mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2006年11月30日
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冷たい石に囲まれた部屋、その壁には巨大な獣と一人の女戦士の影が部屋の四方をまわる。
前方には小さな戦士の影、それを追う巨大な獣の影。
その影から長く、先には巨大斧が度々振り下ろされる。
壁の欠片が四方八方に飛び散る。柱があろうが、壁があろうが構わず斧を振り回す魔獣。
しかし、不思議な事に中央の台座にある氷塊にはけして傷つけはしなかった。

_メタビ、ガラテアさんってこんなに野獣みたいな人なの?

_いや、確かに野生的な部分もあるが違う。今のガラは正に野獣だな。姿も随分人から離れちまってる。

_何故?

_理由など私にもわからん。ただ、あれから相当な年月が経っている。心から変化したのか外見から変化したのか?


やがて、ガラテアが動きを止める。そして中央にゆっくりと歩き始め、周りを見渡す。

_どうしたのかしら?

柱の影に隠れながら様子を伺うアルテミスが、内側に向かって問いかける。

_ああ、多分闇雲に追い回すのを止めたのだろう。中央からならどの方向にも最短で終える。
_ちっ結構知恵が付いてきやがった。
_多分戦士の頃の記憶が戻りかけてるのだろう。

_なら少しはお話できるかなぁ?

_まぁ無理だろう。戦士として戦ってきた体の記憶。戦いの記憶が戻ってきたに過ぎないな。
_これでスキル使い始めたら厄介だぞ。

メタルビートルの嫌な予感はまさに的中した。

ガン!ゴゴゴッゴ!バン!


それを、柱の近辺に打ち付ける。何本かある柱に数発撃っては次の柱に撃ちつける。
いずれはアルテミスが身を隠している柱も標的となるだろう。

_ちっ、ストレートスパイクか、あれならこの狭い部屋で中央から炙り出せるな。
_案外筋肉馬鹿じゃないな。どうするかこのままではいずれ見つかる。
_かといって正面からでは勝ち目がない。


攻撃の威力によって、柱の下部が左右から削られ元の半分程の太さしか残っていなかった。


ガン!

その時であった。ついにアルテミスの背中、つまり柱に衝撃が走った。

赤石物語
(Blackworld and Redstonestory)

~古都の南風 傭兵の詩~



ビッグアイのザードフィルの居城。その塔の牢屋ではフクチや花火達が捕まっている。
随分長い間、使用していなかったのか、そこは湿気を帯び黴臭い匂いが充満していた。

フクチ、花火、楸の3人は顔を突き合わせて今後の作戦を練っていた。
しかし、その中に交わらず一人壁に背中を預けて立っている男が一人。

「インター、どうした?」楸が話し掛ける。

「花火、ゲルはどうした?」とマシンインター。

「ああ、あいつはメタルビートルを受け取りに行っていた。多分榎と共にここをへ来る」

「魔槍メタルビートルか、完全最強モードで来るのだな」とインターが確認する。

「ああ、ザードフィルが相手ならメタビの力が必要だろう」花火は不思議そうに答えた。

「では、俺はここから出て行こう」

インターが壁から背を離し、ドアに向かう。

「無駄だ、その扉は呪印が施してある」楸が止めるが、インターは相手にしない。

「お前達のように貧弱なウィザードと一緒にするな」

「おお、助かります」とフクチ。

「ん?勘違いするな。ここから出るのは俺だけだ」

「ま、まさかお前、裏切る気か?」楸がインターの襟首を掴むが槍で横面を叩かれて地面に腰を落とす。

「裏切る?お前達はお前達の進むべき道を行けばいい。俺は俺の道を行く。ただそれだけだ」

「ゲルニカですね」と花火が静かに問う。

「ああ、そうだ。俺はあいつを超えるために生きている。あいつに師事したときからそうだ」
「そして、メタルビートルを持ったあいつは俺の知る限り最強だ。そして俺はそれを超える!」

楸が立ち上がり、怒りの形相を隠さない。

「お前は、あの子達やトリーシャを助けようと思わないのか!」と楸が怒鳴りつける。

「それは、お前が勝手に掲げる正義だ。あの子達と同じ位の子が毎日世界中の何処かで食べ物もなく死んでいく」
「それを全部お前が助けると?世界中の人間に説教でもしてまわるのか?」
「目の前の惨劇だけは助けたいと言うなら、それはただのお前の望みだ」
「俺は、俺の望みを叶える。ただそれだけだ」

「それで、ザードフィルの力を借りて勝ってもお前の力じゃないだろ!」楸がなんとか食い下がる。

「ふん、俺はザードフィルを利用するのは時と場所のためだけだ。本気のゲルでなきゃ俺は満足せん」
「力は己のみ、他人から貰うほど落ちぶれちゃいない」

「本当に行くのですね」花火は何故か穏やかな表情で問う。

「ああ、お前達が間違っているとは言わん。ただ俺の目指す道とは違うだけだ」
「それから、エロスに伝えてくれ。お前に俺は越せんとな。いつでも殺しに来いと、その日がお前の命日だと」
「俺が教えた兄弟弟子の中でも一番素質がないとな」

「意外と優しいな、インター。同じ修羅の道は進むなと伝えておく」
「しかしな、あいつの名はネロスだ。名前ぐらい覚えておいてやれ、可愛がってたんだから」

なんとか笑みを戻した楸がインターに軽く拳を胸にポンと当てる。

ガン!

マシンインターの強烈な突きで、扉の呪印が破壊される。
そして、扉の向こうにマシンインターは走り去っていった。




塔の下、入り口付近に立つ二人の女戦士。それと対峙するガラテア、セシルス、風天の三人。
少し大気は肌寒い位冷えた来た。片側に太陽、反対側に月が向かい合うような時間帯。
その有様は塔の前に立つ二人にどこか似ていた。まったく違う輝き、優しい月明かりと明るさの中に何処か寂しさが
伴う夕日の光、質は違うが何処か似ている。そんな所が塔の前に立つ二人のオーラと似ていると感じるのだろう。

「さぁ、ガラテア答えろ!我が主、ザードフィルに何用だ?」と雪音。

「決まっている、あの子達とトリーシャさんを取り戻す!」とガラテア。

「そそ、このシチュエーションですからね。悪の塔に捕らわれた姫を助ける騎士です」と風天。

「ならば、この薔薇の紋章、ロウゼンの槍、すなわちホワイトローズ・ランサーオブランサー」
「パウダースノー・シンフォニーこと雪音の洗礼を受けてみろ」

「だ・か・ら、お姉さま、す~ご~く長いです。しかもなんでもカタカナっぽくすればカッコイイ訳ではないです」

「・・・ルジェちん、もいいよ、姉は疲れたよ。もうローゼンやめる。こんな戦いどうでもいいよ、私は引退するよ」

「ひぃ~、お姉さまが鬱モードになってしまった。皆さんなんとか言ってあげてください」

「ルジェちん、私に気を使わなくていいよ。どうせ私なんて・・・後はみんなで楽しくやってよ」

「ひぃ~、このメンバーで楽しくって言ってることが滅茶苦茶ですわ」

すると、風天がにこやかな顔で二人の前に進み出る。

「雪音さん、そのホワイトなんちゃらとかローゼンなんちゃらとかカッコイイと思います」

「え!そ、そう?彼方けっこうかわいいね。お名前は?」

「風天と呼んで下さい」

「う~ん、いい名前。さぁルジェちん行くよ!」

「お姉さまの立ち直り、相変わらず速すぎますわ」

「そんなのいいの。さぁいくぞガラテア!我らの必殺攻撃を受けてみよ」

「はい、お姉さま!」

「いやぁ!」「いやぁ!」

二人の戦士が同時に分身を作り、ガラテア達の前現れ突きを繰り出す。

「ふん!」

ガラテアの巨大な斧が分身達をことごとく打ち破る。そればかりか、ガラテアの繰り出した巨大な斧の
風圧で塔の壁に一文字の傷を刻む。

「くぅ、さすが砂漠の猛虎」と雪音
「私たち姉妹のオーサムを食らって平然と対処するとは。何処かの剣聖とは大違いだな」

「姉さんこの人達なら・・・」

「ああ、ひょっとしたらあの人を救えるかもしれないね」

二人の姉妹がお互いの顔を見て微笑む。その表情は穏やかでそして決意に満ちた表情であった。

ひんやりとした心地よい風が一同を包む。二人の戦士の髪がなびき夕日に反射するようであった。


「ってか彼女達の年じゃ、ガラの射程圏外なだけだよな。うんやっぱおかしいよこの姉妹」

セシルスのぼやきが風の音にかき消されていった。


<あとがき>

フフフ、3夜連続UPはもう二度としませんと言いました。

しかし!4夜連続がないとは言ってませんb

奇襲とは「さすがにもうないだろう」と思わせた所でするから効果的なんですw
(誰に対して奇襲なんだろうか??)

まぁ、それでも毎日チェックしている人のため、そしてギルドHも最後なので自分なりに頑張りました。

思えば、この地味な小説もHのメンバーのおかげで随分と花あるものになった気がします。

本当の私のメッセージはチョット暗い部分が多いので、明るいHのメンバーには随分助けられました。

私的には少し脚色はしてますが、結構RS内の彼ら、彼女らの色は出ているのではと思っています。
(色々意見はあるでしょうがゆるしてねw 反面小説では書けない部分・・・エロとかエロとかもあるからw))

Hの皆さん本当にお疲れ様でしたm(_ _)m

小説の方ではもう少し活躍してもらいますねノシ





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最終更新日  2006年11月30日 20時36分57秒
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