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脳波に刻まれた旋律が
私を再び震わせた
失いそうな現実を取り戻す為に
自分の中のそれを呼び戻そうと
何気なく覗いてみただけなんだけど
あなたみたいな複雑でヒリヒリとした鋭さを持った人がやっぱり好きだ
一緒に歌うこともおこがましいと
ただひたすらほれぼれしていた
黒斑眼鏡にかかるうざったい髪と猫背 細い顎と喉仏のラインが黄金比だと
鍛えていない細い身体 カジュアルな服装
言葉の一言も聞き逃さない様に
意味の裏を探る様に
息を潜めてみていた
今でもそれは間違いなかった
あなたは本物
サビで乱れる顔も 高音で外れる声も全て完璧だった
あなたみたいになりたくていつもいつも足跡をなぞっていた
あなたと恋愛してみたかった
特別な存在になりたかったけれど、
けちょんけちょんにされてもいいとも思った
私が今は思いもつかないような
媚びてなくて 博識で ウェットにとんだ可愛げのある言葉で
挑発してみる
そしたらきっと期待を裏切る最高のリアクションをしてくれるはずだ
そんで私には手に追えなくて
私の方から見切りをつけて逃げ出してやるんだ
そこまで含めて最高だったということを忘れていた
案外 私が進んだ道は間違いではなかった
誰かにすがるでもなく
孤独を抱えながら
ニヒルな ニッチな市場を好んでいた
アイロニーとか焦燥とか好きだった
それに似合う装備を強化しながら
決してイケメンでは無いあの人のことを好きになったことも誇らしかった
若かったなー
一曲終わるごとに波紋の様に音を散らして
余韻を持たすその手法 抜け出せなくなる
あの瞬間が、頭の中でいつまでも反響し続ける
『気がついたらポケットでにぎりしめてぐしゃぐしゃになってしまっていたけど
時がたっても思いはまだ色あせない
手を伸ばして君のありかをさがす
見失ったここがはじまりだよね そうだね』