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万年筆の筆記角度
万年筆は構造上垂直ではなく寝かせて書くものだということはそのとおりです。
マニアを自称する方の間では,寝かせるのが「正しい」とか,30度なんていう人もいます。
自分の例を考えると,モンブラン149の中字で行幅10mm程度で縦書きしていたころは,胴軸ねじ山の約5mm後方を持っていました。これで概ね筆記面に対して45度です。
大きな字を書くときは寝かせて書いても問題ありませんし,むしろ書きやすいのです。
けれども,極細万年筆で測量野帳の罫に文字を書くとき,こんな持ち方ですとかなり書きにくく感じます。そういう場合はもっとペン先に近いところを持って,60度あるいはもっと立てて書きます。
ペン先をコントロールするのに必要な, 指先からペンポイントまでの適正距離というものがあるような気がします。適正距離がどれくらいかによって,寝かせる 適正角度も変わります。ペン先から指が遠くなるほどペンは寝かせ気味になり,ペンポイントの制御が粗くなります。
それから,書きやすい角度は, ペンポイントの研ぎ方にも影響されます。万年筆ごとに,一番滑らかに,一番目的の字幅で書ける角度がある程度決まっています。角度次第で字幅が変わる傾向もあります。
そんなわけで,垂直に立てるのはまずいにしても,あまり「寝かせる」と言うことにこだわらないで,書く文字の大きさや字幅ごとに,自分にとって一番書きやすい持ち方を探した方がいいでしょう。そのときの筆記角度が,目的の字を書くときの適正角度になるわけです。。
そんなわけで,万年筆はできるだけ寝かせて書くのが通の書き方なんていう妄言は信用しない方がよいです。