目指せ!幸せステマム生活♪

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青天の霹靂


「肺に影があり、要精密検査」

「何でかな?この間、大学病院で検査したばかりなのにね・・・。」
そんな会話を夫の実家で、話した。何かの間違いかな?今度病院の先生に聞いてみよう・・・。そんな風に続けて話したような気がする。

その数日後。
義母が、電話をしたきた。
「話したいことがあるの。今から行ってもいい?」
義母と私は、自分で言うのもなんだが、とてもうまくいっていた嫁姑だった。その義母が改まって話がしたい?へんだなあ・・・。
その日は、私の再就職先の面接の日だった。それまでの時間しかないことを告げて、電話を切った。

「あのね・・・。ずっと言わなければいけないと思っていたんだけど。。。
○○の検査結果が返ってきたでしょう。あれで、もう隠せないと思って。」
「??検査結果?って・・・?肺のこと?」
「うん・・・。あのね。あの子、肺に転移してるのよ。」
「え!???どういうこと?○○さんは知っているんですか?」
「あの子も知らない。あなたにもずっと黙っていて申し訳なかったんだけど。。。結婚式の直前の検査でわかって・・・。お父さんと二人、話そうと思って、ずっと言えなくて・・・。言えなくて、黙ってて本当にごめんなさい。」

泣きながら、義母が私に謝った。私は混乱しながらも、
「言えなかったのは、無理ないことだから・・・。謝らないで、おかあさん。。。黙っていたのは辛かったでしょう。」
それだけ言って、後の言葉が出なかった。

「それで、転移しているんだったら、すぐに手術とか・・・。なんで何の治療もしないの?本人にどうして言わないんですか?」
「両肺に細かく散って転移しているから、手術はできないって。それとこれは元々言われていたんだけど、あの子の腫瘍は抗がん剤も放射線治療も効かないから、治療できない、そう言われてるのよ。」

「そんな・・・。じゃあ、何もしないってことですか?そんなことって・・・。何かあるはず・・・。何もしないでこのままいるなんて」

混乱しながらも、まずは夫の主治医に会わなければ埒があかないと思い、
面接を断って、主治医の下に駆けつけた。でも、同じだった。義母から聞いた内容と全く同じ。
「いつまで・・・、とか聞いてもいいですか?」
「この腫瘍は進行が緩やかですから。。。一年かもしれないし、三年かもしれないし、人によっては二十年生きる人もいる・・・」

足元から何かが崩れ落ちていくような気がした。
夫が夕方家に戻ってきたとき、どんな顔をしたらいいのかわからなかった。
何も知らない夫に、どう告げればよいのかも全くわからなかった。

明け方。夫の寝顔を見ながら、ひたすら泣いた・・・。
あまりに幸せで、幸せすぎて怖いと思っていた、数時間前まで。
まさか、こんなことになるなんて。泣きながら、夜明けの空を眺めていた。。。

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