贅沢な昼寝

贅沢な昼寝

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Jan 2, 2005
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カテゴリ: 災害関連
postman



星と月が空にぶら下がっているような夜。
冷え切った事務所で届いた年賀状に目を通した。

ある年賀状で愕然とする。

それは映画祭の仕事を一緒にしていた仲間からのもので、デザイン事務所をやっている彼ららしく、毎年ひねりの効いた合成写真の上に夫婦二人を思い思いの格好で配置したものを作って送ってくる。
今年は砂利の混じった更地に、子どもが人形遊びで使う原色のおもちゃの家が置かれている。庭付き3階建ての黄色い煙突のある家だ。そのプラスチックの家の2階にある、小さな赤いソファにそれぞれが腰掛けている合成写真だった。
おもちゃの家の中にいる二人は、とても小さくて表情が見えない。

例年ならば二人の笑顔がはっきりとわかるのに、今年はどうしたのだろうと少しシュールな写真を見て考えた。

葉書上部の小さな文字に気がついた。



そして葉書下部には、ことさら大きなポイントの文字で

「さあ、ここから始めよう」

+

彼女の実家が小千谷であることは以前聞いたことがあったと思うが、これを見るまですっかり忘れていた。
地震の後に彼らとメールのやり取りがあったと思うのだが、被害については何も言わなかった。こちらも聞かなかった。

この冬、実家に帰ってみて住める家があることの有り難さを実感した。行政から家屋損壊の調査もきていて、程度によって見舞金も配分されるという。そのことがまた、新たな住民間のトラブルを引き起こしていることも耳にした。仮設住宅の不便さも聞く。

そういった現在のこと、これからのことに思いを馳せる事を一時中断させるものをこの年賀状から私は感じた。少なからぬショックと共に。

生まれ育った家が壊れてしまったこと、その事実の重さは計り知れない。
柱につけたキズや夜中に見た天井の染み、かくれんぼで入った押入れ、廊下のきしむ音。
家族の日々を見つめ守ってきた家であっただろう。思い出と一言で括りきれないものがあるはずだ。単なるシェルターではない家というもの。
その喪失感たるや、私の想像では及ばない。



この合成写真の乾いた明るさはなんだろう。
アンバランスとも思える文字のポイント。
手書きで「お元気ですか?」と元気な文字で書いてある。

前に進む為に、相当に無理をして頭を上げているのではないか。
けれども、多分彼らにはそれが唯一の方法で、その覚悟がとても重い。






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Last updated  Jan 5, 2005 04:46:21 PM
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