10koの徒然日記

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2010年05月10日
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カテゴリ: 小説
 夜、バイトを終えたゆふみは駅で史朗達と合流した。「わ、なんか人数多いね。」

 ちょっとびっくりしているゆふみに、山里が「加羅見さんが可愛いからって人増えちゃった」

 「え、え・・・」なんだか照れて頬が赤くなる。「かわいー、からかいがいがあるよなー」

 「もう、ひどいな」からかったのかと思う中、ひそかに眼は無意識に史朗を探す。仲間達の

 間に埋もれるようにいて誰かと話していた。

 「史朗さん」自分から声をかけてかけていく。「おっ、きたな」史朗は笑顔で彼女に接した。

 あ。史朗の側の男がなんだか怖くて、自然に史朗の陰に隠れた。

 「どした?」「あ、うん。」



 と笑って見せる。ゆふみの中の怖さが氷解する。史朗の袖を握って「初めまして。加羅見

 (からみ)ゆふみです。」と挨拶した。

 「じゃ、史朗。また明日」「あれ、おまえさん、ボーリングやらないの?」「ん。今日は止

 めとく」

 後ろ手に手を振って一矢は、帰って行った。史朗は自分を見上げているゆふみに気がついた。

 「ん?」「やっと、あえた」にっこりと笑ってみせるゆふみについ、抱きしめたくなる衝動

 を抑える。

 「史朗さーん、海江さんは?」「帰った」「あっらー、そうなんだ。そろそろ行きません

 か?」「そだね」

 みんなはそれぞれのバイクに乗る。ゆふみは史朗のバイクの後ろだ。彼女は思い切り抱きつ

 いた。(あったかい・・・・)しあわせな気持だった。



 たので、ハンデをもらって点数を稼いだ。

 帰りはそれぞれで、別れて帰った。ゆふみは史朗の住まいに近いとのことでそのまま後ろへ

 のせてもらっていた。帰りもしっかり抱きついて、暖かさを感じていた。

 それはとても幸せで、このままずっとこうしていたいと思えた。でも、終わりは来る。

 「ついたぞ」



 「行っちゃうんだ」「今日はね。レンタル返さないといけないし」

 「メール、ほしいな」ようやく振り絞った言葉も「そのうちね」。

 「史朗さん、好きだよ」 バイクの手袋をしたままの手が伸びて頭をなでられた。

 これはこれで・・・・きもちいいんだよね。とろりとしたところで、なでるのが≪ポンポン

 ≫と軽く叩かれるのに変わった。ふっと顔をあげると、「じゃ、行くね」手をあげてバイク

 はいってしまう。ゆふみはその後ろ姿を見えなくなるまで見つめていた。

 それから、アパートに向かってぷらぷらと歩いた。

 階段を上ると、翅隼が扉を開けて待っていた。「ただいま」「おかえり」

 ゆふみが中へ入ると、ドアを閉めて鍵をかけた。

 「ゆ姉さん、今の人、誰?」ゆふみ・じゃなくて、ゆ姉さんの時は何か危険な兆候だ。

 「暗いから送ってもらったの」もうそれ以上ゆふみも言うつもりはない。

 かたくなな表情になったゆふみに翅隼はそれ以上なにも言わなかった。

 その表情のとき、何を言ってもゆふみには届かないことを彼は知っていたからだ。

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最終更新日  2014年01月26日 11時12分57秒
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