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この歌は西行の旅の歌の一つで 越路(越後国、現在の新潟県付近)での体験を詠んでいます
「橇(そり)」を使って雪道を進もうとしている場面
「早緒(はやお)」は橇の紐のこと
旅の準備の遅延と、その間に積もる雪を詠んでいます
「たゆみつつ」(ぐずぐずしている間に)橇の紐を付けようとしているうちに
越路の白雪がどんどん積もってしまった
という状況を詠んでいます
「たゆみつつ」と「積りにけりな」の時間的対比
雪国の厳しい自然を実感的に捉えている
当時の貴族や僧侶が普段体験しないような雪国での実体験が
臨場感のある表現で詠まれている点が興味深い歌です
西行の旅人としての側面がよく表れています
この歌も西行の作品で
雪の自然な積もり方とその美しさを詠んでいます
以下に詳しく解説します
たゆみつゝ
「たゆみ」は「休みなく」「絶え間なく」の意味で
「たゆみつゝ」は「休むことなく」という意味です
橇の早緒も付けなくに
「橇(そり)」は「そり」のこと
「早緒(はやお)」はそりに取り付ける紐やロープのことです
「付けなくに」は「付けることなく」の意味で
「そりの紐も付けることなく」と解釈できます
積りにけりな
「積り」は「積もる」の意味で
「にけりな」は「そうなったこと」を強調する表現です
「積もってしまった」というニュアンスです
越の白雪
「越」は「越後」(現在の新潟県)のことであり
「白雪」は「白い雪」を指します
この歌は
越後の地に降り積もる雪の様子を詠んでいます
特筆すべきは
「そりの紐も付けることなく」という表現で
ここでは雪があまりにも早く
多く降ったため
そりを使う準備をする間もなく積もってしまったという情景が描かれています
西行は
自然の力やその美しさ
そして人間の無力さを示しています
この歌は
自然の力強さや美しさを通じて
人間が自然に対してどれほど無防備で小さな存在であるかを暗示しています
また
「越の白雪」という表現は
雪の純粋さと量の多さを強調し
地域的な特色を表現しています
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