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カテゴリ: 1000憶系
再開だそうです





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最終更新日  2009年07月10日 08時51分20秒
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虹を抱いた青空のように8ー1  
(匿名)希望 さん


「え?」
「・・・・孝史に聞いた。役に立っているってお礼をいわれた。母さん、恥をかいちまったよ。ずっとアシスタントしてたってきいてさ、びっくりしたよ。」
「・・・・ごめん。その、母さん孝史のこと良く言ってなかったから・・・言いにくくて。」
俯く娘の前にモリィは出来立てのキッシュをおいた。

「まあねえ、でもさ、言って欲しかったねえ、なんか淋しいよ。お前は楽しそうにバイトをしていたし・・・お前が楽しそうなのに母さんが反対したりするわけないよ。私って信じてもらえてなかったんだねえ。正直母さん・・傷ついた。」
モリィは丸い背中を更に丸めてうなだれた。
「そんな。かあさん・・・。」
セイラは慌ててモリィにかけよった。
「ちがうって・・・そんなんじゃないよ。言わなかったのは悪かったけど・・・そ・・そう、研究のことはあまり外では話さないって約束だったから・・・。」

モリィは娘の手を包み込みゆっくりと振り返った。
「・・・わかった。おまえも大人になっていけばそれなりに私に話しの出来ないこともあるんだろうね。でも、孝史と仕事をしていることはトップシークレットだったのかい?」
「・・・てか、とりあえず・・・まあ。でもないよね・・・変だよね。」
娘の困ったような顔をみつめモリィはため息をついた。
「まあ、いいよ。そういえば孝史にきいたよ。コンピューターの扱いやら、難しい本の整理とか、いろいろ勉強させてもらっているってね・・なかなか筋が良いとかいってたよ。」

(2009年07月10日 15時12分37秒)

虹を抱いた青空のように 8-2  
(匿名)希望 さん
「そ、そう。本当に勉強になっているんだって。その証拠に学校の成績もあがったでしょ。物事を論理的に考えることって洋子や孝史にがんがん仕込まれたから。」
セイラは得意げに笑顔を浮べた。
ころころと変わる娘の表情にモリィはとまどいつつも頷いた。
「ああ、“ろんりてき”かい???なんだか考え方とか・・・かねえ。よく分からないけど。それと外国語の成績も上がったね、あれも“ロンリテキ”ってのかい?」
「あ。あれはね・・・フランス語の試験があるって・・・孝史にいったら、一ヶ月全部フランス語で話しかけられた。」
「え?」
「聞き取れないと孝史から無視されるから・・じゃなかった・・・バイトをクビになるから、必死になったの。」
「なるほどねえ。じゃあ、おまえにとってこのバイトは良い事ずくめだ。そりゃあ、孝史に感謝しても当たり前だし、そうなると孝史の悪口ばっかりいってた母さんに言いにくかったんだろうね。いいよ、お坐り。母さんに黙っていたことはもういいよ。」

モリィはセイラを坐らせ紅茶をカップに注ぎ坐った。
そしてゆっくりとまあるいキッシュにナイフを差し込む。
白い湯気がかすかに漂う。
サーモンとほうれん草の色合いが食欲をそそる。
「さめないうちにお上がり。」

(2009年07月10日 15時13分06秒)

虹を抱いた青空のように 8ー3  
(匿名)希望 さん
セイラが母の様子を窺い安心したようにキッシュに手を伸ばすと、嬉しそうに言った。
「はい。う~ん。美味しそう!・・・・そう、ママ!私ね、今じゃ、フランス語の料理の本が原書で読めるのよ。すごいでしょう。」

するとモリィは不意に顔をあげた。
「セイラ、孝史はね、思ったより良い子だって母さんは思っている。頑固で偏屈だけど、礼儀正しいし、優しいところもある。でも、いいかいセイラ、あの子は9月には日本に帰ってしまうんだからね。勘違いしちゃいけないよ。それとね・・・なんというかこういう言い方は良くないかもしれないけど、あの子はたぶん私たちと住む世界が違う、そんな感じがするんだ。」

セイラは母の視線を受け止めると黙ってカップを下ろした。
「せかい?」
「そう、世界・・・。洋子や早乙女先生が私たちと分け隔てなく扱ってくれるのは分かる。そう、もちろん身分とかねそう言う問題ではないんだ。お金のあるなしでもない。たださ、あの孝史は洋子と同じ匂いがするんだよ。お前みたいな平凡な子は・・・難しい気がするんだ。」
「ママ・・・わたしそんな・・・。」
セイラは笑顔で答えた
が・・・・言葉と思考を裏切って心がはじけた。

涙が頬をつたった。
そしてそれは紅色の紅茶のカップに輪をつくった。

「わたし・・・別に、なんにも考えてないよ。」
そう繰り返す娘を
モリィはため息をつきながらみつめていた。


****

(2009年07月10日 15時13分32秒)

虹を抱いた青空のように 9-1  
(匿名)希望 さん
****

「あ~~~美味しかった。俺、寝るから・・ゆうべ徹夜でさ・・・一時間したら起こしてくれる?」
そういうと孝史は倒れるように横になり即効で眠りの深淵におちこんでいった。

セイラは困ったように青年を見下ろすと、ランチボックスを片づけだした。

そしてふと籐籠のとってに蝶がとまっているのを見つけた。
「きれい・・・。」
そっと足元のカメラに手を伸ばす。
静かにシャッタをおした。
「なんという名前の蝶かしら・・・。」
孝史を起こして聞いてみようとして手を伸ばし・・・そして引っ込めた。

無防備な寝顔。
伏せた瞼に思わず見とれた。
『おじさんじゃん。』
心の中で呟いた。
『変人だし。』
カメラを持ったままぺたんと座り込んだ。
『ずけずけ失礼なこというし・・・。』
ゆっくりをカメラを上げる。
ファインダーに彼の顔が浮かび上がる。
『うちの弟たちより子供っぽいし・・・トンボをおかっけて沼にはまるし。』
ゆっくりシャッターを押す。
『でも、時々ものすごく優しいんだもん。』
もう一度シャッターを押す。
『時々、ものすごく・・・素敵なんだもん。』

(2009年07月10日 15時14分16秒)

虹を抱いた青空のように 9-2  
(匿名)希望 さん
何故か視界が曇った。
『私のことなんか子供だとおもっているし・・・。』
カメラを膝の上に置く。
『もうすぐ日本に帰っちゃうし・・・。』
空を見上げた。
天空高くとぶ鳥はなんだろう。
気持ちよさそうに風にのっている。
セイラはためいきをついた。
そして静かに横たわった。
目の前に孝史の横顔。
草原を渡る風が静かに草の波をつくる。
午後の日差しは柔らかく心地よい。

気がつくと
髪の上にバッタがのっていた。
思わず笑った。
『この人は、一所懸命になると、きっと頭にバッタがのっても、背中にコアラがくっついていても気がつかないで仕事をするんだろうなあ。』
不器用な年上の青年。
間違いなく自分は彼のことが好き。
一時間は起こさずにあのバッタがどうするか見ていようとおもった。

『もうすぐ日本にかえっちゃう。』
でも今は彼はここにいる・・・セイラは孝史の横顔を眺めていようと思った。


本日はこれで終了します (2009年07月10日 15時15分08秒)

切ないね・・・・  
青空 さん
モーリィの指摘はあたっているかも・・・
ママは何でもお見通しと言うところですね
セイラが可愛くて、せつないですね
普通の子じゃダメ・・・そうですね (2009年07月11日 09時39分38秒)

せつないね・・・2  
riri さん
セイラの恋心、やっぱりモリィママにはお見通しですね。
こういう背伸びした恋、何だかなつかしいです。

孝史の寝顔なら・・・一日中でも見ていたいですね・・・ (2009年07月11日 14時23分19秒)

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