料理のレシピと日記 ENIGMA
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『人のために何かをすることで誰もが素晴らしい人になれます大学を出ていなくても正しい文法で話せなくても人のためになにかをすることができますただ、やさしい気持ちがあればいいのです愛の心がそこにあればいいのですBYマーチン・ルーサー』 ある日の学校からの帰り道。幸太の前を歩いていた少年が躓いた。鞄からあらゆるものが道路に飛び散った。携帯電話、ゲーム、いくつかのCD、教科書・・・幸太は思わず駆け寄り、拾うことを手伝った。帰り道は同じことが分かって、二人はお喋りをしながら帰った。自己紹介によると、その少年の名前は俊二。ゲーセンに行くことが大好きで、最近は格闘系のゲームにハマっている、好きな映画は愛と青春の旅立ちなんだけど、彼女はいない、とのことだった。それをきっかけに幸太と俊二はお喋りをするようになった。帰り道が同じなので、顔を合わせる機会が増えたからだ。学校でもクラスは違うけど、たびたび顔を合わせるようになり、昼休みなどは一緒にいる機会も多くなった。他愛もない付き合いが長く続いた。高校の卒業式を間近に控えたある日、俊二は突然深刻そうな顔をして言った。「幸太、あのときのことを覚えているかい。そう、きみがぼくの荷物を拾うのを手伝ってくれたときのことさ。あのとき、なんであんなに多くのモノをぼくが持っていたと思う?実はあのとき、ぼくは自殺を決意していたんだ。くだらない社会、いじめの横行する社会、自分の暗い未来に絶望していたんだ。鬱も極まっていたんだ。自殺するにあたっては、荷物の整理をする必要があった。ぼくの物を残したまま死んだら、親とか先生とか大変だし、それをネタにクラスでまた笑い者になると思ったから、学校に置いてある全部を持ち帰っていた最中だった。だけど、教科書を鞄に詰めると、意外と重くてね。それで躓いたんだよ。そんなとき、きみに出会った。もしあのまま君が通り過ぎていたら、ぼくはそのまま自殺をしていたと思う。いや、そう決意していた。だけど、きみに出会ってしまった。それから楽しいお喋りが出来た。あのまま自殺していたら、きみと過ごす、楽しい時間を経験することはできなかった。意味もなく、死んでいた。ありがとう、と今言いたいんだ。きみはぼくの命を救ってくれたんだから!!」
November 7, 2004
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