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2008年10月29日
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カテゴリ: おすすめの本


≪あかずの扉≫研究会流氷館へ
著者: 霧舎巧
出版社: 講談社
サイズ: 文庫
ページ数: 623p
発行年月: 2003年06月

 北沢大学新入生のぼく=二本松翔は、サークル“あかずの扉”研究会に入会した。自称名探偵、特技は解錠などクセ者ぞろいのメンバー六人が、尖塔の屹立する奇怪な洋館“流氷館”を訪れた時、恐るべき惨劇の幕が開く。閉鎖状況での連続殺人と驚愕の大トリック!本格推理魂あふれる第十二回メフィスト賞受賞作。

 霧舎巧(キリシャタクミ)


 久しぶり(というと、他の作家さんに失礼ですが……)に私の中では衝撃作でした。
 霧舎先生の作品はこっち(↓)

の既刊は読破していたのですが、受賞作の方はずっと読んでいませんでした。
 しかしこの「私立霧舎学園ミステリ白書」に若干リンクしているということで、古本で探していたのですが、最近になって文庫版を入手。
 しかし見つけてびっくり! 623P! です。京極のあれらにはかなわないにしてもかなりの厚さ……
 果たして読みきれるのだろうか?
 と不安になりながらも本をとり、読み始めると……
 あれ?
 何で外が明るいの?
 というか私……寝てない?
 寝ることすら忘れ、ページを追い続け最後のページまで止まりませんでした。

 私はあまりミステリーは読まないのですが、今で読んできたミステリーが10x10の100ピースパスル(中には幼稚園児向けの20ピースぐらいのものも……しかも大御所……)なら、さしずめ40x30の1200ピースパズル級に、随所に散りばめられた複線が、早送り再生のように次々とはめ込まれてゆくのには、正直鳥肌が立ちました。
 しかも最後にはまさかの大どんでん返しが!
 この手のどんでん返しは、構成や筆力が足りないと、そこまでどれだけ良かろうと「ふざけるなぁッ!!」と叫びたくなるような駄作に成り下がってしまうのですが、この作品にはまったくそれが感じられません。
 さらに登場人物が多くなりがちなミステリーは、巻頭の人物紹介が必須という場合が多いですが、この作品もかなりの人物が登場するにもかかわらず、巻頭を開くことなどありません。キャラがしっかり立っているので、この人は誰だっけ? ということがないのです。
 作者自身が読みたいミステリーを書いたとの事ですが、あとがきの解説を書かれていたはやみねかおる氏のおっしゃるとおり、私が読みたいミステリーがここにあったのです!

「今度はミステリーでも書こうかな」などと容易に考えていた私の浅慮などあっという間に吹き飛びました。
 私なんぞが下手なミステリーを書いて、ミステリー小説のランクを下げるべきではない!
 それが公開されようとされまいと! 書くなら十分に勉強をしてからでないと、先人に失礼である!!
 プロの作家さんも、下手によそのジャンルに手を出して、レベルを下げるようなことはしないでいただきたいものです。
 もちろん別のジャンルを書いても秀作を書かれる作家さんも多いですが。





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最終更新日  2008年10月29日 23時16分48秒
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