早起きしすぎた朝にどうぞ
朝、目覚ましの音で目が覚めた。まだ頭がぼーっとしている。なんだかいつもより薄暗いようだ。
ベッドから降り、新聞をとりにゆく。
ソファーの上に新聞を投げ、モーニングコーヒーを入れる。
キッチンが湯気と香ばしい香りに包まれる。
カップはお気に入りのファイヤーキング。
テレビのスイッチを入れてはじめて気づく。いつもより１時間も早く起きてしまった。
どうやら目覚ましをセットするときに時間を間違えたようだ。どうりで眠いはずだった。
でも体はもうコーヒーで覚醒されてしまっている。
仕方がない。今日はこのまま起きていよう。
朝のテレビは耳障りだ。テレビを消して、ＦＭに切り替える。
流れてきたのはサイモン＆ガーファンクルの「水曜の朝、午前３時」
彼らのファーストアルバムのタイトル曲だ。
ポールサイモンのの澄んだギターの音と、アートガーファンクルの透明感のある歌声に、しばし朝の喧騒を忘れる。
きのう駅前のベーカリーで買ってきたパンをかじりながら、コーヒーのおかわりを入れる。
次に流れてきたのは、１９７９年のヒット曲、ランディ ヴァンウォーマーの「アメリカン モーニング」
ＣＭにもよく使われているが、とてもメロディアスな美しい曲だ。
朝もやの草原をイメージさせる。
ランディは、今年の１月に亡くなったそうだ。まだ若いのに。澄んだ歌声を聴いていると、悲しみがあふれてくる。
ベランダのアイビーに水をやり、軽くストレッチする。
こわばった筋肉がすこしずつほぐれてゆく。
早朝のラジオは、いい曲がかかる。眠気もとんで、リフレッシュできる。
新聞をパラパラとめくっていると、また次の曲がかかる。
エアサプライ「ロスト イン ラブ」
オーストラリア出身の６人組みグループ。ジャケットのタイトル曲でもあるこの曲は、１９８０年のヒット。
夏の海辺のさわやかな朝をイメージさせる。
夫が起き出してきたようだ。シャワーを浴びる音がする。
のんびりしすぎて、いつもの朝よりも遅くなってしまった。
今日はぐうぜんだけど、たまには早起きするのもぜいたくな時間なのだと思った。
(完）
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