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Sちゃんとは高校時代からの親友だ。そして、私にとってはたったひとりの親友だ。


Sちゃんはピアノがうまかった。早々にピアノに見切りをつけた私と違い、彼女は大学受験も音楽でのぞむことにしていた。当時の国立大学の受験方式では、共通一次試験で大体の合格ラインが決まり、二次で得意科目で希望大学を狙うというシステム。音楽では歌の課題もあり、Sちゃんは声楽の先生から「Caro mio ben」での受験を勧められていた。
当時の私にはオーソレミオ以外にイタリア語の歌なんて初めてだったし、うわぁかっこいいなぁと憧れた。初めて見るイタリア歌曲の本にはいろんなことが書き込まれていた。(私もずっとピアノを続けていたら…と、ちょっとだけ後悔もした。私にはコレといった得意教科はなく、二次試験は何で受験したらいいのか決めかねていたのだ。結局受けなかったけど…爆)
以来、「Caro mio ben」は私にとってSちゃんのテーマソングだ。このことは彼女は知らない。知らないまま、彼女は今、エクアドルで現地の人たちに音楽の楽しさを伝えている――。
今度帰ってきた時には、エクアドル民謡を歌う彼女に羨望の目を向けることになるのだろうか。
「Caro mio ben」はCDもあるし、もちろん楽譜もあるから私も声楽のレッスンで歌うこともできたけど、さ~て、こっちはどうだろう?
刺激的な親友はどんな音楽を持ち帰ってくれるか、私は今から心待ちにしている。





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最終更新日  2003年02月03日 19時38分56秒


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