広いグラウンドとその向こうの森を抜けてくる
眩しいほどの西日
傾いた陽光は木々の葉とともに
世界を赤く染め上げる
安物のプレハブの壁
机に伏せられたハードカバー
本棚に並ぶ背表紙
壁掛け時計の秒針の音だけが響く部屋は
ゆらゆら揺れる朱色の水で満たされた水槽
窓を背に椅子に座る君の
肩口で揃えた黒髪は光に透けて
細い金糸のように輝きを散らす
まるで赤い光に抗うように
黒いブラウスと黒いスカートを纏い
細い首には黒革のチョーカー
左の手首には黒革のバングル
右の手首には黒く無骨なアウトドアウォッチ
白い肌を戒めのように黒で包み
白い肌を犯されるように朱に染めながら
何かを囁くように
君が薄く開く唇は
禍々しいほど艶やかに
赤く
赤く
紅く