mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2007年01月01日
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ちょっと大人な表現が含まれています。嫌な人はスルーでw



「トリーシャとピアノ」

ラララ、ラララ、ララララン~♪

優しげな鐘のような音が響き渡る。その繊細なピアノの音が僕を切なくさせる。
ここは、アリアンの酒場。僕、オギが彼女と出会った場所だ。
日曜の夜、必ず彼女はここにきてピアノを皆に聞かせる。

「ラ・カンパニュラ」の優しくも悲しげな音色が、僕の心締め付ける。
あくまでも優しげなタッチで時には力強く、時には包み込むように。
あの細いしなやかな指が、滑らかに鍵盤の上を踊る。

「ああ~トリーシャ、僕の心はこの鐘のように激しく高鳴る」


アリアンの酒場は、常に大勢の戦士達が集う。その身も心も傷ついた戦士達をトリーシャのピアノが癒す。
いつもは騒がしい店内も、この時だけはピアノの音に耳を傾ける。
その中に、見習いビショップオギの姿があった。
オギはこの3ヶ月間、トリーシャのピアノを聴くためだけに酒場でオレンジジュースを注文している。
そして、今日ついに僕、オギは決意した。その手にもった花束を渡しトリーシャに告白をするつもりだ。

さぁ演目は終了した。

「ブラヴァー!」「ブラヴァー!」

パチパチ、パチパチ!!!

鳴り止まない拍手の波に、トリーシャは立ち上がり会釈する。
さぁ、今だ!今この花束をトリーシャに渡し、想いを打ち明けるのだ。
椅子から立ち上がり、彼女の元へと進もうとした時


「私、シル姫よ。フフ、毎週通ってると思ったら。ヤッパ私に気があるのね。ウフ」
「仕方ないわね。花束までもらっちゃったら。付き合ってあげるわ。ウフ」

その相手を考えない言動。スイカの上に蜜柑を乗せたような体形。
極めつけは、ピンクハウスでもタメラッテ作りそうにもないフリフリのドレス。
間違いなく、彼女はシル姫!一言だけ言わせてくれ。

「おまぁああああああああ、うぜぇえええええええええええ」





「雪音とルジェの秘密」

ハッ!
バシッ!

「さすが和風じゃのぉ」

「フッ!フレディー!悪ふざけは止めろ」

私は槍の収集家としてフランデル大陸一の和風です。そして今槍を投げつけたのが仲間のフレディー君。

「さすがじゃのぉー、和風」

「まぁ、槍なら見た瞬間にしなりや、速度、性質まで見抜けるよ。ランサーフェチやからな」

そうなのだ、私は槍の事なら殆ど知っている。今では槍を見た瞬間に先程のように白刃取りが咄嗟に出てしまう。
そして、今私が捜し求めている槍はあの伝説の「蜻蛉切り」かの有名な本田忠勝を数多の戦いから傷一つ付けなかった
伝説の槍である。刃先に止まった蜻蛉が真っ二つになった事から付いた名が「蜻蛉切り」。
その身は多くの血に染まり、赤黒く、しかし穂先は白色透明な澄んだ色を失っていない。
そして、今夜も私は「蜻蛉切り」を求めて旅を続ける。

ふと艶かしい声に私足が止まった。

「ああ~もうダメ、お姉さま」

「ああ~まだよ、まだだめよルジェ」

この喘ぎとも叫びとも取れる声に思わず足を止めてしまった。そこは民家の前、窓にはカーテンが掛かっているが
少し隙間が有り、中から光が漏れている。

_ダメだ、俺は紳士なんだ。紳士が覗きなどしてはいけない。

そんな本当の心の声も空しく、取り付かれたように窓に足が向かう。次第に先程の声が近くなる。

「雪音姉さま、もう私腰がおかしくなりそうですわ」

「はぁ、はぁ、あああ~~ルジェーーー!」

もう、私の好奇心は止められない。窓の隙間からそーと覗く。二人の女性の影が蝋燭の明かりに照らされ壁に映る。
一人は肩までの髪で、長身で痩身。もう一人はもう少し髪は短く小柄な女性である。声の距離感から判断すると
長身の方がルジェと呼ばれ、小柄なほうが雪音だ。二つの影は髪を振り乱しながら頭をうつむきかげんにし、上下
に揺れている。時折、吐息と共に顎を天上まで上げるように背中を揺らす。

「はぁ、はぁ、はぁ。あああ~お、お姉さま~」

「る、ルジェーーー」

私の好奇心は深まるばかり、もう本能のまま窓に鼻が当たる程近づけて二人の姿を確認する。
それは蝋燭に照らされたルジェの背中が確認できた。肩までの髪が不自然に揺れる。うっすらと背中に汗が光る。
上下に揺れるその背中は、時折グラインドする様に前後に揺れ、その度に腰と反対に肩が仰け反り。
背骨の線が臀部の付け根まで半円を書く。

「激しすぎますわ、これじゃ私が壊れてしまう。ああ~頭がもう真っ白に・・・」

一方の雪音の方はルジェの背中越しに、肩とわき腹の線が確認できる。ルジェの背中が邪魔で肝心な所が確認できない。
しかし、ルジェと向き合い、同じように糸で繋がったように雪音も上下運動をする。
時折、同じように仰け反るがその喉には血管が浮き出て、その度に吐息が漏れる。
しなった釣竿のようにしなっては戻り、戻ってはしなるその柔らかい肢体。

「ああ~私も限界よ・・・あぅ」

雪音の体が小さくビクンと痙攣し、白い肌が紅潮する。隙間から覗く腹筋が不規則に痙攣する。
その時、ルジェの背中が小刻みに震えだし、背中はお腹を抱え込むように、何かを耐えるように屈みこむ。

「もうだめ、もうだめ・・・も・ぅだ・め・な・の・・あああぅう」

ルジェの叫びとも悲痛とも取れる声は、和風の脳内を直撃した。

バタン!

「あんた達!何時までそんなことしてるの!」

「「ト!トリーシャ姉さま!」」

「ロデオマシーンダイエットなんて、流行ってるだけで効果ないんだから程ほどにしなさい!」

「だってーオネェは痩せてるからいいけど、ねぇルジェ」

「うん、部分痩身したいんですもの。ね、雪姉さま」

その言葉を聞いて、ようやく和風は我に返った。

_いかん、武士の魂が煩悩に支配されてしまった。まだまだ修行が足りん。

ふと、その和風の前に一本の赤い槍が現れた。

「ハッ、間違いない、その赤黒い柄に白色透明な穂先。蜻蛉切り!」

夢中で白刃取りを行った。

「うぎゃぁああああああああああああああああ」

悲しい叫び声が街中に響き渡りました。その後、暫くの間和風を見た者はいない。





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最終更新日  2007年01月01日 16時27分23秒
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