掬っても 掬っても 粗い目の間から何もかもが流れ落ちてゆくく気がして
これ以上失うのが嫌で ただ息をするのでさえ 空気を揺らさないように
そうしているうちにも私の力は奪われていく。
波が押し寄せては引いて行くような、ただのリズムにすぎないのだけれど
けれどもわかっていたからといってそれが平気なわけでもない。
眠れないわけじゃない。
私は眠りすぎる。
眠ることで、力が失われる時間を少しでも早回しすることが出来るから
それも仕方がないのかな。
引きずり込まれてゆく眠りの深みに落ちるとき
真っ暗な闇の中でいつもあなたの名を呼んでいる。
その瞬間に見えるあなたの目は現実よりも雄弁に何かを語る
その瞳に見えるものはなんと言う感情だろう。
いいえ、感情とは少し違う気がする
喜びでもなく、哀しみでもなく、言葉では言い表せない
本当は、感情なんて必要ないのかもしれない・・
月は太陽があるから光り輝き
風が吹けば木の葉ですら歌う
そんな現象にすぎないものが
人の心を打つというのに
私はというと なんという無力
力を失う私は 少しずつ言葉を失くし感情を手放す
こんなふうになるのは それほど嫌いじゃない
考えることをやめて
目を閉じると
あなたの声が聞こえる
涙がこぼれる
ひとつ
私はあなたの
現象になりたい