チャッカン サラム チップ

チャッカン サラム チップ

Dolls(日本)



けど最初に言っておくと、この映画は、好き嫌いがはっきり分かれる。
というより、理解できるかどうか、感じられるかどうかにかかっている。
ただ、「おもしろくなかった」という方たちが「鈍い」と言っているわけではなく、
その人の心の琴線にこの映画のキーが合っているかどうかと言うことだ。

ストーリーは単純で、せりふも陳腐。
表面的に追っていったら、途中で席を立ちたいくらいのつまらなさだ。

けれど「嘘」を楽しめるくらいの余裕が観客の方にも必要だろう。
音楽も衣装も日本の四季を撮す映像も美しいが、ある意味「嘘」っぽい。
結局、監督はこのタイトルや冒頭の文楽シーンからもわかるように、
「お人形劇」または「童話」に仕立てたかったんだと思う。
また「嘘」という意味で、
この映画は、小劇場で芝居を見ているかような気分にもさせてくれる。

Dollsは3つのストーリーで構成され、
互いののストーリーは一見何の関連性もないように思われるが、
一つの大きなテーマへと観客を導いていく。

北野武監督曰く「テーマはズバリ愛」なんだそうだが、
私としては「先にイッてしまうもの」と「後に残されるもの」
-どちらが、果たして「幸せ」であり、「不幸せ」なのか?-
こんな大きな質問を投げかけられたようだった。

菅野と西島は互いをつなぐ「赤い糸」によって、引かれあい、
時には縛りあい、相手を感じつづけている。
その片方が居なくなった時、「残されたもの」は何を思うのか?
衝撃のラストシーンで宙づりになった2人は
とても「幸せ」だったのではないか?
現実には絶対に成立しないが、理想の「愛」の形ではないか?
こんな風に思ったのは私だけではないはずだ。

静かな映画で、せりふも少なめ、
私はせりふがなくても成立する映画ではないかと思う。
小説の行間を読むように映像のウラにあるものを読みたい、
そんな映画である。

余談:意外や意外フカキョンの演技がよかった。
   うまくなってる。彼女も勉強してるのね。

勝手評価:☆☆☆☆☆



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