三日月の夜にはミルクティーを

三日月の夜にはミルクティーを

2009.05.11
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カテゴリ: 女子大生って…
ある女子大でのお話。

とある書道サークルに入っていたお方。
サークル…といっても、先生は日展の審査員…という、超本格的なもの。

当然、周りは有段者ばかりで。
ちょっと場違いかも…と思っていた頃。

先生のお誕生日…ということで、花束贈呈する大役を仰せつかりました。

遅刻をしては大変と。
大慌てで電車に乗って。

つり革につかまって立っておりましたらば…。



電車はそんなに混んでない。
というより、スカスカ状態。

なのに…その方々…彼女の真後ろに立たれるのですわ。

「えっ。なに。…気持ち悪ーい。」

と思いながら、しきりに後ろを気にする彼女。
でも、何ということもなく…次の駅で降りようと思った時。

「チクッ。」

なに?なに?なに?
足元に軽い痛みが。

気になりながらも、なんとなくニタニタしているような彼らを尻目に、駅で降りて。
早く、会場へ行かなければ…。


いよいよ花束贈呈…。

ザワッ。

ん?
会場が、ちょっとざわついてるようですが…何事?

花束贈呈を終えて、先輩にそっと呼ばれた彼女。


「はい?」

先輩に指差された先を見ると。

おおーっ。
見事な伝線。

いやいや。
伝線というより、もうすでにストッキング部分がほとんどない状態。

椅子のせい?
ううん、違う。
きっと、さっきの大学生よ。

チクッとしたもの、チクッと。

やり場のない怒りを感じながら、でも、他に意外なものを見てしまった。

いつも怖いと思ってた先輩。
実はそうじゃなかった。

あんなにやさしい人だったのね。

それを知っただけでも、その日はいい日…だったのかも…ですわね。





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Last updated  2009.05.11 17:36:38
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