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2006.01.25
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やっと免許を取ったばかりで、父親の車を借り、慣れない運転で走っていた時の出来事だった。

その1台が急に林に突っ込んでいったのだ。
ハンドル操作のミスなのかわからないが、大変な事故を目撃したと三波晴之は思った。

正義感が強いというわけではなかったが、困った人をほっとけない性格だったため、すぐに車を停めて、突っ込んだ車の元へ急いだ。
必要ならば、救急車もあるだろうと、携帯電話を確認したが、電波は1本しか立っていなかった。
それでもなんとか繋がるだろうと、いつでも連絡できるように、電話を片手に持っていった。

助手席から慌てて男が一人飛び出し、車の後ろの方、トランクの方へまわっていくのが見えた。
そして、トランクを何度か叩いている。

中の様子を探っているかのように、叩いている。
まるで、中に誰かがいるかのように・・・。

運転席にいた気弱そうな男がなにか言葉を発したように見えた。
視線は自分を捕らえている。
トランクを叩いていた男の動きが止まり、こちらに目をやる。
運転席の男とトランクを叩いていた男。
2人がこっちへ向かってくる。

三波晴之は若干の身の危険を感じたが、どうしても好奇心に勝てず、足を止めることはできなかった。

「どーも、ご心配かけてすみません」
完全な作り笑顔で気弱な男が話しかけてきた。
2人とも、30後半くらいに見える。


三波晴之は車の方に目をやりながら言った。
後部座席にいたもう一人の男がトランクへ向かっていくのが見えた。

「タイヤがね、パンクしたんですよ」
続けて気弱な男が言った。

「大丈夫ですか?助けを呼びましょうか」


2人の顔から血の気が引いていくのが手に取るようにわかった。
トランクに何かある。
三波晴之の疑問がどんどん膨れ上がる。

「いえ、いいですよ。こちらでなんとかしますから」
予想通りに遠慮してきた。

「そうですか?僕手伝いましょうか?」

「大丈夫ですよ、見てください、大人が3人もいるんですよ、なんとかなりますよ」
気弱な男は笑顔を見せた。

「そうですか、わかりました」
三波晴之は車に戻って警察に連絡をしようと思っていた。
ナンバーが確認できるまで近づけかなったのは仕方ないが、明らかに動きがおかしい。
トランクに何かが・・いや・・誰かがいる。

三波晴之はラジオを聴いていなかったので、2時間前の事件を知らなかった。
単純に怪しいという自分の直感だけで判断したことである。

車へ戻ろうとした時、大きな音が3回、向こうの車から聞こえた。
それは、その音は、トランクから・・・?
三波晴之は振り向いて、2人の真っ青な表情に「マズイ」という言葉を読み取った。

つづく。


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最終更新日  2006.01.25 20:25:11
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