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2006.03.28
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 きれいすぎる ...

 これが見た直後の感想。

 とても引きずる映画 ...

 ちょっと前に見て、ずっとモンモンモン ...



 母子家庭の母親が子供たちを置いて出て行き、

 14歳の長男が3人の兄弟をみながら暮らす姿を追ったものなのだが、

 実際はいろんな意味で、こんなもんじゃあないだろうな、って 。。。



 ***



 悲惨な事なのにどこか



 タンポポの綿毛のように

 ふわふわと ゆめうつつ。



 こどもたちに演技ヤラサレテイル感は全くなくって、

 ドキュメンタリーのような、素のままの表情のきらめき。

 それを捕らえるカメラワークのあたたかさ。

 ひとりひとりがほんとにいとおしい。

 カンヌ最優秀男優賞を取った柳楽優弥くんのまなざし、含みある表情は、

 噂にたがわず、ほんとにすてき ... 駿馬の瞳 ..。



 母親のことが好きで、憎めず信じている子供たちがあまりにけなげ。

 母親役のYOUの、ノーテンキなユル~イかんじがハマッテル。



 誰も泣かず、わめかず、



 日常を追うカメラ。



 カップ麺の空き箱で育つ種たち

 ちっちゃくなった キュッキュッ サンダル

 イチゴ味のアポロチョコ

 剥げちゃったマニュキュア





 最小限のセリフ、最小限のBGM。

 ゴンチチのギターが時々ポロポロと。



 クライマックスさえ絵空事みたいに静か。

 アリアのないオペラみたいに。



 幕の降りないラスト。



 ***



 オープニングに流れるテロップ。

 「 これは実際に起きた事件にインスパイアされて 創ったものです 」



 こうわざわざ記しているのだから、どんな事件だったのか当然気になる。

 ググッテみたら、幾つか出てきた。

 ネットなどない時代の古い事件 ( 1988・S63 ) なので、

 あくまで個人の方が調査なさったものですが。

 ( 「 巣鴨子供置き去り事件 」 でググルと出てきます。 )

 私はこの事件のこと、全く知らなかった。



 やはり、思っていた以上に悲惨。

 父親の違う6人の子達は、

 一人は養子に出され、

 一人は哺乳瓶を咥えたまま亡くなり、

 火葬されないまま、母子の生活の場にあった。

 母親が出て行った後、長男が面倒をみていたのは、

 映画よりもずっと低年齢の

 7歳の長女と、まだオムツをしていた3歳と2歳の子たち。

 長男の友達による次女の死。

 大家さんの通報により発見された時、

 ガリガリの栄養失調状態だった子供たち。  etc



 現実は厳しい。

 二人の子が死んでいる。

 発見が遅れれば、下の子供たちも餓死していたかもしれない。



 親と共に生活していても、育児放棄され餓死する子のニュース、

 この何年かに何度新聞で見たことか。

 親がパチンコに興じている最中、炎天下の車の中で死んでいく子供。

 これも、毎年懲りずに繰り返されるニュース。



 実際の事件の概要を知ってしまうと余計チリチリ燻る。

 すっきりしない、解せない 。。。

 もちろんあくまでフィクションではあるのだけれど、

 監督は何故、事件にインスパイアされたとわざわざ言っておきながら、

 事実を和らげる描き方をしたのか 。。。



 子供たちの綺麗な曇りのない瞳ばかりを映しだしたのか 。。。



 ***



 誤解を恐れず言ってしまうと、

 この母親の気持ち、よくわかる。

 育児は綺麗ごとではないから。

 時に行きどころなくて、現実逃避したくなる気持ち。

 すがれるものがあるのならすがりたい気持ち。

 子供放って自己実現したい気持ち。

 どんな母親の中にもほんの少しは住んでいる感情かも。



 でも ... 

 でもでもでも ...!

 3歳くらいまでは、3分間眼を離しただけで、

 どんな事故が起きるのかわからない緊張感がある。

 守ってやれるのは親だけ、という緊張感。

 トイレへ行く時でさえ、寝ている時でさえ、

 その神経だけは24時間体制で張っていた気がする。

 そうやってみんな子育てしている。

 人間だけじゃなく、

 たぶんいろんな動物も、もしかしたら人間以上に。

 こんなちゃらんぽらんでどうしようもない私でさえ。



 だから、これも、誤解を恐れず言ってしまうと、

 この母親の気持ちはわかるけれど、

 決してかばう気持ちにはなれない。

 それをしてしまったら ...。



 男たちの身勝手さ、救いようがない。

 周りの人々の無関心、

 社会の偏見や制度の片手落ち、

 もちろんそういうものの要因もすごく大きいと思う。

 それもわかったうえで、あえて ...。



 ***



 「 誰も知らない 」

 この題名に込めた監督の真意は知らないけれど、

 とても含みのある題名。

 映画と同じく、とても引きずられる。

 一歩タガが外れれば、ここまで行ってしまう可能性のあるのが日常。

 だからこれは、知らない世界のできごとではなくって、

 もしかしたら、自分達の中にも潜むものなのかも 。。。



 実際の事件後の次女死の容疑の裁判で、

 「 お母さんに頼まれた責任を果たせなかった 」 

 と泣いてしまったという長男。



 インタビューで監督は、

 善悪のシロクロつける分かりやすさではなく、

 母親を紛叫するためではなく、

 こどもたちのたくましさ、感情の豊かな揺らぎ、

 生きようとする前向きな姿、

 そして、この長男をしっかりと抱きしめるために作った、と。



 「 抱きしめるために ... 」



 この言葉で、なにかがストンと落ちた。



 「 北風と太陽 」 でいう、

 太陽でマントを脱がせることのできる方なのね、この監督は。

 声高に正義を唱えることだけが善とは限らないよ、ってことかな 。。。

 つい叫んじゃって、「 はいはい、あなたはいつも正しいです。 」

 って言われるような失敗、何度繰り返していることか、自分 (^-^;;;

 学習できません 。。。 



 おふとんにのこる おひさまのにほい 。。。



 ***



公式HP



予告編 舞台挨拶 インタビュー













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Last updated  2006.03.29 00:30:06
コメント(18) | コメントを書く


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Re:誰も知らない(03/28)  
eggdajo02  さん
いつもながら、きゆらさんの言葉には引き込まれます。
みてもいないのにわたしまでたっぷり映画を鑑賞した気にさえ
なってしまいました~^^;
が・・・見たい!とまんまと思ってしまうわけです。。(笑)

わたしもたまにニュースなどを見て思います。
この人にも人生があって笑った日も甘えた日もあったんだろうなぁ・・なんて
可哀想な事件で可哀想な終わりを迎えたことが伝えられるとき
すべてがそういうトーンだけで語られてしまうけど
その子の、その人のある日にはとてもシアワセなことも
あった・・そうやって生きた様々な時間があったんだろうな。。

そうやって生きる、生きたすべての人をすべての時間を
いろんな局面での感情や出来事を、もっとみつめて愛情をもって尊敬し慈しんでいけたら・・
そんなメッセージが込められてる映画なのかな・・と感じました。

(2006.03.29 02:13:32)

Re:誰も知らない(03/28)  
chobi-rin  さん
この映画、映画館で予告編を観ただけで、胸にずしーんと来ちゃって、
私には絶対観れない~って思ったんですが、そろそろ観てみようかなぁ?
実際の事件は、そんなに悲惨だったのですね(>_<)

私もきゆらさんのおっしゃるように、この母親の気持ちはわかるけど、
それをやっちゃあおしまいでしょ、って思います。
「母性本能」なんて言葉、無くなりつつあるんでしょうか・・・?
(2006.03.29 08:26:21)

はじめまして  
この映画、マイベストの中に入っています。
うんうんと頷きながら読みました。
声高に正義を叫ぶことは誰でもやっているから。
だから監督は静かに放り出したのですね。
そして、結局は、いろんな子供たちのことに思いをはせ、わたしたち1人1人が自分自身を振り返ることが出来るから、正義以上の力を呼び起こす作品になったような気がしました。 (2006.03.29 10:56:12)

Re:誰も知らない(03/28)  
蘇芳色  さん
この映画、大好きなんです。
映画館の予告編で見て、『これは見なくては!』と思い、カンヌで賞を取った後に見に行きました。

感想はブログに書いたので、よろしければご覧下さい。
http://plaza.rakuten.co.jp/suouiro/2058

私がこの映画を見たとき、最初に衝撃を受けたのは、子ども達と接している時の母親は、私なんかよりもずっと「イイ母親」だったということです。
何もかもキッチリしなくちゃ・・・それがイイ母親なんだと、世間の決めたものさしで自らの母親像を縛り付けていた私。
YOUの演じる母親のように、少々の汚れやだらしなさをもっと大目に見る母親だったら、子ども達はどんなに楽だったでしょう・・・。
私は是枝監督が、この母親を子ども達と過ごす時は穏やかに描いていたことにまず衝撃を受けました。もちろんその後、彼女がしたことは許されないことだけれど、母親と一緒にいる時の子ども達の笑顔が心に焼き付いてしまいました。
こういう事件が起これば、いつも真っ先に槍玉に上がるのは「母親が悪い」ということです。
でも子どもの問題はいつも母親が悪いの?父親はノータッチでもいいの?社会は無関心でいいの?そういつも思っていました。私も閉鎖的な環境で育児ノイローゼ一歩手前な状態でしたから。
だから是枝監督が母親だけを糾弾すると言う形の映画にせずに、「誰も知らない」というタイトルにして、「無関心でいた貴方たち大人に責任はないんですか?」と静かに問いかけてきていることに、本当に感動しました。

この事件、私も映画を見た後ググッてみたんです。もしかして同じサイトを見たのかもしれません。事実は衝撃的なものでした。

(2006.03.30 01:32:33)

Re:誰も知らない(03/28)  
蘇芳色  さん
すみません、字数制限かかっちゃったんで、再度書き込みます~。

続きです。

きゆらさんもおっしゃっていますが、是枝監督がこの少年を抱きしめたかった・・・と言っていたのを知り(確かパンフレットに書いてあったと思います)この監督の温かさ、そして世の中に訴えたかったことが胸に染み込んできました。
あぁ、日本にもこんなに素晴らしい映画監督がいたんだ・・・と本当に嬉しくなりました。
それから是枝監督の作品は洗いざらい見ました。
オウムサリン事件をベースにした「ディスタンス」や死者が死んでから天国へ行くまでの物語「ワンダフルライフ」など、重い題材を彼の手腕で透明感のある作品に仕上がっています。

大好きな作品、そして大好きな監督の話題だったので熱く語ってしまいました~(汗)
本編やメイキングDVDも買っちゃったんです~。

(2006.03.30 01:33:37)

eggdajo さん  
きゆら*  さん
>が・・・見たい!とまんまと思ってしまうわけです。。(笑)

アハッ、そんなにノッテくださるなんて、やっぱりアフィリやろうかしら ?^^
子供たちと関わるお仕事をなさっているeggdajoさんには、
見てみていただきたいな ~
まんまと、と言えば、たぶん1本の映画でこんなに引きずるということ事態、
まんまと監督のツボなのかも ^^

>すべてがそういうトーンだけで語られてしまうけど

そうなんですよね。
そういう思考回路って、マスコミによって洗脳されてる部分がすごく大きい、って感じてます。
私のTV嫌い、ワイドショー嫌いって、そこにあります。

>その子の、その人のある日にはとてもシアワセなことも
>あった・・そうやって生きた様々な時間があったんだろうな。。

eggさんも日々子供たちと接していて感じていらっしゃると思うけれど、
今時の子供たちは、っていう側面ももちろんあるけれど、
たぶんいつの時代も子供のキラキラした瞳って変わらずいたいけですよね。

>そんなメッセージが込められてる映画なのかな・・と感じました。

ストレートな描き方をしていないぶん、
見る人によって、様々な捕らえ方ができる映画なのでは、って思います。
eggさんの感じかた、伺ってみたいな 。。。


(2006.03.30 09:34:08)

chobi-rinさん   
きゆら*  さん
>私には絶対観れない~って思ったんですが、そろそろ観てみようかなぁ?

私も気になりつつ、ずっと未見でした。
今回レンタルしてきたのは、私じゃなくって娘なんですけれどね ^^
去年の夏休みから、見たいね、って話してはいたんですが、いつも空きがなかったんです。

>私もきゆらさんのおっしゃるように、この母親の気持ちはわかるけど、
>それをやっちゃあおしまいでしょ、って思います。

気持ちは分かる、っていうことと、容認できる、っていうこととの間には
大きな隔たりがありますよね。
罪を憎んで人は憎まず、でいたいけれど 。。。

>「母性本能」なんて言葉、無くなりつつあるんでしょうか・・・?

う===ん、そもそも母性って本能なのか ?
って考え出すと、延々巡っちゃいそうだからヤメとこっと (^-^;;

(2006.03.30 09:58:31)

みっちんにょんさん   
きゆら*  さん
はじめまして、ようこそ ~ ♪
書き込みありがとうございます。 嬉しいです ^^

>この映画、マイベストの中に入っています。

そうなんですね ^^

>だから監督は静かに放り出したのですね。

「静かに放り出した」っていう表現、いいですね ――、 とてもこの映画のこと、表していて。
題名も中身も、いかようにも取れる、というところがミソなのかもしれないですね。
後は勝手にそれぞれで考えてくれ、っていうスタンス (?)

>そして、結局は、いろんな子供たちのことに思いをはせ、
>わたしたち1人1人が自分自身を振り返ることが出来るから、
>正義以上の力を呼び起こす作品になったような気がしました。

はい。 まんまと、なのかもですね ^^ !


(2006.03.30 10:14:32)

蘇芳色さん  
きゆら*  さん
そうそう、以前、蘇芳色さんも取り上げていらしゃったこともあり、
見たいな、って思ってたんです ^^
熱く語ってくださってありがとう !

時間切れになっちゃったんで、夜中にまた書かせていただいてもいいですか ?
いろいろ考えて書きたいので 。。。



(2006.03.30 11:13:08)

蘇芳色さん  
きゆら*  さん
Res遅くなってごめんね。
蘇芳色さんの感想は、たぶん監督の意図にとても近いものだと思います。
対して私のモヤモヤは、屈折してるヤツだからも(^-^;;

この映画、ストレートな描き方をしていないぶん、
他の映画以上に見る人の感想も大きく異なるかも。

誰にでも子供時代があった、という意味で、
育ってきた環境や経験によって感じ方は違って当然だし、
子供の有無などによっても感じ方、変わってくると思います。

蘇芳色さんが仰っている、
>「無関心でいた貴方たち大人に責任はないんですか?」
という捕らえ方もありと思いますし、
自分の生い立ちと重なって正視できない人、
どうしても親を許せない人、
子供時代反芻してそこから何かを見出そうとする人、
自分の家庭に置き換えてみる人、
社会に疑問を持つ人 etc ...

子供たちの生きるたくましさだけを描こうとしたのなら、
戦時下には似たような状況の子供たちはいっぱいいたのだろうと思う。
「 実際の事件にインスパイアされて ~ 」とあえて記したこと、
事実を緩めて母親に非難がいかないような苦心が見られること、
その成否は私には答えがでないけれど、
子供たちのキラキラの瞳に映っているもの、大切にしたい 。。。

「 誰も知らない 」 という題名も含めて、いろんな捕らえ方があって、それでいいのかも。
ポエジーな画面を通して静かに一石投じたことで、この作品の意義はとても大きいと思う。
いろんな論議が起きるということ自体、監督の想定内 (?)(笑)


  (2006.04.01 18:06:28)

ツヅキ  
きゆら*  さん
>子ども達と接している時の母親は、
>私なんかよりもずっと「イイ母親」だったということです。

子供たちと友達みたいに接するYOU母のユル~イカンジ、いいよね ^^
子供たちはみんなこの母親のこと好きだったのよね。
「教育という名のもとの虐待」を受けてる子達と比べたら、
確かにとても穏やかで幸せな日々だったのかも。

ただ、私には大人のずるさも透けて見える。

「だいたいお母さんは勝手なんだよ」 って長男に言われて、
「お母さんは幸せになっちゃいけないの ?」
「あなたのお父さんが一番勝手なんじゃないの ~ 」
押し黙ってしまう長男。

『 だからあなたは、勝手なお父さんの代わりに妹達の面倒をみるのよ 』
って暗に言い含めてる (^-^;;

「みんなでおおきな家に住んで、学校にも行って ~」

これも素直な気持ちであったにせよ、
学校へ行かさず文盲状態にして、小さい子を一歩も外へ出さず監禁状態にして、
これは虐待でなくてなんなの ? って思っちゃう。
監督の意図に反しているかもしれないけれど。




(2006.04.01 18:15:02)

ツヅキ2  
きゆら*  さん
>「無関心でいた貴方たち大人に責任はないんですか?」

これに関しては、ごめんなさい、私は冷めた意見です。
親(育ての親も含めて)と他人は同列には語れない、と思ってます。

映画の中ではコンビニ店員の心遣いによって、実際の事件では大家さんの通報によって、
子供たちは餓死しないで済んだのだと思いますが、普通の人にはそこまでがせいいっぱいかなと。
もちろんどんな小さなことでも自分のできることから始めることが大切だけれど。

ただね、同情や小さな親切はできても、親の代わりになれる関わり方は難しい。
「たとえ火の中、水の中」は親にとってはなんともないことであっても、
他人にはそうそうできることじゃない。
マザーテレサや夜回り先生のように命投げ出しても、っていう覚悟がないかぎり。

>こういう事件が起これば、いつも真っ先に槍玉に上がるのは「母親が悪い」ということです。
>でも子どもの問題はいつも母親が悪いの?父親はノータッチでもいいの?社会は無関心でいいの?
>そういつも思っていました。
>私も閉鎖的な環境で育児ノイローゼ一歩手前な状態で

蘇芳色さんのその気持ち、すごーくよくわかるの。
私もずっと見知らぬ土地で子育てしてきて、何年も髪切りにさえ行けない状態だったので。
でも周りのお友達に恵まれて助けていただいたので楽しく子育てできて、
一緒に子育てした友達は戦友 ~^^
子供が生まれたことで気づく社会の不条理っていっぱいありますよね。
小さなことから保育所や社会保障も含めて、
楽に子育てできる環境じゃなくっちゃいけない、ってすごく思います。


(2006.04.01 19:09:45)

ツヅキ3  
きゆら*  さん
でもだからといって 。。。というところへ戻ってしまうけれど、

どんな状況下にあっても、どんなに不条理でも、男達のコズルサにはらわた煮えくり返っても、
この母親には逃げ出さないでほしかった、って思います。
あの時の子供たちにとって、母親は唯一の命綱だったわけだから。

コズルイ男達と関わり、子供ができる状況を作り、産む決意をし、6人も産んだのは、
その母親自身なのだし、手を差し伸べれば、きっといろんな道があったと思うから。

ホントはね、私自身、この母親を容認してしまったら、
自分の根柢までひっくり返ってしまいそうで、
自分のタガまではずれてしまいそうで怖いだけかも ...(^-^:::
私の、亡き母への絶対的信頼感は、身を盾にして私たちを守ってくれた、ということに尽きます。

6歳から成人するまで私と兄弟のようにして育った○○年来の友人は、
幼少期に実母が出て行き、父親が再婚してウチの近所へ越してきた。
そのご両親には私もとてもかわいがっていただいて、育てのお母様もほんとにいい方だけれど、
彼女はずっと傷を抱えていて、その悲しみや葛藤を、私も隣でいつも感じていたことも、
どうしてもこのことに関して一線譲れないゆえんかもしれない。
年1回の習い事の発表会にいつもそっと現れる生みのお母様は、
「○子に渡してね。」って彼女へのプレゼントを私に頼んで帰って行ったこともあった。
その心細そうな後姿も焼きついてる。
彼女は今、両方のお母様と仲良しで、自分自身も、
「母親でさえいられればそれでいい。」と3人の子のいいお母さんです。




(2006.04.01 19:12:52)

Re:長~いお返事、ありがとう♪(03/28)  
蘇芳色  さん
きゆら*さん

考えながら読ませていただきました。

それぞれが各々の立場で深く考えることができ、いろいろな感想が出てくる作品ですよね。
やはり是枝監督の意図はそこにあったのかな・・・と改めて思いました。

YOUの演じた母親像は、もちろん私自身も肯定しているわけではないのですが、今までの画一的な描き方をされる母親像に比べ、まったく予想外だったので驚いてしまったんです。
きゆらさんんもおっしゃっているように教育という名の下に勉強を押し付けている状態に比べ、なんだかあのユルさが心地よいものに見えてしまったんです。
もちろん出生届も出していなくて、学校にも通わせていないこと、結果的に子ども達を放り出してしまったことは許されることではないと私も思います。

その責任を母親だけに押し付けていないところに、私は感動してしまったんですね。

それと私自身、子どもは弱いものと決め付けていたのですが(だからこそ私が守らなくてはいけないと頑張りすぎていて・・・)この作品では子ども達は母親に捨てられてすぐ餓死するのではなく、(それだったら映画にならないけれど)逞しく生き始めていることに、一種の感動を覚えました。

(2006.04.01 23:27:48)

すみません、また長くなってしまって  
蘇芳色  さん
>「無関心でいた貴方たち大人に責任はないんですか?」
>マザーテレサや夜回り先生のように命投げ出しても、っていう覚悟がないかぎり。

う~ん、子どもに関係ない人たちが、そこまで覚悟するのはやはりムリがあるでしょうね。
ただ私が考えるのは、監督が映画を見た人に投げかけたであろうこの問いは、他人が覚悟を決めて子どもの世話をしろというものではなく、知らんふりをしていた大人たちにも責任はあるのではないだろうか?と社会全体の無関心を問い直すものではないかと思ったんです。
きゆらさんもおっしゃっている、楽に子育てできる社会環境を作っていくためには、やはり子育てに関係のある人だけではなく、社会全体がそのことに関心を持っていかなければ改善できないと思うんですね。
そういう意味で、監督が投げかけたであろう問いは、今まで自分には関係のないことだと思っていた人々にも考える機会を与えたのではないかと思っています。

私自身の母親については、ま、いろいろあるのですが、やはり育ててくれたことに感謝しています。
ただ絶対的信頼感は・・・ないかもしれない・・・。これは母を否定していると言うのではなく、私自身の問題かな。 (2006.04.01 23:28:15)

蘇芳色さん  
きゆら*  さん
Aha ~ 楽天日記始めて以来のロングレスしちゃいました ~ すみません ^^
とまんなくなっちゃって (^-^;;;
も~w 飲みに行きたいね、蘇芳色さん ♪(笑)

>その責任を母親だけに押し付けていないところに、私は感動してしまったんですね。

はい。男の方でそういう視点持ってくださる方、なかなかいませんよね。
是枝監督、すばらしいです !
出てくる父親達、ブンナグッテやりそうになっちゃいます (爆)
あ、ヨッパケじゃありませんよ ^^;

>逞しく生き始めていることに、一種の感動を覚えました。

ただ実際には2人の子が死んでいるという事実も忘れないでおこうと思ってます。
光に包まれたようなラストショット、力強くすてきですよね !

>社会全体がそのことに関心を持っていかなければ改善できないと思うんですね。
>今まで自分には関係のないことだと思っていた人々にも
>考える機会を与えたのではないかと思っています。

なるほどそうかもしれません。
今の少子化は、そのまま社会の不条理への悲鳴ですよね。

>絶対的信頼感

チョイ大げさな言葉を使っちゃいましたが(^-^;;)
実家もいろいろ波乱万丈だったもので、そんな中で母はほんとに身を盾にしてくれました。
そのおかげで早死にしちゃいましたが 。。。



(2006.04.02 11:18:39)

Re:誰も知らない(03/28)  
nogli  さん
最初どこの国の映画だろう?と思ったら邦画ですか。
しかも実話が元になっているとは。
子供が犠牲になる事件が耐えず起こる何かが狂っている昨今、
考えさせるテーマを持った映画や本などをもっと大きく宣伝して欲しいです。
元の事件もこの映画も全然知りませんでした。
レンタル屋にあるかな。

(2006.04.06 03:27:57)

nogli さん  
きゆら*  さん
>元の事件もこの映画も全然知りませんでした。

2004年の映画です。
カンヌで柳楽優弥くんが、歴代最年少で最優秀男優賞を取ったことで話題になりました。
事件は1988の古い事件で、私も知りませんでした。
ただ、事件にインスパイアされたフィクション、という仕立てで、
実際の事件とはかなり違うようです。

>子供が犠牲になる事件が耐えず起こる何かが狂っている昨今、
>考えさせるテーマを持った映画や本などをもっと大きく宣伝して欲しいです。

ほんとに、子供犠牲の事件がやたらに目につくのはやりきれません。

>レンタル屋にあるかな。

いっぱいあると思います。
でもウチの近くの所では、7,8本あるのにいつも全部レンタル済みで
なかなか借りられなかったんですよ。
機会があったら見てみて ~
ゴンチチのギターが使われてます。

(2006.04.07 00:22:00)

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