米ニュージャージー州ブラックウッドで開かれた選挙集会で演説するヒラリー・クリントン前国務長官(2016年5月11日撮影)〔 AFPBB News 〕
米民主党大統領候補指名争い終盤戦をよそにバラク・オバマ大統領は、あと6か月の任期をレガシー(遺産)作りに懸命だ。
とにかく大統領として歴史に名を残したくて仕方がないのだろう。
その手段は、ノーベル平和賞に輝いた「核廃絶」宣言の上塗りであり、旧敵対国との和解だ。歴代大統領がやろうとしてできなかったことを6か月の間に成し遂げようというのだ。
こう見ると、キューバ訪問にしてもベトナムや被爆地・広島訪問にしてもその狙いが手に取るように分かってくる。後世の史家は「ベトナムを訪問した最初の現職米大統領」「広島を訪れた最初の現職米大統領」としてオバマ氏の名前を未来永劫記録することだろう。
国内政策では、全米の公立学校区と大学に対し、心と体の性が異なる「トランスジェンダー」の生徒・学生が自身の認識する性のトイレを使用できるよう義務づけるガイドラインを通達。LGBT(性的少数者)の権利を保護するのが狙いだ。
南部中西部の保守的な州では反発が起こっているが、オバマ大統領は意に介さない。
大統領の3選はないのでオバマ氏が再選されることはない。従って選挙民の動向を心配する必要もない。米議会共和党とは完全な絶縁状態にある。
「やりたい放題のレイムダック大統領(任期切れ間近の大統領)」と皮肉る共和党幹部もいるくらいだ。
「オバマ大統領の民主党」の次期大統領候補を決める代議員獲得競争ではヒラリー・クリントン前国務長官が大きくリードしている。
しかし各州ごとの最高得票数争いでは伏兵バーニー・サンダース上院議員(バーモント州)が19勝23敗2分(5月19日現在)で 善戦している 。同上院議員は最後まで撤退しないと明言している。
政治資金問題で火だるまになっている舛添要一東京都知事(2014年4月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔 AFPBB News 〕
政治家が私利私欲なしに、ひたすら国のため、国民のために、働いていると思っている国民は、そう多くはないはずだ。自分の名誉欲を満足させるために、あるいは“立身出世”と勘違いして、あるいは高額な所得や利権を得るために、政治家になっている人が多い、と思っているのではないだろうか。
例えば、体調不良を理由に本会議欠席しながら、旅行に出かけていたことが発覚して、維新の党から除名された上西小百合衆議院議員。また、未公開株の公開問題で金銭トラブルを起こし、自民党から離党した武藤貴也衆議院議員。この2人は今は無所属になっている。
国会というところは、どこの会派にも属さず、無所属だと、ほとんど何もできない仕組みになっている。この2人は、維新の党と自民党の公認候補だったから当選できた議員である。次の総選挙では、無所属では戦いようもない。おそらく立候補もしないつもりだろう。
「議員辞職を」という厳しい声があるのに、なぜ議員を辞めないのか。年間2000万円を超える議員報酬を受け取るためだ。公への奉仕の気持ちなどさらさらない、あるのは、私への奉仕だけである。
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