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チェルノービリ ( チェルノブイリ)原発からロシア軍撤退
「赤い森」で放射能障害通常の千倍の線量
「食品と暮らしの安全」 2022 年5月号( No397 )より
小若順一(食品と暮らしの安全基金 代表)
戦争初日の2月 24 日、真っ先に占拠したチェルノービリ原発からロシア軍は、 3 月 28 日に撤退しました。
原発から 3.5km 付近にあり、放射能汚染で木が枯れた「赤い森」の西部で塹壕を掘ったので、放射能障害が出始めたのが理由と報道されています。
私がチェルノービリ原発と 30 km圏内の立ち入り禁止区域を見学した 2012 年に、放射線量が一番高かったのは原発から 3.5 km離れたプリピャチ遊園地のホットスポットで、 68 マイクロシーベルト ( μ Sv ) / hでした。日本の通常値は 0.06 μ Sv ぐらいです。
あれから 10 年近くたつので、今は2割ほど下がっていますが、それでも通常の千倍に近い線量です。
事故後、原発の周辺ではホットスポットを見つけて、その土や木などを集めて溝に入れ、上から土をかけました。
原発を占拠したロシア軍は、ウクライナ軍の攻撃に備えて塹壕を掘ったのですが、大木のない場所を選ぶと、赤い森野落葉を埋めた溝に添って掘ることになります。
30 km圏内の、緑の森を走るバスの中で 10 μ Sv を超えることが何度かありました。
高線量の放射性汚染物を集めて埋めた場所を掘って塹壕を造ると、この中では大変な線量の放射線を浴び続けることになります。
その上、放射能対策のマスクをせずに作業したのですから、土ほこりを吸って内部被曝しています。内部被曝の悪影響は外部被曝の 1000 倍から 10 万倍くらい。
こんな条件の所に3週間もいれば、水晶体が放射線で白濁して視力が下がったり、疲れてぐったりする兵士が出てきます。
心の奥で心配していた話題はあっという間に舞台全体へ広がり、司令官も被曝を恐れて全体が撤退したと考えられます。 ( 小若)(「食品と暮らしの安全」より許可を受けて掲載)
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