昨日に続き、再度「いじめ」について。
筑前町立中学校で起きた「いじめによる自殺事件」の学校側の釈明から
浮かび上がる今の学校の姿、村社会の姿。
この事件は、この学校の学年主任で48歳の教師の言動が誘因となり、いじめやからかいが学校全体の日常茶飯事になっていたことが推察できる。
この教師は、他の生徒に対しても、イチゴの品種に例えて、高価な「あまおう」「とよのか」「お前は出荷できないイチゴ」などと、生徒をランクづけしたり、女子生徒には「君は太っているから豚」などと言っていたという。
さらに、消しゴムを拾った生徒には「偽善者」と言い、自殺した男子生徒が拾うと「偽善者にもなれない偽善者」と言っていたともいう。
(子どもに容赦なくダメージを与え、徹底的にからかいの対称にする、低俗なテレビのお笑い番組ソックリ)
今の子供たちは、このようなふざけにノリがよく、ターゲットにしやすい子を選んで、集団で徹底的にからかったりすることが得意だ。
3歳前後の幼児のごとく、自分が世界の中心におり、他人の人格を痛めつけているなどという認識はしていない。それでいて、自分は、ほんの些細な言動にも傷つき壊れる。極めてもろい。
このような子供像が平均的な学校という場所で、この教師の言動は、あまりにも稚拙であり、お粗末としか言いようがない。テレビの低俗な番組さながらのショーを繰り返していたのではないか。
このような人間の人格を、根底のところで卑しめるような言動が、繰り返し行われていた学校。
その言動に対して、他のどの教師からも厳しい批判や、それについて日常的な討論も行わない学校。
これが今の学校の姿だ。平均的な日本の学校の姿だ。
しかも、学校側は16日の全校集会で、「私たち教師が手をぬいたり、乱暴な言葉や甘えがありました。ほんとうに申し訳ありませんでした」と生徒に謝っている。
一応、生徒の自殺の原因を教師側の不備として謝った。
更に、校長は生徒たちに、「これからは『先生そんなこと言ったら傷つくよ』と話し、みんなで優しい人間になっていこう」とお説教した。更に、更に、生徒たちに「君たちがプレシャーを与える事があった。そのことに対して『ごめんなさい』と謝る気持が大切です」と訓示を垂れた。
なんと、ひどい校長だろう。
この認識では、学校は何も変らない。
子供たちの心を「荒れ」させ、子供たちの集団を、からかいやいじめの巣窟にしたのは、学校側そのものだ。教師たちの集団全体が、その学校を作っているのだ。
「教師が手をぬいたり、甘えがあった」などというものではない。
もっと根源的な教育活動そのもののあり方に問題があって、今日の問題が発生しているという認識に立たない限り、この学校は何も変わらない。
教師集団が、現実の子供たちの姿を深く分析し、そこからどのような学力をどういうやり方で身に付けさせるかを、日常的に研究し、自由な討論を通して、活発に教育実践が行われている学校だったら、このいじめを誘発しているような教師の発言や授業が、許される訳がない
中学生たちの多くが言っている。
「学校の授業はわからない。何を言っているか分からない」と。
塾のわずかな時間数(1週3時間)の数学や英語のほうが理解できるというのは変だ。
狂っている。
このような現状は、全国何処でもみられる中学生の姿だ。
この事件が発覚しなければ、依然として、子供たちは、人としての尊厳や知性やおだやかさとは、無縁な思春期を通過して、学校を卒業して行くであろう。
この事件が発覚しなければ、「この学校はいじめのない、良い学校」として、のうのうと存在し続けるであろう。
いくら『いじめが在る』と親や生徒が申し出ても、この教師集団は「そのようなものは、何もない」と言い捨て、自己の保身を優先するであろう。
いじめを見抜く能力もないのだ。
さらに、この学校の会谷校長は、生徒たちに、「マスコミやインターネットで出ている学校と、(自分たちの学校が)違うと知っているのは、君たちと私たち。振り回されてはいけません」と発言したという。
きっと、この人口3万足らずの小さな田舎町の住人の多くが、「遺書など残して自殺して、村に恥をかかせた。」と陰でこそこそ悪口を言い募っていないかと、私は危惧している。
マスコミに向かって発言している自殺した少年の家族が、村八分にされ、いじめられ、孤立しないことを祈るばかりである。
この事件は、筑前町に起きた事件ではあるが、日本の村や町に起きている日常なのである。
日本の村とは、このように身内だけに閉じられた世界であり、そこで起きた真実を外部に漏もらさまいと団結している。そして、陰湿な陰口をたたきあっている。事が大事に至ると、村人全員が、事を荒立てないように口車をあわせ、何事もなかったようにするのが、長いムラの歴史のなかで、身についてしまっている。
これが、日本の戦後の政治を支ええてきた一番の勢力である。
しかし、この勢力も自壊しつつある。
これが『美しい国』なのである。
大人社会が、最も「いじめ」をやっている「国」なのである。
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