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カテゴリ: カテゴリ未分類
いままで体験した芝居の中でも、もっとも好きな台詞です。


ぼくは広告文案家です。いま、誰からか「人間」という商品の広告文をたのまれたとします。さあ、ぼくはどんな広告ぶんを書けばいいのか。

おそらく「人間」を宣伝する文案は、こう書くしかないんじゃないでしょうか。・・・・
「この宇宙には四千億もの太陽が、星があると申します。それぞれの星が平均十個の惑星を引き連れているとすると惑星の数は約四兆。その四兆の惑星のなかに、この地球のように、ほどよい気温と豊かな水に恵まれた惑星はいくつあるでしょう。
たぶんいくつもないでしょう。だからこの宇宙に地球nような水惑星があること自体が奇蹟なのです・・・・・・。

・・・・・・水惑星だからといってかならず生命が発生するとはかぎりません。しかし地球にあるとき小さな生命が誕生しました。これも奇蹟です。その小さな生命が数かぎりない試練を経て人間にまで至ったのも奇蹟の連続です。そしてその人間のなかにあなたがいるというのも奇蹟です。こうして何億何兆もの奇蹟が積み重なった結果、あなたもわたしもいま、ここにこうしているのです。わたしたちがいる、いま生きているというだけでもうそれは奇蹟の中の奇蹟なのです。こうして話をしたり、だれかと恋だの喧嘩だのをすること、それもそのひとつひとつが奇蹟なのです。だから人間は生きなければなりません」。ちょっと長すぎる広告文ですが、こう書くしかないんじゃないでしょうか。


きらめく星座


         井上ひさし 作  『きらめく星座』より





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Last updated  2006年02月02日 21時58分19秒


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