― 虚 室 生 白 ―

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September 19, 2011
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一寸の狂いなく、全く同じ条件で、

確実に、死に向かって生きている。



でも、それを意識することは

おそらくあまりないだろう。

何か特別なきっかけがない限りは。



生まれる喜び、

死ぬ、哀しみ。

この、当然ともいえる生きるものの掟を、



無 性 に。



*



今朝方、母からの一本の電話。

声が、震えている。

何やら様子がおかしい。

「おばあちゃんが亡くなったの・・」

遠くに住む、祖母の訃報である。



孤独死だった。



祖父は数年前に他界したため、ひとり暮らしで。

血のつながりのない身内が時折のぞいてくれる約束になっていたのだが、

死亡推定時刻は、既に数日前。

だからって、他人のせいにするわけではないのだが、、





飛行機でいかなければならない、遠いところ。

もしもいま、幼いわが子がいなければ、

飛んでいったに違いない。



最後に、おばあちゃんの顔を見て、

お別れしたかった。



だって、

わたしがここに生きているのも、

母を生んでくれた祖母のおかげだから。



*



祖母と過ごした過去の記憶が、

頭の中をぐるぐる回り始める。

止まらぬ涙をぬぐい、

ひたすら手を合わせる。



わたしが娘を想うのと同じように、

祖母は母を想い、育てたはず。

おっぱいをあげて、おしめを換えて、

わが子の笑顔にほほえみ、成長を願った。



母も同じように、わたしを育て、

わたしも同じように、娘に愛を注いでいる。

やがて娘も大きくなって、わたしがしたように、

こどもにしてあげるのだろう。

そのときわたしは当然のことながら、おばあちゃんになる。



みな、順繰り順繰りだ。

だからこそ、忘れてはいけないんだ、

つながるものへの、感謝の想いを。



人の生死について考えると、

何のために生きるのか、なんてこと、

論 外 。



生きてる今が、どれだけすごいのか。

普通に家族がいることが、どれだけありがたいことか。

ひとり苦しんで逝ってしまった祖母のことを

ひたすら想う。



*



あらためて、

生活という日常を、

一生というひとつの括りで考えてみる。



そこには、

シゴトも名誉も世間体も、いらない。

欲しいのは、

家族をどれだけ大事にしているかっていう、

自分の魂そのものだ。







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Last updated  September 21, 2011 10:05:47 AM
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