mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2008年02月19日
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【漆黒の世界と赤石物語】
(Blackworld and Redstonestory)

『外伝』

・第二章 2
「少し歩きましょうか。えへ」

小さな天使は少し首を傾け、上目遣いにこちらを覗き込む。
表情筋が煮えすぎた餅のようになるのを必死でこらえ頷く俺。
小さなその天使は大げさに広がったスカートの裾をつまむようにしてチョコチョコと歩く。
その仕草がなんともまた俺をダメにする。


「ここで少しお話してもよろしいでしょうか」

天使の表情に見とれてボーとしていた俺は少し遅れて彼女の横、芝生の上に腰を下ろした。
真冬というのに日差しの強い暖かな午後であった。

「で、君は誰?あまりこの辺りでは見かけない格好だけど」

川沿いに吹く風に乗せられた、天使の髪の芳香に脳が完全に支配される前になんとか言葉を出した。
隣で座る彼女の横顔を半分程隠す赤茶色の髪が、光に照らされて宝石で紡いだ天然の髪飾りのように映る。

「うーん、とりあえずお茶でも飲みましょうか」

意味不明な彼女の言動にまたまた困惑する俺だったが、その後に空から白い鳩が緑の缶をくわえて
舞い降りてきた時には、かなり嫌な予感に襲われていた。
それでも、なんの疑いも無しにまだ暖かい緑茶缶を飲む自分の順応性に少し感心した。
まぁ続けざまにこうも不可思議な事ばかりおこるんじゃ仕方ない。

お互いに会話らしい会話もなく数分の時間が過ぎた時、彼女はようやく語り始めた。

「えーと、私は……」

間が長いな。頭の中を整理しながら話すらしい。

「えーと、えーと……。そうだ、私はとある外国の王女なのです」
「うーんと、そうそうサマクトリアの王女、サマクです。えーと昔、ロト・ボックスという勇者がいてその末裔なのですぅ」


国民的RPGの二作目からもじった経歴であることは間違いなさそうだ。
要するに、自分の正体などばらす気は毛頭ない訳だこの王女サマクさんは。
手紙をくれた天使は言葉など発せず、クラスメートの里場は意味深なことだけ言って雲隠れしたことから考えると最近の知り合いにしてはマシな方と考えよう。よし、前向きに生きるぞ俺。

「それで、外国の王女様が俺になんのようなんですか?」

「うーんとうーんと、私達はこの世界の時間軸においてはるか昔……」
「あっ間違いですぅ。えーと、えーと、そう昔々ロングロングアゴーな時に私達は三つの宝と一つの鍵を持っていました」
「私達は、この世界の住人と交わることをせず流浪の人々でした」
「あっ、えーと神話みたいなものです」
「ここから、ずーと西の方で宝を守ってきた私達は宝と鍵を封印する使命を持っていたのです」
「ところが、我々の中に裏切り物が存在していました。いえ、多分最初から宝を狙った敵が紛れていたのでしょう」
「我々は裏切り者の流布した噂の為に、この世界の人々から宝を守るための戦いを続けることになったのです」

ここまで話すと彼女はふぅーと一息ついてお茶をすすった。

「少し疲れちゃいましたね」

いえいえ、トンでもない。話は意味不明ですが、彼方の横顔を見ているだけで疲れなんて
成層圏を飛びぬけてアンドロメダ星雲まで行ってしまいましたよ。
でも、堀井さん直伝の設定が何処にも出てこなくていいのだろうかと心配しちゃいますがね。

「えーと、何処まで話したか……。とにかく、彼方の身が危険なんです」

おーい、はしょり過ぎでしょ。そしてまた俺の身に危険が降りかかるのか。
最近は危険の歳末大バーゲンでもしているのか?出来ればクーリングオフしたいのだけど。

「なんで俺なんですか?全然繋がりが見えてこないですよ」

「うーん。えとえと、ちょっと待ってくださいね」

彼女は人差し指を口に当てながら、何か特殊な念波でも出すかのように瞳を閉じて何やら
小声で呟いている。誰かとテレパシイーで交信でもしているのか?

「あのですね、どうやら言っちゃいけない見たいです」
「はぁー」
「実は私の持つ情報はこの世界を壊す要素があってですね、今はまだ言えない見たいです」
「ごめんなさい。私、下っ端なんですぅ」

ぼーと彼女の背中にかかる髪を見つめながらいると不意に彼女が立ち上がる。

「でも安心してください、あなたは私が必ず守りますから。えへ」

手を振り、後ろ足で遠ざかる彼女が小石に躓くのを反射的に立ち上がり受け止める。
柔らかい感触が俺の腕から脳に直撃する。
彼女は微笑みながら舌を出し、自分の頭をこつく真似をする。
そして再び俺から遠ざかっていった。
まったくどうしたものか、そんなドジッ子さんに安心してと言われてはいそうですかとは
決して思えないですよ、サマクさん
突如現れた天使っぽい王女様で、不可思議な宝を守る民の美しい少女との出会いに喜びつつ
彼女から聞いた又しても不可解な忠告に悩みながら家路へと向かった。
流石に、この時はもう何もないだろなんて黒棒より甘い考えをしていた事は否定しない。
だって普通の高校生だぜ俺。

<あとがき>
里場に続きサマクさんも登場……ってことはw
この外伝は説明が多すぎるところが難点ですね。
それでも読んでくれる方は本当に有難う御座います。
さてこれからどうやってもりあげましょうかね><;





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最終更新日  2008年02月20日 00時38分20秒
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ホントに一家総出でw  
サトヴァにサマク…てことはフードかぶってキャンディーかじってたのはハチ?
こちらのサマクはうちのより、ちょっと性格いいみたいw
(2008年02月20日 09時12分45秒)

読んでくれてありがとう^^  
mikusuke さん
>…てことは
その内にまた登場します。
ご期待ください。
前回は里場の紹介で今回はサマクの紹介となりました。
それぞれ勝手にキャラを作ってしまっているので
申し訳ないです。サマクは可愛らしいけどおっちょこちょい
なキャラになってます。
里場は説明が多いキャラですね。 (2008年02月20日 12時27分55秒)

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