元ボクサーの大学院生が、弁護士・A氏のペニスを切断した傷害事件。捜査関係者によると、加害者の妻はA氏の弁護士事務所で事務員として働いており、その妻とA氏は肉体関係があったという。この点について、トラブルとなり、話し合いの場で、大学院生が激昂し、A氏をボコボコに殴ったうえで、ペニスを切断したとのことだ。
なんとも恐ろしい犯行に及んだこの大学院生の心理について、男女の差異に詳しいノンフィクションライターの杉浦由美子さんが語る。
「男性は社会的な生き物なので、今回の事件は、感情にまかせた衝動的なものではなく、計算していた部分があるのではないでしょうか。局部の切断なら、殺人罪ではなく傷害罪で済む。それでいて、狭い法曹の世界では、“局部を切断された弁護士”という強烈なイメージが一気に広まる。相手へのダメージもはかりしれないうえ、社会的に抹殺できるわけです。理性的な復讐劇なのだと思います」
加害者は法科大学院の学生であり、量刑を計算した上での計画的犯行だった可能性は捨てきれない。
一方で、男性には女性のように嫉妬に狂うことがないのかといえば、もちろんそんなことはない。ベクトルは違うが、むしろ女性以上にその傾向は強い。
例えば、夫に浮気が発覚した場合、半数以上の妻がその事実に耐えて結婚生活を続けるのに対し、妻の浮気が発覚すると、夫の90%は離婚を選ぶという統計がある。犯罪心理学に詳しい新潟青陵大学教授(臨床心理学)の碓井真史氏が語る。
「女性に比べて、男性は“肉体的な汚れ”への怒りが圧倒的に強いんです。動物学的な話になりますが、雄は雌に自分の子供を産んでもらわないと困るので、その雌に他の雄の遺伝子が入ってしまった、もしくは入ろうとしていた、という事実に直面すると、許容することができない。これが、男性特有の“汚れ”(けがれ)という心理の原点です。“おれだけのもの”という執着が男性にはあるんです」
今回事件の引き金となった男女のトラブルの詳細は不明だが、男性の底なしの狂気は、この“汚れ”に直面した際に露見する。
「男性の多くは、肉体への直接的な攻撃に向かいます。陰口や仲間はずれといった精神的な嫌がらせに走る女性との大きな違いです。もちろん、突発的に暴れる女性もいますが、男性の場合、収まらぬ怒りを抱えながら、同時に理性が働いています。
これが怖いところで、今回の性器切断も、どうすれば相手の心身、そして社会的に最大限のダメージを与えられるかを考えた上での行為だということです。過去に激情に駆られて男性器を切断した女性たちと、やっている行為自体は同じでも、その本質はまるで違うものなのです」(前出・碓井教授)
※女性セブン2015年9月3日号
NEWS ポストセブン 8月20日(木)16時6分配信
8月13日、慶應大学法科大学院生で元プロボクサーの小番一騎容疑者(こつがい・いっき・24才)が傷害罪で逮捕された。
小番容疑者は、同日早朝、妻(25才)が事務員を務める東京・港区内の法律事務所で、男性弁護士のA氏(42才)の顔面を何度も殴り、意識が朦朧としたA氏のズボンをおもむろに脱がせると、彼のペニスを持参した枝切りばさみ(全長20cm、刃渡り6cm)で根元から切り落とした。
切り取った陰茎部分を握りしめて部屋を飛び出ると、ビル内の共用トイレに流してしまった。
「小番容疑者と妻は結婚2年目で、生活費を含めて妻が家計を支えていました。近所でも有名な仲睦まじい夫婦だったんですが、その一方で、妻は上司であるこのA氏と男女トラブルを抱えていたようです。A氏も既婚者で、4人の子を持つ父親でもあるんですが、“フェラーリに乗りたいから弁護士になった”なんて豪語しちゃうような、ノリの軽いところもあったようです。
当日は朝から3人で話し合いが行われていたんですが、途中でA氏の言い分に小番容疑者が激昂して、ボコボコにしたみたいで…。その場にいた妻は、夫がおぞましい行為に及ぶ間、呆然と見ているだけで、止めることもしなかったといいます」(全国紙記者)
通報を受けた赤坂署員が駆けつけると、局部が血だらけのA氏が息も絶え絶えで室内に横たわり、近くにいた小番容疑者が関与を認めたため、現行犯逮捕された。
A氏は命に別状はないが、署員たちの懸命な下水道捜索もむなしく、流されたペニスはいまだ見つかっていない。
捜査関係者によれば、A氏と妻は肉体関係があり、それを知った小番容疑者が問い詰めると、妻は“彼に××された”と言い訳をしたのだという。
※女性セブン2015年9月3日号
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