第4回 今野敏子さんに学ぶ「心意気」



 今野敏子さんはたくろう所の代表幹事で汗を流しながら、おしいさんやおばあさんのお世話に励んでいる。今野さんは還暦を過ぎておられるがその若々しさは28年前と変わらない。たくろう所を開所してこの11月3日で丸9年になった。当初は今野さんのお母さんと私の祖母のふたりの話し相手のために10人位のボランティアが交替でお世話役をかってでてくれた。その後、今野さんのお母さんは病院や施設などを行き来する。我が家のばあちゃんとその他のおばあさんがたくろう所に通う。あの頃はディサービスや介護保険制度もなく、たくろう所すら珍しい存在だった。今野さんはもう一人の代表幹事の鈴木チヨ子さん、常勤役員の松本由美子さんたちと「助け合いの会」を組織する。
 私の祖母は今野さんたちのお陰で亡くなる91歳までの4年間、たくろう所のお世話になる。家でひとりぼっちでいればこんなに長生きしただろうか。多くのボランティアに支えられていまやたくろう所は介護支援センターや福祉事務所、病院などからの相談が相次ぐようになった。今野さんのお母さんをキッカケに開所して私の祖母のお気に入りなったたくろう所は、今野さんの心意気がなかったら開所はできなかっただろう。今日もたくろう所のおじいさんやおばあさんたちにはゆるやかな時間が流れている。

 11月5日記


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