碧山窟

里山を買うまで(5)


日債銀の関連会社の倒産は衝撃でした。
なんだかんだ、名目をつけて、霞ヶ関にある、その関連会社にはよく行きました。

*

皆さん、上品でした。
そして、昼食はフルコース。
夕方には、柘植の櫛で髪を整えて、夜の新宿にさようなら。
ちなみに私の髪は、薄くはなりましたが、まだ禿げてません。(笑)

*

カネの流れがおかしいぞ。。と、気づきました。
私は、ちびっと、大きな個人年金に加入していたのです。
毎月3万円。ボーナスには16万円。
スキームは、銀行が個人に個人年金総額を融資して、それを返済しながら積み立てするというものです。
「ヤバイ、保険会社潰れるぞ。」
解約の手続きをとることにしました。
カンは当りました。その保険会社は一年もしないうちに潰れました。
危機一髪でした。


*

個人年金の解約と借入金返済の手続きを同時にしました。
金利が高かったためか、すぐ解約してくれましたよ。
そして、いったきたで、手元には500万が残りました。
どうするべ・・

*

今でこそネット株取引はあたりまえですが、当時は誰もしていませんでした。
日本ユニシスを皮切りに、ネットでころがしましたよ。自己責任でネ。(笑)
三菱電機、サンリオ、ヤマハ、200万ぐらいもうけました。
そして、三井生命に電話しました。ネット株取引は疲れるし、はまるし。
7パーセントの運用利回りの子供の積み立て保険があったのです。
「繰上げて払い込みしたいんだけど・・」
「いいですよ。」
理屈は繰り上げ償還と同じです。早く払って税制の優遇措置が毎年受けられる。
ま、そこぃらは、プロですから。
でも、今、株は100万負けてます。(爆)

こらぁ、塩漬け日立、元気だせーー!!(笑)

たぶんベニヒガサ


手元に200万が残りました。

「俺もサラリーマンの月末はつらかったよ。」
じいさんは、甘みたっぷりのコーヒーを飲みながら言いました。
「伝票が回ってこないつらさ。部下に、はっぱかけるつらさ。経理から文句言われるつらさ。役員が、鼻薬かがされて、とんでもない機械を買うときのつらさ。」
コーヒーを飲み終えて、煤灰をかき集めながら、じいさんは言いました。
「明日は、垣根のまわりを掃除するよ。来いよ。」

*

垣根の草を整理する、第四のじぃさんと奥さんの背中には、やわらかい小春のような光がありました。
オーラっていうんでしょうか。
見たのは、初めてです。
もう、だれにも気を張らない、夫婦の城。
奥様「あらぁ、はじまめしてぇ。カケルさん。」
おれ「どもぉ。はじめましてぇ。」
奥様「面白い人だって聞いてたけど、まだ、若いんですねぇ。ほっほっほ。」
おれ「まぁ。ぢぃさんのトモダチですから。へっへっへ。」

開いて閉じてキクロモジ

その、翌週、私は、不動産屋さんの前に立っていました。
資料を請求しましたよ。もちろん。不動産担保調査書をチェックするのも仕事のうちでしたからネ。
登記簿謄本を見たら、冷や汗が背中を伝いました。
「こりゃ、ハメ手だわ。。」
多分、旧家だったのでしょう。
商売をよく知らない旧家の末裔の青年が、次々と抵当権の設定をされていくのが手にとるように、わかりました。
何かの機械のバイヤーに、はめられていたのです。その中心には「S」という人がいました。
コーディネーターです。
「裁判しても、勝ち目ないな。。」


私の里山は、どうなってしまうのでしょう。。


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