2060 年の日本 ―― 。
ある小学校で、日本の近代史を学ぶ授業が開かれている。子どもたちに向けて、教師が誇らし気な顔でこんな説明をした。
「えー、前回勉強したように、 2021 年の日本は前年から続くコロナ禍よって経済が止められ、多くの国民は大変苦しい思いをしていました。しかし、そんな日本を元気にしたのは … そう、オリンピックですね。その理由はなんでかわかる?」
教師が子どもたちを見渡すと、 1 人の少女が手を挙げて、ハキハキとした口調でよどみなく答えた。
「はい!日本のアスリートたちによるメダルラッシュで、過去最多の金メダルを獲得するなど、スポーツの力によって国民を勇気づけたからです。また、大会前には感染拡大の恐れがあると言われていましたが、菅義偉総理がリーダーシップを発揮して『安心安全な五輪』を見事成功させるというレガシーをつくって、日本のすごさを世界中に見せつけたからです」
教師は満足そうにうなずくと、
「そう、ここは日本人なら知っておかないといけない常識だからな。テストにも出るからしっかり覚えておくように」とつけ加えた。
「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由 | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、全国の小中学校・高等学校向けに作成した「オリンピック教育」のための教材がある。その中で、小学校低学年向けの教師用指導案「 東京 1964
大会のレガシー
」という
資料
を見てみよう。
Tokyo1964_elementary-lower.pdf (tokyo2020.org)
筑波大学
というのがミソですね。
東大や京大でなくてよかった?
それにしても、やっぱり御用大学みたいですね。
「東京 1964
大会は日本の社会を元気にしたことを理解する」
「東京 2020
大会も日本の社会を変えていくことを考えさせる」
世界では子どもたちに何かを教える時には、多面的に物事を考えていく力を育むことを意識するのが一般的だ。
だから、はじめに結論ありきではなく、各自が自分の頭で考えるように導き、ディスカッションなども活発だ。
しかし、この教育はそうではない。
「五輪は日本を元気にするものであって、これからの日本には絶対に必要なものだ」という結論へと子どもたちを導いていく。たかがスポーツ大会が、国家に必要不可欠なものだと、幼い頭にたたき込ませるのだ。
これは「教育」ではなく「 洗脳 」である。
と、記事は手厳しい?いや当然の指摘を行っています。
当時高校生だったスガも「洗脳」されたくちでしょうか。
だからと言って、子どもたちを「洗脳」するのはやめてほしいです。
コロナの感染リスクがあっても、子どもたちを競技場に動員したがるわけですね。
でも、「 運動会は中止なのに、オリンピックは強行
」という、子どもたちの素朴な疑問にどう答えるのでしょう。
続きます。
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