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2006.03.28
誰も知らない
(18)
テーマ:
おすすめ映画(4146)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
これが見た直後の感想。
とても引きずる映画 ...
ちょっと前に見て、ずっとモンモンモン ...
母子家庭の母親が子供たちを置いて出て行き、
14歳の長男が3人の兄弟をみながら暮らす姿を追ったものなのだが、
実際はいろんな意味で、こんなもんじゃあないだろうな、って 。。。
***
悲惨な事なのにどこか
タンポポの綿毛のように
ふわふわと ゆめうつつ。
こどもたちに演技ヤラサレテイル感は全くなくって、
ドキュメンタリーのような、素のままの表情のきらめき。
それを捕らえるカメラワークのあたたかさ。
ひとりひとりがほんとにいとおしい。
カンヌ最優秀男優賞を取った柳楽優弥くんのまなざし、含みある表情は、
噂にたがわず、ほんとにすてき ... 駿馬の瞳 ..。
母親のことが好きで、憎めず信じている子供たちがあまりにけなげ。
母親役のYOUの、ノーテンキなユル~イかんじがハマッテル。
誰も泣かず、わめかず、
日常を追うカメラ。
カップ麺の空き箱で育つ種たち
ちっちゃくなった キュッキュッ サンダル
イチゴ味のアポロチョコ
剥げちゃったマニュキュア
最小限のセリフ、最小限のBGM。
ゴンチチのギターが時々ポロポロと。
クライマックスさえ絵空事みたいに静か。
アリアのないオペラみたいに。
幕の降りないラスト。
***
オープニングに流れるテロップ。
「 これは実際に起きた事件にインスパイアされて 創ったものです 」
こうわざわざ記しているのだから、どんな事件だったのか当然気になる。
ググッテみたら、幾つか出てきた。
ネットなどない時代の古い事件 ( 1988・S63 ) なので、
あくまで個人の方が調査なさったものですが。
( 「 巣鴨子供置き去り事件 」 でググルと出てきます。 )
私はこの事件のこと、全く知らなかった。
やはり、思っていた以上に悲惨。
父親の違う6人の子達は、
一人は養子に出され、
一人は哺乳瓶を咥えたまま亡くなり、
火葬されないまま、母子の生活の場にあった。
母親が出て行った後、長男が面倒をみていたのは、
映画よりもずっと低年齢の
7歳の長女と、まだオムツをしていた3歳と2歳の子たち。
長男の友達による次女の死。
大家さんの通報により発見された時、
ガリガリの栄養失調状態だった子供たち。 etc
現実は厳しい。
二人の子が死んでいる。
発見が遅れれば、下の子供たちも餓死していたかもしれない。
親と共に生活していても、育児放棄され餓死する子のニュース、
この何年かに何度新聞で見たことか。
親がパチンコに興じている最中、炎天下の車の中で死んでいく子供。
これも、毎年懲りずに繰り返されるニュース。
実際の事件の概要を知ってしまうと余計チリチリ燻る。
すっきりしない、解せない 。。。
もちろんあくまでフィクションではあるのだけれど、
監督は何故、事件にインスパイアされたとわざわざ言っておきながら、
事実を和らげる描き方をしたのか 。。。
子供たちの綺麗な曇りのない瞳ばかりを映しだしたのか 。。。
***
誤解を恐れず言ってしまうと、
この母親の気持ち、よくわかる。
育児は綺麗ごとではないから。
時に行きどころなくて、現実逃避したくなる気持ち。
すがれるものがあるのならすがりたい気持ち。
子供放って自己実現したい気持ち。
どんな母親の中にもほんの少しは住んでいる感情かも。
でも ...
でもでもでも ...!
3歳くらいまでは、3分間眼を離しただけで、
どんな事故が起きるのかわからない緊張感がある。
守ってやれるのは親だけ、という緊張感。
トイレへ行く時でさえ、寝ている時でさえ、
その神経だけは24時間体制で張っていた気がする。
そうやってみんな子育てしている。
人間だけじゃなく、
たぶんいろんな動物も、もしかしたら人間以上に。
こんなちゃらんぽらんでどうしようもない私でさえ。
だから、これも、誤解を恐れず言ってしまうと、
この母親の気持ちはわかるけれど、
決してかばう気持ちにはなれない。
それをしてしまったら ...。
男たちの身勝手さ、救いようがない。
周りの人々の無関心、
社会の偏見や制度の片手落ち、
もちろんそういうものの要因もすごく大きいと思う。
それもわかったうえで、あえて ...。
***
「 誰も知らない 」
この題名に込めた監督の真意は知らないけれど、
とても含みのある題名。
映画と同じく、とても引きずられる。
一歩タガが外れれば、ここまで行ってしまう可能性のあるのが日常。
だからこれは、知らない世界のできごとではなくって、
もしかしたら、自分達の中にも潜むものなのかも 。。。
実際の事件後の次女死の容疑の裁判で、
「 お母さんに頼まれた責任を果たせなかった 」
と泣いてしまったという長男。
インタビューで監督は、
善悪のシロクロつける分かりやすさではなく、
母親を紛叫するためではなく、
こどもたちのたくましさ、感情の豊かな揺らぎ、
生きようとする前向きな姿、
そして、この長男をしっかりと抱きしめるために作った、と。
「 抱きしめるために ... 」
この言葉で、なにかがストンと落ちた。
「 北風と太陽 」 でいう、
太陽でマントを脱がせることのできる方なのね、この監督は。
声高に正義を唱えることだけが善とは限らないよ、ってことかな 。。。
つい叫んじゃって、「 はいはい、あなたはいつも正しいです。 」
って言われるような失敗、何度繰り返していることか、自分 (^-^;;;
学習できません 。。。
おふとんにのこる おひさまのにほい 。。。
***
公式HP
予告編 舞台挨拶 インタビュー
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Last updated 2006.03.29 00:30:06
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