管理の厳重さに 「さすがイタリア」、などと思ってしまった。
あらゆる公式書類というのは、通常その国でしか有効でないため、本当に公式書類であるかどうかの審査を受けることになる。
イタリア大使館からの書類は当然イタリア語であるが、それでもイタリアで正式に日本からの公式書類として
認められるには県庁での証明が必要なようだ。

またこの時、日本から持ってきた日本語のオリジナルの書類も、イタリア大使館からの書類にホチキスで
とめておくようにと言われた。これはこれまで経験者のHP等を調べた中でもどこにも記載のないことだったので
たぶんこのcomune(役所)独特の考えなんだろうと思う。
私はたまたま戸籍謄本を余分にもらっておいたものがあったのと、念のためにと日本の役所で日本語でも
独身証明書を出してもらっておいたので(日本の役所では初めての申請だったらしくかなり時間がかかった)
それをすぐに使うことができたが、余分なものが手元に無い場合は面倒なことになっていたと思う。
海外在住者は在住地から毎回郵便で取り寄せていることが多いと思うので、一度申請することになったときは
余分に取り寄せて置いたほうが時間もお金も短縮できて無難かもしれない。

県庁では、書類を見せる前に「クボって書いてある?(サインした人の名前が久保氏である)」
と聞かれ、頷きながら書類を見せると「そうね、クボね。」と同僚と二人で確認。(このクボ氏のサインは教科書の見本のように
はっきりと、誰もが読める素晴らしいローマ字で書かれたサインだったのだ)一時間後に戻ってくるように言われただけだった。
1時間後に戻ると、書類上に印章が本物であることが手書きで書かれ、そこに日付とサインも書かれていた。
BARで買った、書類1枚につき11ユーロの印紙をそこに貼ってもらい、割り印を押してもらって書類の完成。
10日後にこれとさらに11ユーロの印紙を1枚持って再びcomune(役所)まで行かなければならない。


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