MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

Sep 4, 2004
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カテゴリ: 映画鑑賞記録
監督・・・北野武

出演・・・ビートたけし、関口雄介、岸本加世子、吉行和子、細川ふみえ、グレート義太夫、井手らっきょ、他。

・物語序盤・
正男は祖母と二人暮しの小学三年生のおとなしい少年。
祖母によると、父は他界し、母は遠くで働いているという。
偶然戸棚から母親の写真と住所の書かれた紙を見付けた正男は、記憶すらない母親を探す旅に出ようと決意する。
それを見掛けた顔見知りの小母さんは、暇な夫・菊次郎を彼の付き添いとして同行させる。
しかし全くやる気の無い菊次郎は、妻から貰った旅費を、競輪で摩ってしまう体たらく。




ヒューマン・ドラマ系という事だったので、不覚にも笑いあり涙ありの物語を想像してしまいました。
私もまだまだ青いですね。
これは紛れも無く北野作品でした。
長回しのカメラに、極力まで削られた言葉。
そしてシュールなギャグ。
子供が主人公という事で、今回はバイオレンスは無しです。
ヤクザ崩れの菊次郎も、刺青背負って態度だけはでかいが、全然強くありません。
一応、前半は母親を訪ねてゆくロード・ムービー形式ですが、後半は場所の移動は無くなります。

時間の流れは、現実世界と同じ位のなだらかさで、ドキュメンタリーを観ているようです。
後半は延々と正男と大人達が戯れるシーンが続き、たまに早送りしたくなる衝動に駆られたのですが、はたと気付きました。
これは傷付いた子供の心が癒されるまでに必要な時間そのものなのだなと。

デブのおじさんやハゲのおじさんといった、特定されない大人です。
これは子供を不器用でも温かく見守る、優しい大人達の存在を映し出した映画でした。
現実社会は冷たく、傷付けられ打ちひしがれた心は、更に踏み躙られる事の方が多いけれど、こんな風に温かく気長に付き合ってくれる大人が居れば、子供は必ず笑顔を取り戻すものなのだと、北野監督は訴えたかったのかもしれませんね。
そしてそれを担うのは、何も両親に限られている訳ではないと。
言葉で語るのは照れ臭いから、というような気持ちが伝わってくる気がしました。

一緒に過ごすだけで、名前なんて無くても良かったんですよね。
と同時に、どうでも良かった「個」としての相手に興味を抱いた少年は、確実に一歩成長したのでしょう。

ヒューマン系ですが、癒してもらおうとか、そんな期待を持って観るのはNGです。
時間の流れに身を委ねて、何も考えずにぼぉーっと眺めましょう。

ところでテーマ曲は、以前某CMで流れていたので耳慣れた曲だったのですが、「菊次郎の夏」のテーマだったのですね。
優しくて良い曲です。






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最終更新日  Sep 4, 2004 12:20:22 AM
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