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2005.10.04
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10月3日(月)、政府の特殊法人等改革推進本部参与会議(飯田亮座長)が会合を開いて、公営ギャンブルの所管官庁である農林水産省や経済産業省のヒアリングを行ないました。
オートレースの日本小型自動車振興会と競輪の日本自転車振興会の統合なども提案されたようですが、ここでは競馬関係の議論について整理してみたいと思います。
といっても、下記の3記事の内容には矛盾が見られ、あまり整理はできないのですが。


<10月04日(火)付け スポーツニッポン より>(共同通信配信)


『公営競馬見直し 全国規模でレースも』

 政府の特殊法人等改革推進本部参与会議(飯田亮座長)は3日の会合で、地方競馬全国協会を所管する農水省のヒアリングを行い、売り上げ低迷が続き収支が悪化している地方競馬の運営方法の見直しに着手した。地方の有力馬を集めた全国規模のレースを実施するなどの改善策が浮上しており、同参与会議などは年内に具体案を取りまとめる方針。

 会合では「地方競馬はコストが掛かり過ぎて、改革する必要がある」との認識で一致。各競馬主催者が独自に決めるレース編成や開催日程の調整を地方競馬全国協会が主導して行えるようにしたい考え。同協会の業務は現在、馬主の登録や騎手養成などにとどまっている。



 ハルウララが所属する高知県競馬組合は「一主催者ではできないことをまとめてくれて、メリットがあるのなら大歓迎だ。競輪などと同様に、全国の有名騎手を集めたレースなどもできるのではないか」と話している。



↑この記事では地方競馬全国協会(地全協)の権限強化が謳われています。

↓こちらでは地全協に代わる新組織を設置するとしています。
↓新組織の位置付け・形態しだいでは地全協とは全く別の概念の団体になる可能性もあります。

<10月04日(火)付け 日本経済新聞 より>


『農水省、地方競馬の共同運営組織設置を検討』

 政府の特殊法人等改革推進本部参与会議(飯田亮座長)は3日の会合で、公営ギャンブルの関係法人や所管官庁から組織改革などに関する意見を聴取した。農水省は赤字経営が続く全国16カ所の地方競馬について「統合運用を実現するため上部組織を設置する」との方針を説明した。

 改革案は競走馬の融通や地方の有力馬を集めた全国規模のレースなどを念頭においており、年末の最終報告に向けて具体案を検討していく方向となった。



 新組織は同協会を衣替えするもので、組織形態は今後検討する。人気のある競走馬を全国で使って興行性の高いレースを共同で企画したり、馬券購入のシステム共通化を進めて売り上げ増やコスト削減につなげることも検討する。



↑この記事では、地全協に代わる新組織の設置を農水省が提案したことになっています。

↓ところが、こちらでは参与会議側が新組織(地方共同法人)の設置を求め、農水省側は「研究・検討はする」と抵抗の構えを示したことになっています。

<10月04日(火)付け 読売新聞


『特殊法人改革、競輪・競馬など見直しに関係省庁反発』

 政府の特殊法人等改革推進本部参与会議(座長・飯田亮セコム最高顧問)が3日に開いた会合で、競輪、オートレース、競馬の公益競技法人の大幅な合理化を求める会議側と、これに難色を示す関係省庁が激しい応酬を繰り広げた。

 会議側は、<1>日本小型自動車振興会(オートレース)と日本自転車振興会(競輪)の統合<2>日本中央競馬会の子会社や関連会社の統廃合と、地方競馬全国協会を改編しての「地方共同法人」の設立――を提案している。

 小型自動車、自転車の振興会の統合については、事務経費などを節減し、長期的には的中車券の払戻金額を増やすなどの利用者サービスを向上させるのが狙いだ。競輪事業の資金が経済産業省の裏金問題の一因となっただけに、資金の流れをより透明にしたいとの意向もある。

 競馬関係では、特に収支が悪化している地方競馬について、同会議は「地方単独の開催では限られた馬同士のレースとなり、魅力に乏しい」と指摘しており、地方共同法人の設立で地方競馬同士の交流レースを実現する狙いだ。

 これに対し、両振興会を所管する経済産業省は「両振興会の業務はまったく異なっており、統合の効果は限定的だ。組織削減ありきの議論だ」と反論した。

 また、日本中央競馬会を所管する農水省は、「研究・検討はする」と回答するにとどまった。

 両振興会や日本中央競馬会などには、所管省庁のOBが数多く「天下り」しており、省庁側の抵抗には、「天下り先を確保したいためだ」との見方が根強い。年末の改革案のとりまとめに向け、同会議との綱引きはさらに激しくなりそうだ。




そんなふうに各報道の間に矛盾点も見られて実際の議論(今回はヒアリングですが)の方向性はちょっとつかみづらいところですが、自分なりに気になった点を挙げてみます。

「地方競馬はコストが掛かり過ぎる」という現状認識に異論はありません。百円ずつ投票券を売り、テラ銭で商売をするという点で他の公営競技と何ら違いはないのに、競馬は「馬」という生き物を媒介にしている分だけ競艇・競輪・オートレースと比べて固定費が多くかかります。収益額が費用に比してずっと高い位置にある間は問題になりませんでしたが、収支カツカツ(というか赤字)になると高費用体質は圧倒的に不利です。
それゆえに、各主催者が別々に組織や施設を保有するムダを省いていく方向は正しいと思えます。しかし、縦割りの弊害として挙げられている「出走馬が限定的」「日程が重複する」について、実際のところはどうでせうか。

「出走馬が限定的」を解消する対策は「競走馬の融通」のようです。人気のある競走馬を全国で使って興行性の高いレースを共同で企画することそのものは悪くないですが、現在行われているダートグレード競走(統一重賞)とどこが違うのでせうか。あるいはJRA馬を含まない地方競馬所属馬オンリーの競走を意味するとすると、現在のダートグレード競走より大幅に興行価値が落ちるのではないでせうか。そもそも各地の人気馬・有名馬というのは各競馬場の所属馬レベルの中での人気&実力ですから、交流させても力量差が明らかなレースでは案外盛り上がらないモノになるのではないでせうか。
また、これらの報道では具体的に述べられていませんが、(ごく一部の有名馬ではなく)条件馬も含むすべての所属馬の交流もしくは融通を図ることもひとつの提案たりうるでせう。しかし、この場合はやたらと競走馬の輸送費用がかさむイベントになるか、または競馬場によっては最下級馬のレースばかり見せられることになるかのいずれかが想定できます。各競馬場が「独立採算制」を採っている現状では、ブロック内でならともかく全国規模でこの案を採用することは不可能でせう。

「日程が重複する」点を、上部組織(地方共同法人)に権限を与えて調節することは簡単でせう。ただ、数字的に裏付けを持っているわけではありませんが、個人的にこの点は実は大きな経営問題でないのではないかと思っています。例えば、昨3日(月)には岩見沢(ばんえい)&盛岡&大井&金沢&名古屋の5場で地方競馬が開催されていましたが、本当にお互いに売上の足を引っ張り合っていたのでせうか。現実に、名古屋競馬へ行こうとしていた人が、「今日は盛岡(もしくは金沢)もやっているからどうしようか」などと迷ったりするケースが存在するとは到底思えません。将来、電話投票(インターネットを含む)が広く普及して、ホームページ上でどちらをクリックしようかという選択の問題になってくればハナシは別ですが…。少なくとも現状では、中央競馬(JRA)との重複が有利か不利か、週末開催と平日開催のいずれが適しているか、が各主催者の開催日選択基準になっているのだと想像しています。これをわざわざ上部組織が割り当て直す必要があるとは思えないのです。

もちろん、高知県競馬組合のコメント(↑前掲のスポニチ(=共同通信)記事)にある通り「一主催者ではできないことをまとめてくれて、メリットがあるのなら大歓迎」ですから、現在の地全協よりも業務範囲の広い組織を設けて地方競馬全体の存続に向けて強いリーダーシップをとらせる提案には基本的に賛成できます。
その組織の業務は、主催者によっては既に民間委託が始まっている馬券購入システムをトータルとしての効率UPをめざして共通化するといった技術的なことからのスタートになるかもしれませんが、将来的にはもっと大きな仕事に及ぶべきです。すなわち、地方競馬の未来には何らかの形での「全国統一」が不可避だと考えますから、その中核を担う組織とすべきです。したがって新組織を作るにしても、地方競馬を中央競馬(JRA)に対してどのように位置付けるか、現行の各主催者の独立採算をどうするか、といったテーマの検討なしに前へ進むことはできないと思うのですがどうでせうか。

最後に、前掲の読売報道はマスコミが好んで取り上げる「天下り先の確保」に触れていますが、こと地方競馬に関してはこの期に及んでそんな目論見が農水省内部にあると信じたくないですし、信じられません。優秀な官僚諸氏がいくらなんでもそこまでアホなはずはないでせう。だって、このままキープしても、確保どころか「もろとも沈没」で終了することは誰の目から見ても明らかですから。





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最終更新日  2005.10.04 03:41:28
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