三日月の夜にはミルクティーを

三日月の夜にはミルクティーを

2007.11.27
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カテゴリ: 彼と彼女の物語
「見て見て、このお店。行きたいねぇ。」

彼女の手には、先日出たばかりの“ミシュランガイド東京”。
輝かしい光を放っている。

どこで手に入れるのか、朝のニュースで取り上げられていた話題のモノは、次の日には必ず彼女の手の中に納められているのだ。

「いいね。今度行ってみる?」

「…大丈夫?」

「大丈夫じゃね?……あ、いや、ちょっと待って。この頃眼が疲れてさ。…うーんと。」

「いやいや、疲れ眼じゃないから。数字、ダブってないから。見たまんまだから。」

「ギョエ!誰が食うの、これ。…というか、誰のためのガイド?」



「……。」


そして二人は静かに表紙を閉じたのでした。







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Last updated  2007.11.27 22:06:21
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