Happy life in Florence

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蝶々婦人再再演


カルーゾとの出会い * 蝶々婦人 * 蝶々婦人再演 * 蝶々婦人再再再演 * ジャンニ・スキッキ * ジャンニ・スキッキ再演 *

蝶々婦人再再演

2003年11月

蝶々婦人再再演決定
指揮者のマウリツィオから直々に電話があって、今回はまじで合唱団を結成したいという。合唱団の音楽指導は私に任せられた。
信用されるの、悪い気はしないね。

合唱顔合わせ兼練習

いつものようにヴィヴィアーナんちにいって蝶々さんの合唱練習。
新しくメンバーに加わったRさんも一緒。もうひとりCさんも加わるはずだけど、忙しくて顔合わせには来れなかった。
今回は本当に全部やるという事でヴィヴィアーナもおお張り切り。
私も指揮者のマウちゃんから直々にお電話頂いてるのでちゃんとやりたいし。
一応音取りは全部やった。後は個人練習がんばってもらって・・・
一応日本の音大出てる人ばかりだから、その気になれば何とかなると思うんだけど、ヴィヴィアーナがちょっと心配。
ソプラノは私と新人のRさん、メゾはIさん、Cさん、でもアルトヴィヴィアーナひとりだからなあ・・・彼女が一番怪しいのに。自分は声がしっかりしてるからメゾを補強するべきだなんて本気で思ってるし。
来週は月、火、金と3日間練習日をとった。がんばろう!

合唱練習二日目

大丈夫かな?
今日もやる気満々で始まった合唱の練習。
でも、なぜか音が取れてないところがまだある。
Iさんはメンバーに入ったばかりにもかかわらずきちんと音をとってきてしかも集合の直前にも30分ほどピアニストの家で練習してきている。
だのに、だのにー。
ヴィヴィアーナ!がんばれ!
そもそもいいだしっぺというか、彼女のつてでみんなが引き込まれているこのオペラ、張本人が歌えてない。
確かに、いろいろ忙しいんだろうけど、それはみんな一緒。それぞれ他にも仕事を持ってるし、家庭の事情やいろいろ突然のトラブルだってある。でもやるからにはきちんとやりたいから家で練習してきてる。
彼女、どうやらみんなが集まったときしか歌ってなさそう。
自分ひとりでは感じがつかめないんだといってひとりでパート練習はしていないらしい。私が作ってあげた伴奏付き彼女のパートテープのありかさえわからないという。
でも、みんなと一緒に歌うと自分の音が取れてないからつられちゃうし、適当に自分で作って歌ったりしてる。
「うー、ちょちょさーん」と合いの手を入れる場面、CDでも聞いてればなんとなく覚えそうなものなのに、CDのありかも分からない。この何ヶ月か本番の度に「次回はカットなしでしようね」と言い続けていたのに、やる気本当にあるのかしら。
ちょっと今日は切れかけた。

合唱練習三日目

今日もヴィヴィのために私とピアニストとふたりがかりで練習。
何と言っても今回はちゃんと合唱したいので、彼女にももがんばってもらわねば。
どうもまだきちんと音が取れてないらしい。
ひとりではちっとも練習してないっぽい。
だのにうまくいかない個所を集中的に練習していると嫌気が差して眠くなる、他の曲がやりたくなる。
彼女一人のせいで他の4人が完璧にできてるのに合唱全体がきちんと聞こえないなんてことになると他の人に申し訳ないじゃない。
がんばってくれよ。
といつまでも愚痴ってても埒が明かないので、彼女の練習に根気よく付き合ってあげるしかなさそうだ。
それにしても彼女の家はいつも何かしら工事中で埃っぽい。
帰ってきて喉がなんだかいがらっぽかった。
あんな環境では声を壊しかねないぞ。

問題発生

ヴィヴィアーナから電話
「今回のオペラは蝶々さんのシルヴィア自腹きっての公演で、お金が出ない、もしくはすずめの涙しか出ない。だから合唱団も払えないから私たち二人だけでいい。合唱団は解散することになった。指揮者とも企画とも私が話したから」
というので、残念だけど、みんなに電話して今回はお流れになったと連絡した」
ところが本番1週間前
シルヴィアから電話
「合唱団の調子はどう?日本人の合唱団、楽しみにしてるわよ~」

「解散したよ、いらなくなったってヴィヴィアーナに言われた」
「あんた、そんなの信じたの?」
・・・
ヴィヴィアーナに確認の電話をする私
「合唱団いるっていわれたよ」
「ただでもギャラ少ないのに5人で行ったら一層取り分が減るでしょ!あんたたち日本人は世間知らずだから利用されてるのよ!イタリア人の私が駆け引きするからあんたは私が言う通り動けばいいのよ!、この世間知らずのおこちゃまが!私にすべて任せなさい!」
・・・
べつにギャラが出なくったって私たちは楽しいからいいんだけどさあ。
おかげで私はもう一度他の合唱団員に電話して来てもらうよう頼むはめになった。
幸いみんな都合がついてこれることになった。
それにしても、もうこんなごたごたはごめんだわ。

最終合唱練習

おー!!

さすがみんな音大卒業生!!
さすが日本人!!
私たちってやっぱりなんだかんだ言ってまじめな日本人!
今日の合唱の練習。
約束の6時には(ほぼ)集合して、ちょっとコーヒーを頂いてすぐ練習開始。
みんなちゃんと音はとれてるしたったったっと進む。
いい感じじゃないの。
後一週間しかないけど、全然問題なさそう。
何より私の頼りない伴奏でちゃんと歌えてるんだから、まうちゃんの伴奏と指揮があれば絶対うまくいく!
遅れて来たヴィヴィアーナもしっかり歌えてるようにみえる。
音ははっきり言ってずれてるところもあるけど、そんなに目立たない。
なんてったってメゾが2人ソプラノが2人いるから、ちょっとアルトが頼りなくても何とかなるさ。
今日はソプラノ1がひとり足りなかったけど明日の指揮者との合わせには来れるそうだから明日はさらに格好がつくでしょう。
楽しみ。

指揮者宅で合唱団お披露目

なんと合唱団全員揃って指揮者の家で音楽練習が実現したのだ!
ちょっとずつ怪しい音もあったけど、かなりいいせんいってたと思う。
指揮者も満足げだった。
やっぱりヴィヴィの音の取れてないところがいくつかばれてたけど、何とかいけそう。

でも、私はこのごたごたと、仕事場の環境の変化、それに加えて最近食事が不規則で、流石に疲れがたまっていたらしく、2時間たちっぱなしのレッスンの終わり頃、立っていられなくなってしまった。

血が頭に上らなくて、気絶する直前に自分で座り込んだのでなんとか倒れずにはすんだけど。

砂糖水やチョコレートを頂いてちょっと復活。
その後パニーノを食べに行って帰宅。

ゲネプロ?

ゲネプロってこういうのを言うかな?
普通、音楽稽古は散々やってきて、立ち稽古もやってきて、ゲネっていったら衣装つけて本番同様に止まらずに通すんだよね。
ところが!
案の定、いつものように適当な音楽稽古。
でも、合唱団の美しいハーモニーにソリストの皆さん感動してくれました。
ユニゾンのピアニッシモなんてイタリア人には絶対できない芸当、日本人がやるとほんとに声が1本にまとまって聞こえちゃんだもんね。
どうだ!まいったか!
この場に及んでもまだ作曲しながら歌ってるヴィヴィ。まうちゃんに怒られても「だってアルトひとりなんだもーん」って・・・
それでもあきらめずにまうちゃんは間違いを指摘する。うーん、目つぶってくれないかなー。切りが無いんだよ。もう今更正しい音はとれないと思う。
それにしても、新しくメンバーに加わってくれたCさんとRさん、訓練されてる現役の声楽留学生らしく、声が美しくて安定してる。この二人のおかげでCoro mutoは成り立ってる。彼女たちがいなかったらいったいどうなっていたのだろうとまじで思う。
私は家でそれだけ歌うときはできるけど、一幕しっかり歌った後で、これをやると貧血で倒れてしまう。
本番は朝鮮人参とプロポリス、さらにブラックチョコレート持参でがんばるつもりだけど。
明日はTボーン・ステーキ食べるぞ!

本番です、はい

いやはや
いやはや
やられました今回も。
スタミナつけて、仕事も有休とって準備万端。
ヴィヴィの車に乗り込んでいざ出陣。
完璧なRさんとCさんはぎりぎりまで楽譜を見直して復習。
一番問題なヴィヴィはご機嫌でふらふらおしゃべりに専念。
案の定指揮者に「ここは短く切って」とか「スタッカート気味に」「ピアニッシモで」と言われた個所ものびのびカンタービレで思いっきり声を張り上げて歌ってしまう。残りの4人がいかに短く切ろうがピアニッシモにしようがだいなし。
ま、自己満足の世界なのであきらめよう。指揮者には気の毒だけど。
それより何より、3幕の始まる直前に、突然お呼びがかかってびっくり。
自害するシーンで仮面をかぶって登場して白装束と、刀を蝶々さんに渡してくれと言うのだ。
死神というか彼女の死を促す象徴のような感じにしたいらしいのだけれど、今いうか?もっと先に行ってくれれば出るタイミングとか、動きとかちょっとは準備できたのに。
それでもなんとかなっちゃうのがイタリアなんだなあ。
これからしばらくは蝶々さんから離れるぞ!


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