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2004.11.14
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今日の掲示板書き込みに、「のりこ」さんという方から書き込みをいただいた。

["かの子先生 " のりこさん
2004年1月14日の日記はどうしたら読めますか?
星野かの子先生についてお書きになった部分を
読みたいのですが。私も随分お世話になったものです。
お亡くなりになった時にお書きになった日記でしょうか。 (2004.11.15 20:31) ]

この名前に私は、心当たりがないのだが、その日の日記を再録したい。
9月に、削除されたのだが、一部はバックアップがあり、内容をそのままの再掲示である。

私の思い出のピアノの先生について‥


早速、イイチャンこと、東京の私の母に電話をかける。
「あのね、かの子ちゃんが今朝亡くなったのよ。」
一瞬、絶句、そしてどうして?と思わずにいられなかった。

母が「かの子ちゃん」といった人は、私が4歳のころピアノを教えてもらった、母の学校の2歳下の後輩で、その後も教えを受けた、ピアノの先生である。
かの子先生と私は呼んでいた。
当時、武蔵野音大の声楽科を出たばかりで、柿の木坂幼稚園の音楽の先生をしていた。
まだ、学校出たてで、ピアノの初めてのお弟子が私だったのだ。
その後、私の幼馴染みだった友達が何人かピアノに通うようになって、お弟子もだんだん増えて行った。

最初こそ、私が以前にサラっていた曲を彼ら彼女らがさらっているのをいささかの優越感で見ていたが、いつの間にか、彼女達がやっていた曲を後から私がやっていることに気がつき、腕前はとうに追い抜かれていることを知った。
先生は、あなたは、最初の教え子で、わたしの教え方がまだよく分からない時だったので、悪かったわ、と後から言われたことがある。そうだったかも知れないが、熱心に1時間はいつもレッスンを見ていただいていた。

私は、熱心なキリスト教の信者だった先生から、キリスト物語の絵本を見せてもらえることや、おさらいがよく出来た時にいただく、「もとめよさらば、与えられん」などと書かれた小さなカードをもらうのが楽しみで通っていたような気がする。


先生のうちのピアノのある部屋は、天井の高い、大きくて広い先生のお父さんのアトリエだった。父君は、肖像画や風景画でその筋の名の通った洋画家であった。
レッスン室の一隅にはいつも、描きかけの絵や、キャンバス、イーゼル、何色もの乾いていない絵の具の付いたパレット、絞りかけの絵の具のチューブなどが置いてあり、油絵の具の独特の匂いが部屋に満ちていた。
壁に100号ほどのオレンジ色の服の少女の絵がかけてあって、それは、先生の6,7歳のころを描いたものだった。その少女の絵は、多分そのまま、まだ壁に飾ってあるはずだ。

最初、アップライトだった先生のピアノがある日からグランドピアノに変わり、うれしそうにしている先生から新しいピアノに触らせてもらったことを思い出す。
グランドピアノは、左の足ペダルを踏むと、鍵盤が動き驚いたものだ。


私は、通算すると15年以上は、ピアノを習ったが譜面を読むことが苦手のままだった。
かの子先生は「ト音記号」を「G(ゲー)記号」と呼び、「ヘ音記号」を「F(エフ)記号」と呼んだので、学校で習う音楽の時に惑ったものだ。
それから、バイエルやチェルニーの楽譜は、音楽の友社はいいとして、全音楽譜はなぜか認めてくれなかった。
ブルグミューラー、ソナチネやバッハ、ベートーベンの楽譜は、SCHOTTやPETERSの洋書版を買ってきて、先生によると、ページにまたがる譜面の小節の区切りが、めくりやすいのはドイツの楽譜のほうなのよと言っていた。
子供に対しても、本物に触れることの価値を頑固に教えようとしていたのだと今は思う。

先生は、絵を描くのも上手かったし、粘土で作られた人形の置物も上手に作っていらした。
ある日、ピアノの上に、首をかしげ耳に手をあて腰掛ける子供の粘土細工の人形が置いてあり、僕らの弾くピアノを一生懸命聴いてくれているように感じた。
先生は、粘土のあまりでチョット作ってみたのよ、とニッコリした。
ピアノの部屋においてある置物や小物、活けてある花など、簡素だが、上品な趣味のものばかりで、さりげないセンスでみの周りを素敵な環境にしていた。こんな部屋でピアノを教えていただいたのだ。
子どもにとって、たまたまピアノを通じて、感じていった絵画や、本、装飾などでかもし出された雰囲気は、独特の芸術の香りに満ちていた気がする。

私は、小学生の時はピアノを家でおさらいすることがイヤでイヤで、いつも夜中遅くまで、母に手をたたかれながら練習させられたものだ。見かねた父に母が怒られたこともあった。
そんなピアノであったので、高校受験で1度中断、その後高校時代、中村八大の「夢であいましょう」を自己流でコピーしたのが始まりで、ビートルズなどを譜面なしでなるべく忠実に弾く!?ことが楽しくなり、コード進行も自然に身につけていた。
耳だけは肥えて、ラジオやレコードから「音」を探ってコピーするのがいつの間にか出来ていたのだ。
大学生になってまた習いたいのでお願いしますと言い、やめては再開、やめては再開を何度か先生は許してくれた。

譜面を読むのがどうも苦手で、♯や♭がたくさん付いたシューベルトなどの譜面は怖気付いた。
ではと、ジョン・フィールドのノクターン、スカルラッティのソナタ、グリーグの叙情小曲集、ドビッシーのアラベスクなどを選んでくれ、ハノンの代わりはクラマービューローだったかな?
当時、出たばかりのフリッツ・エマンツの「ピアノ演奏第一歩」を、左手を大事にしていて面白いと奨めてくれたりした。
譜面はやさしいけれど、音楽的には高度のものをと言って、音大受験生とは違うメニューを用意してくださった。
中でも楽しかったのは、連弾の曲だった。フォーレのドリーなど、先生が伴奏部分を弾いてくれ、あわせた時の弾んだ気分は格別だった。連弾で先生と指がぶつかるのもチョットうれしかった。懐かしい‥。

先生のお宅を最後に訪ねたのは、昨年の2月、ちょうど会社を辞めることが決まって、最後の東京出張の際に、時間をぬって、お花を抱えて訪問した。
先生は、手づくりのドーナッツを作って待っていた。
グラニュー糖をまぶしたゴルフボールをやや小さくしたまん丸のドーナッツをお盆に持って、紅茶でもてなしてくれた。
プロテスタントからカトリックに改宗した先生は、聖歌の研究を教会の依頼でしていると言って、ぎっしりと細かな字で埋まった書きかけのノートを見せてくれた。

生涯独身で、若々しく顔色もきれいでとても74歳には見えなかった。
若いころの肺の手術の際の輸血で、何年もC型肝炎をかかえていらしたのだが。

1月14日未明、先生は入院先でたった1人で天に召されたのだった。」

のりこさん、良かったらお返事をください。
きしくも、11月14日の日付けで再録だった。

それからもう一つ、今、読み返して思い出したことがある。
かの子先生がまだ柿の木坂幼稚園に在籍していらしたとき、今日のニュースでまさにご婚約発表の、紀ノ宮さまが柿の木坂幼稚園に入園されてこられたのだ。
確か1年ほどで、学習院の幼稚園に移られたが、宮様のご様子を楽しそうに、はにかみながら話されていた。
そんなことを思い出し、このタイミング、なんだが不思議である。

「のりこ」さんの「のり」も一緒!
まさか?!?
(11月15日)





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最終更新日  2004.11.16 08:55:42
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