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2006.02.16
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七星亮太は鳴り響く電話の音を黙って聞いていた。
もう、うるさい音には感じない。

倉橋刑事の指示で録音状態が確認された。
今回は全員に声が聞こえるよう小さいスピーカーを付けられてる。
倉橋刑事が大路社長にGOの指示を出した。

大路社長はゆっくりと受話器を取った。
「大路だ」

「どうするか決めたのか?」
いきなりの決断を求めてきた。

機械音声ではない。
倉橋刑事と目が合って、頷いた。

「ああ・あんたらの要求を呑もう。」

「・・・・・・そうか。」
犯人は意外だったのか、しばしの沈黙が流れた。

「ワシはどうすればいい?」

「金の用意はいつできる。」

大路社長は倉橋刑事を見た。
倉橋刑事は時間を取れと言っているのだろうか、手を広げるようにジャスチャーをした。
「明日まで待ってくれないか。」

「駄目だ、3時間待つ、いいな。」


時間もそうだが、金を集める動きすらしていないのだ。
集めるとしたら、どういうルートで実際集めるのかわからないが、3時間では間違いなく集らないだろう。

「待て、3時間は、無理だ。」

「なんとかするんだな、さもないと、赤石の命はない。」

犯人の男は、3時間後に、ここから南のある廃墟に金を持ってこいと告げた。

そこが身代金の指定場所だ。

「おい、赤石は無事なんだろうな。」
大路社長の問いかけに男は答えず、代わりに別の言葉を発した。

「本来ならば、社長が一人で来いと言いたいところだが、あんたみたいな男は逃げるかもしれん。」

「馬鹿なっ!ワシがそんなこと・・・・」

「そこで、誰か一人、助手を付けろ。10億は大金だ、運ぶのも大変だろうからな。」
亮太は、犯人の声に変な感触を受けた。
「社長一人でモタモタしている内に、恐らく傍にいるだろう警察が踏み込んできたらたまらんからな」
倉橋刑事が軽く舌打ちした。
「ただし、助手に警察の人間がつくと困る、そこであんたのところの社員に限らせてもらう。こっちには全社員、全タレントの資料がある。現場に来た時に確認させてもらう。」

「待て!貴様一体・・!」

「3時間後だ。」

電話が切れた。

捜査員が慌しく動き始めた。
逆探知は失敗だった。

倉橋刑事は亮太に話しかけた。
「どう思った?七星君」

「はい・・。はっきり言って。変です。」

「うん、同感だ。」
倉橋刑事は笑顔を見せた。

身代金や、受け渡し場所の説明をしている時に、感じた変な感触。
指示をしている、犯人自身がこの方法に疑問を抱いている。
そう感じたのだった。
倉橋刑事も同じ感触を受けたようだった。

「あの・・・」
横から今まで黙っていた、穴吹秋が話しかけてきた。
「さっきの助手って・・俺達の誰か一人でもいいんだろ?」

亮太は秋の顔を見た。
自分自身の目で確かめる気なのか。
確かに、大路社長が赤石のことを聞いた時に、一切触れずに話を進めた。
赤石が言わせていると疑っているのか。

「それなら僕を連れていってくれよ。」
「いや俺だ。俺を助手にしろ。」
三井健二と沖山誠二も立ち上がった。

「き・君達」
倉橋刑事は困った声を出した。

つづく。

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最終更新日  2006.02.16 21:10:20
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