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2006.10.03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
何度も霧笛が聞こえる。


ブランデーグラスを傾けながら私はゆっくりと目を閉じる。
海は神戸の人にとって、とても身近なものである。
小さい頃は遊び場であったし、大人になってからはデートもした。
海べりでコンサートが行われ、歌ったこともあるな。

そんな私が大学を卒業して社会人となり、最初に就いたのも、海と関係ある仕事であった。
「船舶納入業」、船食と言われる仕事である。

入港した、または沖にいる船(主に貨物船)に食料や日用品を売る仕事である。


米、魚、野菜、果ては外地の女性へのお土産迄届ける。
その土産は白檀(風味)の扇子であったり、
ソ連(ロシアではない)大人気のストッキングであったり、
7色パンティ(注文書にそう書かれとる!)だったり、
なんでもいいからキラキラしてるのが付いてる、でっかいサイズのブラジャーだったり。
当時の私は、日本人なら買いそうにないハデハデなそれらを買いに行くのがとても恥ずかしかった覚えがある。

営業が各船や船会社から注文を取ってきて、私たち事務がそれを手配する。
仕入先は大抵は中央卸売市場だが、
そこで揃わない場合は普通の市場にある店に注文する(仕入れが高いのであまり使わないが)。

大抵は長期間の航海の為、仕入れは大量である。

免税の酒や肉は値段が決まっているが、野菜は私たちが決める。

仕入れ値の安いホウレン草に上乗せするなどして調整する。
突出した金額のものがあって
「これ、高いやん!」
って言われないようにするのである。

「オバケ○キロ」と注文され、なにかの聞き間違いかと思ったこともある。

恐る恐る注文したら、

「はいはい~」
とお店の人が言ってくれたときのウレシさったら・・

また、注文書に「ワレメちゃん」って書いてある。(「ちゃん」も書いてある)
何かと思ったら、「かいわれ菜」であった。

魚は会社が持っている専門の店があり、そこのカワナカというオジサンが仕切ってるのだが、
このカワナカ氏がめっちゃコワイ・・

「なんやて!なにゆーてんねん!怒!」
「はよ言わんかい!怒!」
「もうあかんゆーてるやろ!怒!」

全てがけんか腰である(私に対してだけじゃなくて)。
その倉庫と事務所を繋ぐ専用の電話がなった日にゃ(毎日鳴るけど)
皆、一瞬聞こえないフリをするのであった。(一瞬ね。放置してると怒鳴られますから)


まだ勤め始めた頃、ある一本の電話を取ったことがあった。
取ったと思ったら急にべらべら喋りだす。
慌ててメモをる。

時々英語で電話が掛かってくるが、

「彼は今いません」
「彼は今、他の電話で話しています」
「少々お待ち下さい」

の3つだけ英語で言えるようにしておけば、後は誰かが引き取ってくれる。

しかし、こちらは日本語だ。
聞いているうちにわかるかも?
と思ってたら、えらいことになった。

「神港中突のA クイーンズ号」

「○○沖 キンコン(どんな字か未だにわからぬ)号」

という暗号のようなものを次から次へ繰り出され、
それを半泣きになってメモを取った覚えがある。

電話を切って、ぐったりとなった私に先輩が聞く。

「どうしたの?」

「あの・・これ・・」

とメモを差し出すと

「あらー!これ全部メモ取ったの!」

だってメモ取らないでどーすんのさー!→逆ギレ

実はそれは今船がどこに停泊しているかを知らせる電話であり
日々新聞が届けられ、それに書き込む仕組みになっていたモヨウ。

そんなん知らんし、そんな沢山言われると思ってなかったし、
とにかくいつ終わるとも知れぬ早口をひたすら記述したアノ頃の私。
よーやった。。(笑)

そしてその日報によって船の位置を確認し、注文した品を営業が届け(沖の時は船に乗っていく)
私たちは請求書を作って、営業に渡す。
請求書が出来る前に船が出ちゃったりすることもあって、
大きな会社なら、会社へ送るなり、次の港へ送るなりすればいいのだが、
もう海外に出ちゃったら暫く帰ってこない小さな船などは、船で追っかけてもらった記憶が・・
営業さん、スミマセン・・・

各営業が自分の担当の船の仕事を先にやって貰いたくて、
「なんで俺のヤツ、やってへんねん!アイツのなんか後にしたらええねん!」
と言うてきて、新人の私はオドオドしていたモンである。

当時はまだ、優先順位をつけて仕事をすることが出来なかったんですね。
幾つかの仕事を平行してやっていけるようになるのは、この後ずっと先の事である(今もチョットあやしいけど(笑))。

○○汽船の厨司長(チューシチョウと読む。コック長のこと)は、私たち女性社員を可愛がってくれた。
神戸の港に入るたびに事務所を訪れてはランチに連れて行ってくれ、
海外での面白い話を聞かせて貰えるのが楽しみであった。

また、当時は海外でしか、なかなか入手できないアイスクリームがあり、
アルマイトの弁当箱4つ分くらいのでかいタッパーに入ったそれを、お土産に下さって、
各自、濡れた新聞紙に巻いて自宅へ持ち帰ったものである。

ここで、同僚と恋をしたり(後に破局)、
憧れの先輩からプロポーズされたり(後にフラれる)、
色々ございました・・ウットリ

などと回想に耽っていると、

「シラトリaco様が塾から退出されました」

というメールが塾から届く。
どうやらウトウトしていたようである。
迎えに行くのが面倒臭い。→冷たい

最近毎日迎えに行ってるんだから、タマにはオットに迎えに行ってもらおうと思うのだが、
別室のオットのところまで言いに行く元気がない(眠くて)。

そだ!
メールじゃ、メール!

「acoが塾を出ました。迎えタノム」

暫くして返信

「家の中でなにもメールをつかなくても?といいつつ」


ナニ!この尻切れトンボのメール。
言いつつナニよ~~!
よーわからん返信ではあったが、迎えには行ってくれた。
その間に切っておいた材料を丁々発止と料理する。

今日はゴーヤと鳥の炒め物、若布サラダ、残り物の鳥となすと豆の煮込み、
それにジャガイモと玉葱のお味噌汁である。
我が家の晩御飯はacoが帰宅する10時半過ぎからである。

「わーおいしそう!あれ?おかーさん食べないの?」

「なんだか胸が一杯で・・」

そして自室に篭って寝てしまった私。
懐かしい思い出に胸が詰まったとお思いの皆様。
ゴメンナサイ。
そうではなくて、思い出に耽っている間にバリバリと「ハッピータン(お菓子)」を食べちゃって止まらなくなり、
一袋全部食べちゃったので、ご飯が入りませんでしたーーーっ!

一杯だったのは胸じゃなくて、お腹だったワケね・・(汗




文中、虚偽の記述がありました。
「ブランデーグラス」は傾けてません。
飲んだのは麦茶デス・・
ま、イメージっちゅーことで。

それからオットには今朝
「ごめーん!眠くて起きれなくてメールにしちゃったよ」
と告白、謝罪しましたことを付け加えておきます。





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最終更新日  2006.10.04 11:10:01
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