ねぼすけの読書感想日記

ねぼすけの読書感想日記

2014.11.07
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カテゴリ: 書評


訳 者=大田直子/鍛原多恵子/柴田裕之
書 名=繁栄【下】 明日を切り拓くための人類10万年史 
発行所=早川書房
発行年=2010.10
評 価=★★★★★

世界が繁栄するにつれ、出生率の低下は全世界的にほぼすべての国で生じているそうだ。このままでは、2075年に世界人口92億人をピークに以降は減っていくことになるようだ。理由は明確で、繁栄することで収入が増え、都市化で人口が集中することで効率的な社会サービスが提供でき、教育水準が高まり、子供の死亡率が低下する。従って、子供を失う恐れが減るので出生率が低下することになる。現代の社会の繁栄に多大に貢献したものは、エネルギーとしての「石炭」の活用と、このエネルギーを使いやすい形で提供してきた「電気」だそうだ。これらの説には、全面的に同意する。逆に、これほど明確に断言した書籍はなかったかも知れない。

いつもいつも「今後世界は恐ろしい結末を予測」する人々がいる。まるで悲観主義がはびこっているように。この悲観主義は、1.世界はひどい場所だ、2.世界はますます悪くなっている、3.責任は商業主義にある、4.世界は転換期を迎えている、とのステレオタイプの発言を繰り返し行うことが特徴である。その方が、人心に訴えかけるし名も売れる。これまで農薬等の化学物質汚染、オゾン層破壊、酸性雨、森林破壊、そして地球の気候変動など今まで数々の終末論があったが、当たったためしはないにもかかわらず。これらの予測の誤りの原因は、比較的明らかで、「もし世界がいまのまま変わらなければそうなる」という予測はことごとく、人間はなんらかの問題解決を図る行動原理を持っていることを過小評価していることに尽きる。

最後に繁栄にとり残された「アフリカ問題」も、ボツワナ等では東アジア諸国のように既に成長が始まっているし、社会制度がうまく機能すれば成長は可能性は十分にある。また、今も悲観主義の事例が進行中の「気候変動による問題」も被害予測が大げさすぎで、変わりゆく気候に対して人間の適応力を過小評価しすぎとIPCC報告に対しても手厳しい。非常に有益な書籍であった。


【新品】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】【2500円以上購入で送料無料】繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史 下 マット・リドレー/著 大田直子/訳 鍛原多惠子/訳 柴田裕之/訳






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Last updated  2014.11.23 13:07:18 コメントを書く
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