幼幻記18 安寿と厨子王





安寿と厨子王


 幼幻記 18



 昔、東映動画制作の長編天然色漫画映画「安寿と厨子王」がありました。

 映画好きなばあちゃんは、私を連れて国際劇場(現・宮崎ボーリング場)に出かけました。

 気が付くと、ばあちゃんは隣の席で涙を流していました。それはこの映画で、家族が強引に引き離される場面や、ひと買いの場面のときでした。

 あの当日は、ばあちゃんの涙の理由など考えられませんでしたが、いまは理解出来ます。

 自分の幼い時代や若い時代の境遇や苦労と重なりあったのでしょう。苦労の多さが顔のしわに現れていました。

 2005年12月20日記


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