自分が嫌い?でも大丈夫!

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2008.02.22
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カテゴリ: 発達障害
ADHDの5歳の坊。
彼はとうとう大きな岐路に立った。

一昨日のこと。

保育園の体操の時間に、なわとびの縄を結んでズボンにはさみ、
それをみんなで取り合う「しっぽ取り」という遊びをやったらしい。
始める前、先生が
「しっぽを取られちゃっても、怒ったり泣いたりしなくていいんだよ。
 自分のしっぽがなくなっても、お友達のしっぽを取りに行っていいからね」
と説明をしたらしく、坊も納得して楽しく参加していた。

最後あたりでとうとう女の子にしっぽを取られてしまった。
もう少しで終わりというところでしっぽを取られた彼は
とたんに怒り出し、
保育園のフェンスを乗り越えて走って行ってしまったとのこと。
先生がすぐに追いかけて、
「もう少しだったのにしっぽを取られちゃって悔しかったね」と
坊主の気持ちを代弁して語りかけると、
話の途中から坊は車のことをいろいろ話し始めて機嫌が直り、
その後は落ち着いて過ごしていたらしいんだが。
先生からはその日の帰り、
「もしかするとお母さんにしか話せない気持ちがあるかもしれないので


家に帰ってから、坊に聞いてみた。
坊、いつもなら話をするのに
この日ははじめから「話したくない」態度でつっぱねる。

これは、何かひっかかりがあるぞ…。

3歳のお嬢に「ごめん、ちょっと大事な話をしたいから、テレビ消してくれる?」

こういうときのお嬢は空気を察するのが早い。
いつもなら嫌がるはずのお嬢は、すぐ「はーい」と返事をしてテレビを消し、
自分で紙とクレヨンを持ってきて、邪魔にならないように静かにお絵かきを始めた。

坊と向き合って座ってみたものの、
坊、あきらかに話をすることに拒絶反応が出ていて、
私の前に少し距離を置いて座り、足も手もごそごそと動かしまくる。

私「今日、しっぽ取りでしっぽを取られちゃったの、悔しかった?」
坊「○○ちゃんがぼくのしっぽを取ったから嫌だったの!!!」
私「しっぽを取られて怒れてきちゃったのが悔しい?」
坊「知らん!!」
坊はイライラ全開。
これだけイライラしているのには、何か違う理由があるに違いない。

私「坊、しっぽを取られて怒れてきちゃったのって自分が悪いって思う?」
坊「ぼくが悪いじゃん!怒ったんだから!」
私「じゃあ、ママも、よそのママよりもたくさん怒りすぎるから、ママも悪いと思う?」
坊「ママは悪くない!」
私「それじゃあ坊も悪くないよ」
坊「ぼくが悪い!」
私「坊は悪くない!」
坊「ぼく!ぼくが悪い!」
こんなやりとりがしばらく続いた。
それで途中、私もうっかりしたことを口走った。
私「違う!坊に同じ病気をあげちゃったママのせい!」
坊「ママは悪くないーーーーーーーーーーー」坊は激しく泣き出した。
私「ごめん、ごめん、ママは悪くないね。
  ってことは、やっぱり坊も悪くないんだよ」
坊「もういいの!話したくない!」
私「よくないの!
  坊はなんにも悪くないのに、自分のことを悪いと思って傷ついているんだよ!
  それなのに嫌だって逃げ出したら、苦しいのは消えないんだよ!
  今はちゃんとママの言葉を聞きなさい!坊は悪くないの!」
坊の顔から少し怒りが消えて、すがるような目つきに変わった。

私「坊はいつも怒らないでいられたらいいなぁって思うんでしょう。
  なのにいつも病気がわるさをして、坊を怒らせようとしてくるんだよ。
  坊が悪いからじゃない、病気が悪さをしてくるんだから、病気が悪いんだよ」
坊「ちがう。怒ったり喧嘩したりするのはぼくなんだから、ぼくが悪いんだ。
  怒れてきてもぼくががまんできないから、やっぱりぼくが悪いんだよ」

そこで、はっと気がついた。

ADHDの坊は、まだ、ADHDがどういうものかを知らない。
「保育祭の練習を、休憩しながらやるとうまくいくこと」
「ものをよくなくしてしまうこと」
「片付けが上手にできないこと」
それだけのことしか、私が説明していないからだ。
彼は、ADHDの大きな特徴のひとつ、
「感情の起伏が激しいこと」を
まだ私から知らされていなかったのだ。

彼はこの数か月、
「『怒った後に』どうクールダウンするか」
「『怒ったときに』たたいたりひっかいたりしてはいけない」
ということを必死で学んできた。
先生たちの協力もあって、その部分はかなりの変化が見られて、
ずいぶんクリアできるようになってきた。
それと同時に、私や先生たち大人の基準も上がってしまった。
彼がお友達をたたかないようにするためには
常にものすごい精神力をつぎ込んでいるのに
私たち大人がそれを当り前に思うようになって、
今度は彼が些細なことで怒ったりすねたりすることを責めるようになっていた。
私たちがハードルを上げてしまい、
彼自身もそのハードルを越えようとさらに努力を重ねていたのだ。


そして、彼はその先の問題にぶち当たった。

「どうしてぼくは怒ってしまうんだろう」

ADHDの根本の問題へ、こんなにも早くやってきてしまったのだ。


その後の細かいやり取りの中で、彼はずっと泣き続けていた。
そして、彼の思っていたことが、もっと詳しく分かってきた。

彼は、自分の感情の激しさをADHDのせいだとは知らなかったから、
「自分の感情が激しい」ということすら知らなかった。
だから、たとえばしっぽ取りのようなゲームにすぎないことでも、
他のお友達もみんなが、自分と同じように、
悔しくて腹が立っているはずだと思い込んでいる。

でも、お友達はみな、
その感情を顔に出したり行動にうつしたりせずに
ぐっとこらえてにこにこできるほどものすごく頑張っているのに、

自分はどんなに頑張ろうと思ってもみんなのように感情を抑えらない。

みんなに比べて、ぼくががんばれないダメな子だ。


彼はそう語っていた。


こんなにも早くここへたどり着いたのか…。
「どうして自分はこうなんだろう」
この問題と向き合う苦しさは、私が一番よく分かっている。
この問題を解決することがどれほど難しいか、私はよく分かっている。
思案した挙句、この問題を論理的にどうこう語っても仕方ないと気がついた。
彼にとっては、その問題よりももっと大切なことがある。
彼は今自分を嫌いになりかけているのだ。
私と同じように、自己嫌悪感が根っこをはやそうとしはじめているのだ。
私は、3歳のお嬢を呼んだ。


さすがはお嬢、いつもなら「これ書いてから」とか「ちょっと待って」とか
ぐずぐず言って聞かないのに、
このときもすぐに「はーい」と返事をしてクレヨンを置いてやってきた。
私「坊がね、自分はがんばれないダメな子だって思っているみたいなんだけど
  お嬢はどう思う?」
嬢「嬢ちゃんねぇ、坊くんいっぱいがんばってると思う」
私「お嬢はよく分かってるね。ママもお嬢も、坊がいっぱいがんばってるってこと
  よーく知ってるのにねぇ」
嬢「うん、嬢ちゃんも知ってるもん」
私「お嬢はさ、坊ががんばってると思う?
  それとも、坊のお友達のほうがいっぱいがんばってると思う?」
嬢「嬢ちゃんはねぇ、坊くんが一番がんばってると思う」
私「お嬢は誰が好きかなぁ」
嬢「嬢ちゃんねぇ、坊くんがいーっちばん好き」

坊の表情はだんだん柔らかくなってきた。涙も止まって、そしてそのあと
「ねぇママ、嬢ちゃんにさぁ、ぼくがいないとイヤかどうか聞いて」
「嬢ちゃんに、ゆり組のお友達とちゅーりっぷ組のお友達とぼくと
 その中で一番好きなのは誰か聞いて」等々、
自分の存在感を確かめるように、何度も何度も質問をさせてきた。
お嬢はそれに対し、坊の気が済むまでずっとそこから動かず、
すべての質問に対して根気よく答え続けた。
同じ質問が何度出てきても、一度も答えをはぐらかさず、すべてに返事をした。
もちろん返事は全部
「坊くんが一番すごい」
「坊くんみたいになりたい」
「坊くんが一番好き」
坊の求めていた通りの答えだったよ。私は質問する前からちゃんと分かっていたけど。


やっと坊は私のひざに乗ってべったりと甘えてきた。
そのとき、彼に話をした。
「坊やママはね、ADHDという病気があるでしょう。
 片付けられなかったりノートを忘れちゃったりする病気だけど、
 他のおともだちよりもいっぱい腹が立ったり泣きたくなったりもする病気なんだ。
 他のおともだちはね、坊やママよりも怒れてくることが少ないから、
 ホントは坊よりも頑張らずに過ごせているんだと思うんだ。
 坊はね、病気のせいでみんなよりもいっぱい怒れてきちゃって、
 いつもいつもそれを我慢しようとして、
 みんなよりも毎日毎日たくさん頑張り続けているんだよ」
彼は頷いて聞いていたけれど、問題は解決できているはずがない。
私だってずっと同じ問題を抱えたまま苦しんでいるのだから。

それでもいいのだ。
私と同じ壁の前に、5歳の彼が立つことになった。
でも私と違って、今の彼になら、
「ぼくは愛されている」という土台を作っていってあげられる。
それさえあれば、きっとずっと戦い続けていけるはず。
生きていく上で、「愛されている」という自信に勝るものはないはずだから。
そしていつかはADHDという自分をまるごと愛せるようになるはずだ。
私がいま、自分をやっと愛せるようになりつつあるのだから。





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Last updated  2008.02.22 13:21:44
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Re:5歳児、ADHDの岐路に立つ。(02/22)  
あい☆ さん

息子のこと検索していたら出てきて、読ませていただきました。
とても温かいやり取りに涙が止まりません。
あなたのような温かいお母さんで坊くんも嬢ちゃんも幸せだね(*´∀`*) (2014.03.25 12:53:34)

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