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2008.03.22
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カテゴリ: 読書亡羊
「待つ」ということ



mariさんお奨めの哲学者、鷲田清一さんの『「待つ」ということ』。

なくても生きてゆけるという意味で、なんの役にも立たない哲学

ですが、とてもおもしろく読みました。



「年をとると記憶は一枚の画に近づく」。これは鶴見俊輔が、

英国の作家、E・M・フォースターの晩年の言葉として伝えて

いるものです。



中井久夫は次のように敷衍しています。

「二十歳の青年にとって十年の差は人生の半分に等しい。

しかし六十歳の人間にとって二十歳のときの記憶と三十歳の



八十九歳ともなればほとんど同じ距離であろう。

すなわち記憶装置は、徐々に縦並びから横並びに変わってゆく

といってよいだろう。年とともに人生はクロノロジー(年代記)

からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア

(絵)になるということだ。」



「あらゆる宗教の全問題はおそらく保証がないことに帰着する」

と言ったのは、J・デリダです。



「あるかもしれないし、ないかもしれない。むしろ、あるかないか

ということは問題ではなくて、重要なのは、あるかないかは保証

されていないということなのだ」、と。



待つことの終わりが到来する保証のないところ、およそ「期待」と



はじめるということだ。(著者)



過去から現在、未来への時の流れを考えるとき、いまの行動の

意味を定義付けることに躍起になっている自分に「待つ」ことの

価値を教えてもらった気がします。





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Last updated  2008.03.22 09:44:49
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