成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2012.07.31
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カテゴリ: 高速路線バス
昨日、奥田建・国土交通副大臣より 新高速乗合バス制度について記者発表 が行なわれた。私自身にとっては、この制度改正の件が進んでいたからこそ、高速バス事業の将来性について確信を持つことができサラリーマンを辞める決心がついたという意味で、大げさに言えば人生をかけ制度づくりを手伝ってきたわけで、ついに正式にゴーサインが出たのは重要なニュースである。昨日、出張先で報を聞き、帰りの新幹線車内では一人でささやかながら缶ビールで祝杯となった。

「バス事業のあり方検討会」では、激しく議論を戦わせた委員の方もいらっしゃるし、人事異動やご自身の体調の問題などにより途中で交代した行政委員もいらっしゃるが、全ての関係者の熱意と努力の結果としての新制度である。全員に心から感謝する。

何よりもこの制度が実現した後であればあのような事故はおそらく発生しなかったであろうことを考えると、直前に悲惨な事故が発生したことは残念で、悔しくて仕方がない。それでも、我が国の高速バス事業にとって大きな大きな転換点となる制度改正に深くかかわることができたことは非常に誇らしい。

報道などではどうしても「事故を受けて」と伝えられがちだし、事実そういう側面もなくはないが、実際には1年半前から様々な角度で議論を重ねてきた結果としての新制度の発表である。絶対に誤解しないでいただきたいのは、何も高速乗合バスと高速ツアーバスとを一本化することが、この制度改正の目的ではない、ということだ。公益性の大きい「平場」の路線バスと同じレギュレーションのもとで高速バス事業を運営するという高速乗合バスの制度にはそもそも矛盾があった。制度上、高速バス分野を事実上独り立ちさせたことで、特に既存の高速乗合バス事業者にとって大きなメリットが想定されている。

今後、私は二つの立場から新制度の実現に向けお手伝いをしていくことになる。まず一つ目は、高速ツアーバス各社のお手伝いだ。高速ツアーバス連絡協議会顧問の立場から、制度の詳細のつめと、何よりもバス停の調整について支援を行なっていく(バス停調整の進捗についてはさすがにここでは書けない。完了を楽しみにお待ちいただきたい)。

なお、制度上、彼らは旅行会社+貸切バス事業者から、乗合バス事業者(委託者)+貸切バス事業者(乗合バス事業の受託者)へと移行することになる。その移行には、書面上はともかく、実運用面ではかなり高いハードルが待ち構えている。そのハードルは、彼ら自身が、彼ら自身の事業の永続のために、歯を食いしばって乗り越えてもらうしかなく、私(あるいは協議会)は声援を送ることはできても、肩代わりすることはできない。

また、移行が無事に完了したあかつきには、高速ツアーバスという事業モデルはなくなるわけで、そうなるとおそらく高速ツアーバス連絡協議会もなくなる(※)ことになるであろうから、高速ツアーバス(あるいはそこからの「移行組」高速乗合バス)全体を、私が薄く広くお手伝いするのはその移行完了時点まで、ということになろう(コンサルティング会社として個別の会社のお手伝いをすることは当然ありうる)。

※よく新聞記者さんなどから、<新高速乗合バスに移行すれば、高速ツアーバス各社は日本バス協会に入会するのか?>とご質問をいただくが、いやいや、ウィラーも平成もキラキラも、それこそハーヴェストでさえ以前から日バスの会員であり、そもそも日本バス協会と高速ツアーバス連絡協議会は対立する組織でもなんでもない。



今回の件で制度上の対応が求められるのは、明らかに高速ツアーバス各社である。だが、事業のあり方、取り組み方という点では、実は「既存組」高速乗合バス各社の方が圧倒的に大きな変革を望まれているのだ。そのことを見落としてはならない。

幸い、少なくない事業者が、本気で新制度の活用の準備に入ってくれている。今回、4月のパブコメ時点でいったん見えてきた制度の詳細を、事故を受けて修正し、再度パブコメが行なわれた。その修正点のうち、「既存組」実運用に事実上影響するのは2点。貸切バス型管理受委託の対象範囲が、200km以上の路線から50km以上の路線へと変更された(もともとは50kmという案だったのでそこに戻った)点と、幅運賃の割引率や届出方法が変わった点だ。さっそく、先週および昨日の各クライアント事業者との打ち合わせでは、それら修正点を踏まえての、営業戦略やシステム、オペレーション改修方針の再変更がテーマとなった。先へ先へと対応を進める各社の姿勢が頼もしい。

これから、正式に省令が改正されるなどして、まずは「既存組」高速乗合バスから新制度の活用が行なわれていく。合わせてバス停調整などの環境整備を経て、高速ツアーバス各社が新制度に移行する。まずはその移行完了までが一つのヤマか。高速バス事業の新しい時代の姿がようやく形をあらわしてきた。それを苦境にあるバス産業全体を救うきっかけとするためにも、全社が最大限まで新制度を活用することができるよう、その支援に手を抜くわけには絶対にいかない。





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Last updated  2012.07.31 09:47:04
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Re:「新高速乗合バス」制度正式発表(07/31)  
basukeiei さん

これで以前より安全性が担保されることになりそうですね。
同じ輸送形態のものが、別々の法律が適用されていた矛盾がこれで解消あれますね。(私が現役時代にいっていたことが実現) (2012.08.07 19:27:36)

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